こちらは、「仲間の死」にスポットライトを当てた作品です。
死を悼むことについて、こんなにも真摯に向き合った作品を私は初めて読んだと思います。
数えきれないほどの命が散っていく戦場。
命に貴賤はないけれど、係わりの濃さと薄さはあるわけで。
散った命への向き合い方に、きっと正しさなんて存在しないけれど、どうするべきなのかを考えさせてくれる一作です。
こちらの作品は、タイトルにもあるように、長編『やるせなき脱力神』の番外編となっています。
15000字足らずの文章で、作品の魅力をぎっしり詰め込んだ魅力的なお話になっています。
まとまりもよく、起承転結も美しくて、一つの短編としての完成度が高いのはもちろんですが、それだけではなくて長編への橋渡しとしての役目も担える作品じゃないかなと私は感じています。
ぜひこちらの作品を読んでいただきたいですし、気に入ったら、ぜひ本編の長編も読んでみてください。