1-21『接続話/通話:誰もが心を隠している』

「――ええ、そうです。だいたいのことは上手くいったかな、みたいに思います。ええ、お力添えいただきありがとうございました。お陰で助かりました。……。はい、そうですね、全部が狙い通りかっていうと、正直そんなことはないとわたしも思います――むしろ予定外のことばっかりだったと思います。本当、なんでこんなに面倒なことになるのやらって感じですよ……ええ。まあ、嫌いじゃないですけど。それはいっしょなのでは? というか、だって、先輩はわたしのことを覚えていたんですよね? ……ああ、はい。そうでした。それは訊かない約束――ええ、もちろんです。先輩との約束を破っちゃう後輩もかわいいかな、とは思いますが。今日は、約束を守る系の後輩なのです。だから、先輩もちゃんと、約束は守ってもらいますよ――そこは譲れません。はい。たぶん、知っている人がいるとするなら、それはもう先輩以外にいないんです。わたしはそれが知りたくて、だからこんなに面倒なことしたんですから。だから教えてください。。知りたいのはそれです。目的がわかっても、動機がわかっても、その出どころがわからない限り、意味ないですから。教えてください――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る