Vol.2『裸のボディガード』

俺には、守るべき存在(もの)がある。

 体を張った仕事――世の中、そう形容される職業はごまんとあるが、俺のやってる探偵というのも、その一つと数えていいだろう。この身あっての商売だ。ま、当たり前か。

 何が言いたいかって、それはだな、大事なものを守るために、張れる体はあるのか? ということだ。男たるもの、そのくらいの用意はいつでもしとくもんだ。

 今回の依頼も。張った。体。いや、何も決して、自慢話をしたいって訳じゃあないんだが――

 ああ、やめやめ、やっぱり今の話は無し、無しだ。全部、忘れてくれ……。






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