発明で見る人類の歴史

@akira19751212

第1話

クラフティングは発展の起爆剤


世界的ゲーム「マインクラフト」が登場したのが、2008年頃。




週刊少年ジャンプで「ドクターストーン」の連載が始まったのが、2017年の事だ。




それ以前にも、サバイバルやクラフティング要素のある作品は沢山あった。




ゲーム「アトリエシリーズ」では錬金術をモチーフに、様々な物を作っていった。




この様なアイテムの合成要素があるRPGは、もはや普通と言っていいレベルだ。




ゲーム「モンスターハンターシリーズ」は、素材そのままに加工する事で武器や防具を作っていくのは、クラフティングと言う意味では、むしろ「加工技術が退化した事が新しかった」と言えるだろう。




1888年に世に出た古典で、漂流モノの代表格「十五少年漂流記」では、無人島で子供達が協力してクラフティングを駆使し、サバイバルをしながら生活基盤を整えていく展開にワクワクしたものだ。




フィクションでも現実でも


こういったクラフティング要素のあるモノには、物を作る際、必ず順序がある。




ドクターストーンを読んだ事があるなら、マインクラフトや他のゲームをプレイした事があるなら、分かると思う。




より難しいモノを作るには、一つ下の段階のモノを作る必要があると言う話だ。




つまり、クラフトレシピには、必ずツリー(樹形図)が存在しているのだ。




これは、ゲームや物語に限らず、現実でも同じである。




今回は、そんな所も意識しながら人類の発明史をザックリと見ていきたい。




と言う事で、この記事では、発明の歴史について多分に推測を含んで考察していきたいと思います。




この記事の役割と、注意点


目標・目的としては、物語の舞台となる文明の歴史や世界観の中で「リアリティ」を求める際に「あっても不思議ではない」と言う目安として使えるモノサシになればと考えている。




あらかじめ書いておくが、モノサシを武器に既存の作品に「この時代に、これはあり得ない」と言うイチャモンをつける目的で使うのは、絶対にやめてもらいたい。








作者が「ある」と言えば「ある」し、「ない」と言えば「ない」のが創作であり、リアリティを求めるか否かは作者の自由です。






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▼紀元前600万年:文化


もはや正確な年代は分からない。




群の中で形成されるルールと言う形から、姿形には残らない概念的な発明があった事が予想される。




明らかに自然の動物とは一線を画す、人同士の共通認識の構築である。




リーダーを決めたり、獲物を誰が優先して食べるかや、モテる要素等がそれぞれの群で独自形成されていった事が予想される。




▼紀元前260万年:石器アフリカ~


これも正確な年代は分からず、紀元前330万年前説もあるらしい。




ちなみに、紀元前1万年前頃までを「旧石器時代・文化」と呼ぶ。




ここで言う石器とは、主に「打製石器」で、石を割ったり研ぐ事で作る「ナイフ」等だ。




これは、主に「骨や肉食動物の爪、牙を模倣」して作ったと考えられる。




つまり、石器以前に投石や爪、牙を武器にしていた、道具を使う人類がいた事が想像出来るが、発明と言う意味では「石の加工」を行っている次点で、ここからが妥当だろう。




クラフティング要素のあるサバイバルゲームでも、石の道具を作る事から始まるのは、けっこう理にかなったデザインと言える。




▼紀元前160万年:火、料理


ここからも当分、正確な年代は分からない物が続く。




ギリシャ神話では、プロメテウスに与えられたとされる「火」だが、実際は落雷、山火事、溶岩と言った「自然由来の火」を、木の枝等の落ち運べる物に燃え移らせ、洞窟内に運び、焚火にしてから燃料を絶やさず入れ続けて「消えないように管理」したのが「最初の火」だと推測されている。




どうすれば発火するか分かっていない時代は、火は貴重品だったわけだ。




その後、火打石や木端、乾草を利用して人為的に発火させる技術が確立するまで、相当の時間を要した事が予想できる。




火を獲得した事で、調理する事が出来るようになり、「食べ物を焼く」と言う事が可能となった。




加熱調理とは「減菌」の手段を無自覚に獲得したと言う事でもある。




これは、人類の寿命を延ばす事に寄与した、大きな気付きだっただろう。




▼紀元前50万年:服


石器を手に入れた事で「物を切る」事も可能となり、この頃になると動物の皮で服の原型を作れるようになっていった事が予想できる。




皮を、加工し始めたという事だ。




服を作れると言う事は、「初期の革加工技術」と共に「革紐」も人類は遠からず手に入れているだろう。




植物のツタや動物の内臓でない、「人工的な紐」の獲得は、結構な発明である。




扱いやすい紐と、服を作る必要性によって「結び方」も、このぐらいの時期に初期の研究をされた可能性がある。




どれも、時期的に氷河期でもあるため、必要に迫られて服を作ったというのが現実的だろう。




▼紀元前40万年:言葉


このぐらいの時期になると人類は、独自の「発声」から、やっと「言語能力」を獲得していたと予想される。




逆に、ここ以前の時期は、家があり、石器を持ち、革の服を着て、火で調理をして生活していた人類は、道具を使ってこそいるが、共通言語が無い状態で動物の様に意思疎通をしていたと考えられる。




言葉が生まれる事で「名前」等が作られ始めた筈だ。




また、初期の言語は「動物や自然音の真似や、感情に任せた発声」等から始まった事も予想される。




犬の鳴き声から「わんわん」が共通認識になる様な、赤ん坊が言葉を覚える様な感じだ。




▼紀元前40万年:住居


それまでも、洞窟等の自然由来の住処に住んでいたのは間違いない。




しかし、このぐらいの時期から、人は住居を工夫し、木や動物の皮や骨を使ってテントやコテージの様な簡単な建物を作り始めていた。




最初からしっかり作っていたわけではなく、居住性を上げるために整地し、住処になりそうな洞窟や巨木の枝を模した様な構成にして「身を隠せる壁や屋根」を作り、自分達を囲ったり、複数人が入れるような規模に徐々に進化させていった。








鳥やビーバー、一部の虫等の動物が、木をくみ上げて住処を作る事から、何かしらの動物の真似をした可能性もあるだろう。




▼紀元前40万年:槍ドイツ~


少なくとも、この時期には人類は槍を手にしていた。




木の枝を加工して、先端を尖らせたり、時には先端に石器をツタや革紐等で括り付けて威力を増した訳だ。




リーチが長い方が戦闘で有利な事、投擲する際に投げやすい事、柄があった方が力を込めやすい事、等の利点があるが、発明までかなりの時間を要したアイディアの結晶で、当時は最先端の武器だった。




だが、アイディアが周囲に広まると、一気に真似され、優位性は一瞬だった筈だ。




服や家と同じく、「複数のパーツを組み合わせた道具」の登場は、初期の発明や発見としては大きな前進だった。




▼紀元前40万年:顔料ザンビア~


顔料を使い始めたと言う事は、人類は色を塗ったりと言った事を人、物、場所に対して行うようになった事を意味している。




これは、人類史に彩りが増えると同時に、人の生活に余裕が見え始めた事も意味しているのかもしれない。




毛皮を着て、石器を持ち、言葉で意思疎通をし、住居に住んで、調理した料理を食べると言う、必要最低限文化的な生活が揃ったからこその発見であり発明だったのかもしれない。




おそらくだが「化粧」も、この時期の前後に発明された事が予想される。




▼紀元前30万年:葬式


死者を埋めたり、焼いたり、撒いたり。




今でこそ方法は様々だが、このぐらいの時期から、人は葬式の原型的な事を行っていた可能性があると言う。




葬式とは、要するに故人との永遠の別れを区切る「セレモニー」であり「儀式」である。




葬送方法が決まっていない時は、愛する人が死んでも区切りをつけられず死体を連れまわす様な事態も、人によっては発生したはずだ。




葬式と言うセレモニーが出来る事で、ルールとして「死者とは、こう別れる」と決められ、それによって人は、人為的に区切りを持つ事が出来た。




文化のレベルがアップしたという所だ。




▼紀元前20万年:壁画、絵画


顔料と、今までは地面等に描いていた絵を組み合わせ、絵を長く残す発明が成された。




洞窟の壁に、自分達や動物の絵を描いて、言葉以外で「情報を保存する術」を身に着けた。




ちなみに、現在の人類の祖となるホモ・サピエンスが登場したのは、このぐらいの時期である。




▼紀元前14万年:骨角器


石や木だけでなく、動物の骨や角、さらには殻等を加工して様々な道具を作り始めた。




最初は、石器の骨版だったが、長い年月をかけて石や木以上に加工しやすい材質である事から、後に様々な物が発明される事になる。




▼紀元前10万年:日本列島に移住が始まる


発明とは関係無いが、このぐらいの時期から日本には人が住んでいたらしい。




当然だが、文化的には石器時代の原始人である。




▼紀元前8万年:儀式宗教・魔法


氷河期等の影響で人類は数を一万人程度まで減らし、危機に瀕した時期だ。




この時期に、「フェティシズム」と呼ばれる「狩猟成就の儀式」の形跡があったとされ、それが最古の宗教であり、魔法であったと推測される。




更に、儀式が行われていると言う事は、ここに至る前後で植物、キノコ、動物等を由来とした「毒」あるいは「薬」や、発酵した果物等を食べる事で「アルコール」の認識も、文化としてあっただろう。




トリップによるトランスは、猫がマタタビを好むように野生の中でも自然な事だ。




▼紀元前7万年:装飾品


アクセサリーと呼んで差し支えない石、木、骨、貝、等を加工した装飾品が歴史に登場し始める。




ビーズ等を組み合わせた飾りや、ピアス等のアクセサリーだ。




氷河期の中でも、文化の発展は止まらず、オシャレをする余裕もあったという事だろう。




紀元前73000年前の貝殻のビーズが、現存最古と言われているとか。




▼紀元前6万年:弓


紀元前数十万年前には原型が存在していたと言われる武器らしい。




それまでも、投げ槍や投石は行って来ただろうが、ここで遂に遠距離専用の武器が人類史に登場する事になる。




弓と矢は、弦、鏃、羽とこの頃の武器にしてはパーツ数が多く、適切に組まないと思い通りに矢を飛ばせず、矢を射るにも技術が必要と言った感じだが、槍以上の遠距離・対空攻撃力がある事で弓は最新鋭の武器として重宝され、良い弓を作れる人も同時に大事にされたと思われる。




また、弓の登場は「弦楽器」の登場の前触れでもある。




弦を弾いたり擦って音を出すのに最適ではなくとも、弦から音が出る事を人類に気付かせるには十分だ。




▼紀元前5万年:殺人


少なくとも、この時期には「人対人の争い」の形跡が見つかっているらしい。




それ以前にも喧嘩や縄張り争い等で殺し合い自体は幾度となく発生しているだろうが、人類の同族を殺す歴史は、このぐらいから始まっているのかもしれない。




▼紀元前4万年:船、釣り針


ボートを水に浮かべ、人は移動範囲を広げていった。




最初は水に浮かぶ木を利用していたぐらいだっただろうが、それを人為的に木を浮かべる様になり、更には扱いやすいように加工して船の形に工夫していった筈だ。




船の登場は、移動範囲の拡大だけでなく「物の運搬」でも、大きな貢献をした筈だ。




もしかしたら、巨大な木を運搬している時にボートのアイディアを得たのかもしれない。




また、このぐらいの時期に、骨で作られた釣り針が登場し、「魚釣り」と言う漁を人類が行っていた事が窺える。




日本の沖縄県南城市サキタリ洞遺跡で発見された物は、紀元前2万1千年前に「ニシキウズ科の巻貝」の一種の底を割って磨かれて作られていた。




▼紀元前3万5千年:符木棒


数やメッセージを伝える木の棒を使った記録媒体。




まだ高度な文字が存在していない為、複雑な意思疎通には使えない。




「持ち運び可能な物」に「記号で情報を記載する」と言う手段を発明した事で、後の「文字」に繋がる発明だったのかもしれない。




▼紀元前3万年:糸、縫い針、織物


亜麻を用いて、人は糸と布を作り始めた。




服に始まる布製品が登場し、縫製と言う技法が発明される時期でもある。




ここ以前の服は、主に動物の皮で作られたものだったと言う事でもある。




また、織物が始まったと言う事は、効率化を考えて何かしらの「織機」の開発を行った人が出始めた時期でもある。




▼紀元前3万年:笛ドイツ~


草笛や口笛の様な、音の振動で音色を奏でる道具の考案や、穴の数によって音色が変化する気付きまで、様々な発見が行われた筈である。




演奏専用の楽器が登場したと言う事は、ここ以前のどこかで「音楽」が発明されているという事でもある。




他にも、動物の骨で作られた「ホイッスル」状の笛がスイスで見つかっていたりして、歴史は古い。




紀元前3万3000年前の、マンモスの牙や鳥の骨で作られた横笛が、ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州はシュヴェービッシェ・アルプにあるホーレ・フェルス洞窟の後期旧石器時代オーリニャック文化遺跡で発見されたとか。




▼紀元前2万5年:土器


それまでは木や石や動物の骨を加工して使っていたであろう「器」も、粘土を焼いて固めて器にする陶器の登場で、大きく変化した。




形状の加工がしやすく、丈夫な器を手に入れれば、より良い環境で食べ物を「保存」したり出来る。




陶器の原型や、元となった考え方の登場は同時に、人が火を自在に着火出来るだけでなく「高温」にする術を手に入れた事も意味する。




焚火の温度は、250度から450度程度だが、土器をしっかり焼くには700度以上、出来れば1,000度を超える熱量が欲しい所だ。








1,000度以下で焼いた物は土器と呼ばれ、1,000度以上で焼くと、炻器1,100度、陶器1,200度、磁器1,300度と大雑把に変わり、完成品の吸水性等の性質に大きな差が出てくる。




まだコーティングの概念が無いのだから、器は出来るだけしっかり焼いた方が良い筈だ。




チェコモラビア地方のドルニ・ベストニツェ遺跡から出土した、紀元前29000年~25000年頃のドルニ・ベストニツェのビーナス像が特に古いとの事。




▼紀元前2万年:ロープ(フランス~)、ブーメラン


人類は、繊維を太く丈夫なロープに加工する術を手に入れた。




丈夫で扱いやすいロープを手にした事で、これまでの文化にも変化が起きる。




例えば、陸にまで引き上げる必要があった船は、場所によるが係留で済むようになる事もあるだろう。




建物を丈夫にする建材にしたり、ベルトとして着用したり、その利用方法は多岐にわたり、発明の価値は計り知れない。




この時期に人類は「農耕」を始めていて、定住して農業を行う人が増えた事で、畑を耕す家畜の管理にも、ロープは役立った筈である。








日本の歴史の授業で習う「縄文時代紀元前1万4千年前」も、ロープが無い事には「ロープ模様」を作る事出来ない事から、このぐらいの文化水準が予想出来る。




同時に、ロープを作る技術力がある時点で、原始人文化としては、かなり進んだ段階から授業で習っている事も推測できるだろう。




また、武器として紀元前1万8千年前にはブーメランが登場していたのも興味深い。




舞い落ちる葉の動きか、それとも偶然投げた物の形が整っていたのか、投げたら戻ってくる面白いアイテムを人類は手に入れた。




狙った獲物に当たれば良いし、外れても回収の手間が少なくて済むのだから、様々な使い方がされていたかもしれない。




▼紀元前1万年:アルコール


このぐらいの時期から、人類は人為的にアルコール、つまり「酒」を造っていたらしい。




果物が腐敗ではなく発酵する条件を探し、水と果物をどういう環境で保存すればアルコールが発生するかを突き止め、器を利用して再現性のある生産方法を確立したと言った感じだろう。




アルコール造りに精を出せるのも、農耕の発生によって全体の食物に余裕が出来た事が関係している筈だ。






▼紀元前1万年:日本列島分断・氷河期終結、新石器時代突入


もう少し正確には、紀元前1万2千年ぐらい前の事らしい。




世界の人口は、全部で4,000,000人程度。




それぐらいの時代に、何が発明されたのか見ていこう。




ちなみに、縄文時代真っ最中である日本の中で「日本式の弓矢」が使われていたのは、このぐらいかららしい。




また、「与那国島遺跡」の作られた年代も、このぐらいだと言う話がある。




▼紀元前1万年:農業


アルビン・トフラーの言う農業革命の時期で、狩猟採集から農業へ「仕事」がシフトし始めた時期である。




農業がメインの仕事になると、麦などの植物を世話する事が仕事になり、生活様式が大きく変化する。




危険を冒して獲物を狩るのではなく、何でも育てて増やす方が効率的だと気付いたわけだ。




そして、農業を行うのだから、「農具」を考案する者も現れ始める。




それまでは骨や石器でナイフや槍や斧を作っていたのを「鎌カマ」や「鍬クワ」等の農作業が便利になる道具に改良し始めた時期でもある。




▼紀元前1万年:籠


紀元前3万年前に織物によって布を手に入れた人類。




「立体的に編む」と言う発想によって、籠を発明した。




水は保存出来ないが、土器の様に落として割れる事が無く、軽く、丈夫な「器」の登場は、画期的だ。




例えば、籠を背負えば、畑の収穫や、植物の採集等で運搬量が大きく違ってくる。




これは土器には無い利点である。




▼紀元前1万年:レンガ


土器で家を作ったら丈夫では無いか?




当時の人は、きっと思った事だろう。




「アドベ」と呼ばれる日干しレンガに似た建材が登場するのも、この時期だ。




泥や土を混ぜ、成型し、乾燥させ、建材にする事で、テントや木の小屋の様な住居から、簡易なレンガ造りの建物をも作れるようになった。




これは、農業によって定住するからこそ移動を必要とせず、丈夫な家が欲しいと思えたからこその発明かもしれない。




また、レンガの原型が登場する事で、石造り以外にも「窯」を作れる様になった筈だ。




ちなみに、前の記事で書き忘れたが窯で焼く食べ物「パン」の歴史は古く、紀元前13000年よりも前、農業を始めるよりも早い時期から、食べられていたと考えられている。




パンの化石が存在するらしい。




▼紀元前9千年:3階建て建築 


エリコの町にあるエリコの塔と呼ばれる石造建築物。




▼紀元前9千年:金属加工メソポタミア~


当時の最先端、遂に人は金属を手に入れた。




最初に炉で作られた金属は「銅」だったらしい。




銅製品が作られ金属加工技術が一般化すると、石器等は、その性能差から長い時間をかけて使用率を減らしただろう。




紀元前8800年頃の銅製の小玉がイラクで発見されている。




世界最古の銅製食器や銅製調理用具としては、紀元前4000年頃のパレスチナの遺跡で発見されているとか。




▼紀元前9千年:水田稲作、動物の乳牛乳等


米作りで水田を用いたのは、このぐらいかららしい。




また、農業発展には一定以上の大きさの家畜が必要で、大型で大人しい哺乳類「馬」「牛」や「羊」「山羊」等がいた地域の方が、集落が大きく発展していった。




そして、農作業用に家畜として捕まえる事で、肉を食べずに世話をする事が当たり前になった為に、人は「人の母乳以外の乳」を地上的に飲む様になっていった。








当然、革袋や土器に乳を保存すると言った事も起き「ヨーグルト」「チーズ」と言った乳製品も、このぐらいの時期から登場するだろう。




▼紀元前8千年:畜産、野菜等の栽培


オリエント文化圏で、農業を手伝わせるだけでなく、食肉として家畜を育てるという発想に気付いた人々がいた。




それまでは家畜が死ねば食べるし、いなくなれば捕まえてくるという村もあっただろうが、畜産業の確立によって家畜は麦と同じように管理される存在になっていった。




また、麦や米だけでなく、様々な植物を栽培する成功例が増え、その方法が確立していった時期でもある。




畜産の発明で、肉が狩猟よりも安定供給出来るようになった。




この発想に至っているので「魚の養殖」等を思いつく人もいたかもしれない。




▼紀元前7千年:犬のペット化


犬好きには朗報だろう。




それまでも、犬や狼と絆を築く人はいた筈だ。




だが、畜産によって大量の家畜を管理する必要が出てきた事で、狩りのパートナー以外の形として、紀元前4300年ぐらいには「牧羊犬」の有用性が示されていた。




そうなると、犬の存在は以前よりもグッと身近になる。




また、定住しているからこそ必要になるのは、家を守る「番犬」としての役割だ。




ちなみに、シェパード・ドッグやシープ・ドッグは、どちらも「牧羊犬」と言う意味になる。




ジャーマン・シェパード・ドッグは、ドイツの牧羊犬って事で、シェパード単体では「羊飼い」、または「牧師」と言う意味だったりする。




▼紀元前7千年:牛の畜産動物化


畜産業が一般的になると、牛も畜産動物の仲間入りをする。




肉の為に牛を殺す事が多くなれば、同時に増えるのが「牛革」製品だ。




ちなみに「馬」が畜産動物としてメジャー入りを逃れたのは、牛よりも遥かに古い人との付き合いと「移動手段」と言うポジション等があるのかもしれない。




頭が良いイメージもあるしね。




▼紀元前7千年:金


今でも不景気には強いと言われる「金」は、このぐらいの時代から人と密接な関係にあった。




金属加工技術を手に入れて2千年ぐらい、銅以外にも様々な金属の利用にチャレンジし、ようやく手に入れた「黄金」の輝き。




▼紀元前7千年:ドリル(インダス~)


驚くかもしれないが、人類は、この時期に一種のドリルを手に入れていたらしい。




インダス文明のあった地域で見つかったのは、歯科用と思われるドリルである。




キリの様な物かもしれないが、十分金属加工技術の高さは凄いと思うし、「虫歯の治療」を試みる発想にも驚きを隠せない。




▼紀元前7千年:地図現在のトルコ付近~


当時、バビロニアの人々が世界地図を作っていた。




材質は石板や粘土板等が、主に使われていたらしい。




「どうやって世界地図なんて?」と思うが、地図が必要と言う事は「交易」が行われていた可能性がある。




他の地方の人から話を聞けば、そこに島や大陸がある事が分かる。




それを長い期間繰り返して情報を集積すれば世界地図が積みあがっていく、と言うのが現実的だろうか。




▼紀元前7千年:文字


後の紀元前3500年前ぐらいに登場した「ウルク楔形文字」が古い文字で有名だが、この頃には文字の原型があった説がある。




最初期の文字は、シンボルと呼ぶ方が適切なもので、今ほど情報伝達能力が高くない代物だったらしい。




ヨーロッパでも紀元前では、音声の補助的な立場が強かったり、近年の日本の様に喋り言葉と書き言葉が一致していない時期が長かったり、文字文化は非常に複雑だ。




紀元前3300年前ぐらいに「ピクトグラム」が開発されたが、この流れにあるのだろう。




ちなみに、紀元前3200年前の「ヒエログリフ」が残っている最古のモノと思われている。




▼紀元前7千年:漆器日本~


副葬品に漆器加工の形跡がみられる。




▼紀元前6千年:都市、神殿メソポタミア~


建築技術の向上、宗教の確立、儀式の重要化。




文明以前の時代に、都市が出来、神殿の建造が行われていた。




宗教が確立し、共通認識となると「像」として「偶像アイドル」が作られる。




視覚化された「神」や「怪物」の登場によって、人々の共通認識は強化されていく。




強化された共通認識は、長い時間をかけて「神話」になり、語り継がれていく。




伝言ゲームは世代を超えて極端になったり、真実として語られる事で、更に神話のイメージは強化される。




宗教が確立すると、儀式にも変化が起きて「副葬品」を埋葬するようになった。




▼紀元前6千年:灌漑、農業効率化メソポタミア~


都市化するほどの発展には、高い食料自給率が必要だ。




それを支えたのが、「水路」の整備や「貯水池」を作る潅漑かんがいや、高い金属加工技術に支えられた農具の発展にある。




「斧」が金属化する事で、木の伐採が以前より容易になる。




その豊富な資材を使い、新しい農具が開発、量産されていく。




「鋤すき(初期のシャベルみたいなの)」で耕したり、「プラウ」と呼ばれる土を耕す器具トラクターの原型を馬や牛に引かせ始める事で、人の負担も減っていっただろう。




▼紀元前6千年:ビール(シュメール)


果物、乳に飽き足らず「麦を使った酒」が造られ始めたのも、こういった時期だ。


ビールを受け取った旨を記した粘土板、紀元前2050年のシュメールの物が見つかっている。




▼紀元前6千年:轆轤、陶器メソポタミア~


文化の著しい発展で、金属の鋳造が出来る様な窯を手に入れ、焼く火力が上がった。




更に「轆轤ろくろ」を開発したことによって美しく整った形状になり、メソポタミア陶器が登場する。




▼紀元前6千年:宝飾品、象牙


石器も骨角器も廃れ始めていたが、実用品から装飾品へと立場をゆっくりとシフトしていった。




石の加工は「宝石」や「金」を用いた宝飾品がメインへと移り始め、骨角器は象牙製品や彫り物等の高級品へと移っていった。




当時すでに絶滅していたマンモスの牙を彫った物も、中にはあるらしい。




人類史最古の宝石は「ラピスラズリ(瑠璃)」と言われていて、紀元前7千年ぐらいからビーズに加工されてインダスから他の地方に輸出されていたという。




ちなみに、モース硬度は5で、ラピスはラテン語で「石」の意で、ラズリは地名。




▼紀元前6千年:シュメール・キュビット




長さの単位で「517.2㎜」の銅棒が見つかっている。




メソポタミアの発明。




▼紀元前5千年:玉蜀黍


麦、米に続き、玉蜀黍トウモロコシも栽培作物のラインナップに加わった。




▼紀元前5千年:歯磨き粉


蹄、牡蠣の殻、卵の殻、軽石、等を砕いて「研磨剤」として利用していた。




「歯科用ドリルの前に、その発想には至らなかったのだろうか?」なんて言うのは野暮だし、口の中を血だらけにした末にたどり着いた答えだった気もする。




▼紀元前5千年:合金、ヒ素


13世紀にアルベルトゥス・マグヌスが発見して一般的になるが、それ以前にも「青銅加工」に手を出してヒ素鉱石に悩まされていた人がいたとか。




ヒ素を利用しようって悪い人がいたりとか、したかも?




それよりも、正体不明の中毒に悩んだ人の方が多そうな気も。




また、青銅は錫スズと銅の合金なので、青銅器が本格的に作り始められる紀元前4000年~紀元前3600年ぐらいまでは、そこまで一般的にはならなかったのかもしれない。




▼紀元前5千年:火起こし用の弓錐インダス~


無人島やらサバイバルで火をおこすときに使うやつ。




ユミギリ式発火法とか言うらしい。




横棒を上下すれば縦棒が回転する機構って、最初に考えたやつ頭良すぎるだろ。




▼紀元前5千年:円筒印章シュメール~


最初期のハンコ。




「模様に意味を込める」と言う意味で「レリーフ」や「文字」が開発され、それを手軽に使うためにスタンプ化した物。




後に、個人や団体の印の価値が重くなっていく。




▼紀元前5千年:伝書鳩シュメール~


鳩の習性に気付いて連絡用に使い始めた時期。




鳩に積める物は限られるので、最初期の伝達情報量は相当少なかった筈だ。




だって、まだ紙も無ければ、便利な文字も無い時代だしね。




▼紀元前5千年:スケート靴スカンジナビア~


スケート靴の歴史って、そんなに古いのっていう時代に発明されている。




もちろん当時は、完全な実用品だっただろう。




▼紀元前5千年:オール、セイル(帆)(メソポタミア~)


むしろ「ここ以前の船はどうやって進んでいた?」って感じだが、長い棒で底を押してたのだろうか?




ここでようやく「水の上を自由に移動出来る」ようになったわけだ。




▼紀元前4千年:車輪、接着剤メソポタミア~


車輪の原型は、紀元前5000年ぐらい前に発明された。




最初は陶器を作る為に考案された轆轤を横にする発想から生まれた車輪の登場で「荷車」が紀元前3500年ぐらいに生まれ、それを家畜に引かせる事で「馬車」となり、平地での運搬可能量が爆発的に増える事となる。




接着剤は紀元前3800年ぐらいの時期で、当時使われていたのは「蜜蝋」「樹液」「アスファルト」等だ。




ドリル、轆轤、弓ぎり、車輪、と「回転運動」をする機械が登場して、文明感が高まってきたところで、ここぐらいから「文明」って歴史の授業で習うようになる。




▼紀元前4千年:青銅器、合板、金細工


オリエント青銅器の登場で、本格的に青銅を使いつつ、それを器に加工する発想に至った事が分かる。




紀元前3500年前ぐらいには、エジプトで合板が発明され、素材を組み合わせる技術が向上しているのが実感できる。




紀元前3200年前には「金細工」が作られるようにまでなっていった。




▼紀元前4千年:運河メソポタミア~


農業用水路ではなく、船が行きかう「交易用水路」を作り始める。




▼紀元前4千年:時計メソポタミア~


最初に発明されたのは「日時計」で、正確な起源は分かっていない。




紀元前3000年代になるとエジプトでも使われるようになり、機械時計が登場するまでは時計と言えば長らく日時計だった。




紀元前2000年代に入ると、エジプトで「水時計」も開発されている。




ちなみに「砂時計」は正確な期限が分かっておらず、原理はともかく材質として透明なガラスの精密な加工が可能になった年代よりも後である事が予想され、11世紀前後に作られた可能性があるらしい。




▼紀元前4千年:石畳、石造りの建物、歴史編纂


車輪の為に欲しくなっちゃうのが「舗装道路」。




石造りで建物を作れると言う事は、「石工」の技術が芽吹いた時期も、この辺だろう。




これは、運河で巨大な石を遠くまで運べるようになった事も大きく関係している。




「石工」は、今でこそ伝統技術的だが、当時は石を自在に割れる超専門職だ。




ちなみに「ストーンヘンジ」の建設が開始された時期は、紀元前3100年付近と言われている。




このぐらいの時期、紀元前3500年ぐらいに「歴史編纂」が徐々に始まる。




つまり、ここ以前の歴史の大半は、発掘された証拠品からの推理や、放射性炭素年代測定や、神話からの推測を通して組み上げられたもので、ここからは「人の目」を通した物が、ようやく含まれ始めると言う事だ。




▼紀元前4千年:下水道インダス


推定、紀元前3100年ぐらいには下水道が完備されていたらしい。




上で触れた運河や舗装道路もそうだけど、大規模な「インフラストラクチャー整備」が始まって、文明が文明らしくなってきた感がある。




▼紀元前4千年:シルク(古代中国~)


推定、紀元前2750年ぐらい(少なく見て1000年後)から「養蚕業」が始まるらしい。




それ以前の蚕の養殖を確立する前の「天然のシルク」は、どれぐらいの価値があったのだろうか?




▼紀元前4千年:筆記具


粘土版や、象牙等の動物の骨製の筆記用具がエジプトで見つかった。




推定時期は紀元前3300年ぐらいだけど、文字が出来て以降のどこかで作られてないと、文字書きにくいよね。




▼紀元前4千年:ガラス


メソポタミアでガラスビーズが作られたのが起源と言われている。




当時はエジプトが技術的に進んでいて、一部の植物灰や天然炭酸ソーダとともにシリカを熱すると融点が下がることを発見する等してガラス加工に必要になる燃料量を減らしたりと、技法の進歩に大きく貢献していた。




器などへの加工には、発見よりも時間がかかっていて、紀元前2000年代までには上記の方法で溶融での加工が可能になったが、「宙吹き」と呼ばれる製造法が発明されるのは紀元前100年の後半までかかる。




▼紀元前3千年:冶金、鋳造、鞴


シュメールの方で冶金やきん技術の開発が進み、様々な金属を扱えるようになった。




インベストメント鋳造の発明によって、耐熱温度の高い「石膏」や「砂」等で作られた「鋳型」に溶かした金属を流し込む事で、思い通りの形にする事が可能となった。




その際、原型の材料には蜜蝋等を使う手法があった。




蜜蝋の耐熱温度は低く、造形も容易な為、原型にして鋳型を作れば、溶かして取り出せるから非常に便利だった。




同時期に「鞴ふいご」の発明で、炉に風を送って温度を高める事が出来るようになり、青銅器時代は全盛となる。








ちなみに「鉄」は、紀元前700年頃に中国で発明されるまでは、お預けだし、貨幣の登場はもう少し先になる。




▼紀元前3千年:ベル




青銅器等を作る事で、それを叩くと大きな良い音が出る事に気付くと、人は音を出す為の「器」を作った。




それが、器を吊るし、叩いて長く反響させる「ベル」の始まりだ。




特別な時に鳴らす「警鐘」や、儀式、楽器、様々な使い方が考案されるのは、もっと先の話だろう。




▼紀元前3千年:ショーテル(シュメール~)


ガンダムサンドロックの武器、と言うと思い浮かべやすい人もいるかも。




半月状の刃を持つ剣で、歴史の古い武器である。




▼紀元前3千年:表音文字シュメール~


これは、文字と音が一致する文字が作られたと言う事。




実は、かなり凄い発明。




▼紀元前3千年:蝋燭




接着剤や、鋳型の原型に使われていた蜜蝋や、獣脂、植物のロウを原料に蝋燭が作られた。




溶かして流し込み固めるという、鋳造と似たプロセスで大量生産出来るのも魅力だ。




蝋燭の登場で「便利な光」を人類は手に入れた事を意味する。




それ以前の火は、焚火や窯、炉の中にある「大きくて、燃焼が短い、火」であり、コスパが悪く管理が大変な面があった。




しかし、蝋燭なら「小さくて、燃焼が長い、火」で、管理は楽であり、面倒なのは溶けた蝋の掃除ぐらいで、光源としてのコスパは最高ある。




▼紀元前3千年:スキー板、ソリ(スカンジナビア~)




北欧の方で徐々に使われ始めたという話だが、設置面積を増やして沈まず、雪上を滑る装具は画期的だったに違いない。




「ソリ」の足を靴につけたのか、スキー板を馬車につけて「ソリ」にしたのか、どっちが先だろうか?




▼紀元前3千年:ダム(エジプト~)


エジプトの方で、川をせき止めてダムを作った記録がある。




水路、貯水池、運河ときて、遂にダムを手に入れ、古代エジプトでは水を操って繁栄を築いていた事が分かる。




▼紀元前3千年:セメント、ピラミッド、スフィンクス(エジプト~)


セメントの発明で、それまで以上に丈夫な建物を作る事が出来るようになった。




エジプトのピラミッドには「モルタル」が使われている物がある。




ちなみに使用用途は、接着剤である。




モルタルで石材を固定できたから、ギザの階段ピラミッド等も作れたのだろう。




紀元前2700年にはスフィンクスを建造している。




▼紀元前3千年:占星術、カレンダー(エジプト~)




当時の世界最先端である「占星術」や「天文学」が成立、発展していたエジプトで、遂にカレンダーが発明される。




カレンダーは、天体の動きから季節や一年の周期を割り出した「予言書」である。




カレンダーの通りに世界は動き、それを読み解けるのは「占星術」や「天文学」を習得している一部の者だけ。




一般人からすると「雨季」等の到来を言い当てられる彼らは、魔法使いであり、彼らを束ねる王は神権を持つ存在そのものだった。




▼紀元前3千年:ロバ、ラクダ(エジプト~)


ロバの家畜化は、紀元前3300年前後から、ラクダは、紀元前2600年前後かららしい。




ロバの方が少しだけ人との付き合いの歴史が古い。




▼紀元前3千年:パピルス(エジプト~)


ペーパーの語源で、植物由来の紙の原型でもあるが、厳密には紙ではないが、まあ、紙みたいな物。




▼紀元前3千年:縫合、軟膏エジプト~




「手術」等の医療行為や、薬による治療と言う概念が登場し始める。




火傷にはアロエとか、あったよね。




▼紀元前3千年:コンドーム(エジプト~)


当初は避妊具ではなく、虫等から大事な部位を守る防護服だったとか。




その後、避妊具として使われる様に。




材料は豚や山羊の盲腸や膀胱を使用していたと言う。




現在の様なゴム製の物が登場するのは、西暦1844年に人類のゴム加工技術が発達してからである。




▼紀元前3千年:シェケル(メソポタミア~)


「重さ」と「通貨」の単位の概念。




「1シェケル=8.33グラム」との事。




▼紀元前3千年:チャリオッツ、戦車騎兵メソポタミア~


馬に引かせるタイプの、最初期の戦車。




分かり易い「戦争の為の発明」がいよいよ始まる。




▼紀元前3千年:ドラゴン(メソポタミア、ペルシア~)


昔話、異国の話、神話等でドラゴンの存在が登場し始める時期でもある。




オリエントドラゴン、リヴァイアサンやムシュフシュ、ティアマト等だ。




ちなみに、ギルガメッシュのモデルとなるウルクの王は、紀元前2700年前後の人だったとか。




ギルガメス叙事詩の執筆時期は、紀元前2200年ぐらいだと言う話だ。




神話と地続きの世界は、それだけで面白い。




▼紀元前3千年:櫛ペルシア~


髪をとかすアレ。




良い「櫛くし」の制作には、専用の道具と高い技術が必要だ。




▼紀元前3千年:石鹸バビロニア~




固形石鹸が登場したのは、およそ紀元前2800年ぐらいの事らしい。




液状石鹸の登場は西暦1980年で、それまでのおよそ5000年弱の間「石鹸と言えば固体」だったのは、興味深い。




▼紀元前3千年:10進法バビロニア~


ここで発明されてなかったら2進法や20進法が世界の常識だってあり得た。




▼紀元前3千年:琴中国~




弓から進化し続けた弦楽器は、弦を沢山張った琴の発明にまでたどり着いた。




▼紀元前3千年:麺中国~




この時代から、中国の人は粉を水で練って細く切り、麺状にして食べていたという。




▼紀元前3千年:茶中国~




茶葉等を加工して、水で成分を出す飲み物を発明した。




「茹で出し茶」は紀元前2100年ぐらいから登場する。




▼紀元前3千年:墨中国~




メソポタミアやエジプト等の世界では、粘土版にスタンプで形をつけて文字を書いたり、石板に彫り込んでいた。




同じ時代に、中国では墨を開発し、木の板等に文字や絵を書いていたという事になる。




▼紀元前3千年:ハミ(カザフスタン~)


「轡くつわ」の事で、馬具の一種。




馬とかが口に咥えさせられているアレ。




紀元前3500年ぐらいから使われ始め「馬の家畜化」の推定指標にもされているアイテム。




馬の家畜化自体が本格的に進んだのは、紀元前4500年ぐらいからとも言われている。




▼紀元前3千年:炉、オーブン(インダス~)




シュメールで冶金や鋳造が進んだ様に、インダスでも高温に耐えられる「炉」の開発、高性能化が進み、その流れで料理用の「オーブン」も発明された。




「焚火」から始まった「調理場」は、レンガ家屋で作った専用の施設になり、パンに始まる様々な物を作るのに役立った。




▼紀元前3千年:配管インダス~




下水道を早々に設置したインダス文明の水回り発展は、本当に凄い。




▼紀元前3千年:公衆浴場、風呂インダス~




かなり古い物で、モヘンジョダロに公衆浴場が見つかっているらしい。




▼紀元前3千年:トイレ(インダス~)




この概念が発明されていなかったらと考えると恐ろしい。




衛生面が向上し、農業の肥料確保も効率的に行えて一石二鳥だったのかも。




▼紀元前3千年:ボタン(インダス~)




最初は、ビーズの変化形の装飾品に過ぎなかったが、服につけ、穴に通す事で簡便な「留め具」として機能するようになる。




最先端オシャレアイテムでもあった。




▼紀元前3千年:サイコロ(インダス~)




様々なゲームに使われる物で、ランダム生成機。




と言う事は「ギャンブル、賭博」も、この前後で確立していったのだろうか?




同時にルールがある「ゲーム」と言う概念も、この付近かもしれない。




▼紀元前3千年:アルファベット(フェニキア~)




このぐらいの時代に作られた説があるアルファベット。




実は、かなり古い文字なのだ。




ちなみにフェニキアは、シリアの一角だ。




▼紀元前2500年:法典メソポタミア~




「ウル・ナンム法典」と言うウル・ナンム王が編纂した世界最初の法律で、紀元前2100年ぐらいに作られた。




ちなみに、「ハムラビ法典」が作られたのが紀元前1750年。




▼紀元前2500年:アーチ(インダス~)


水回り系の発明が凄い事で定評があったインダス文明で、丈夫な橋を作るアーチが開発される。




これで、橋の上にだって水路を作れる!




▼紀元前2500年:指人形インダス~




サイコロに続き、遊戯用の道具。




人類に「遊び」専用の道具を作る流れが来ている。




▼紀元前2500年:造船所、ドック(インダス~)


船の需要が増えた事、大きな船を作る様になっていった事、様々な要因があって世界最初の造船所が登場する。




船の修理や整備を行う為のドックも作られた。




▼紀元前2500年:定規インダス~


アルファベット、表音文字、カレンダー、重さ単位、10進法、法典、様々な「ルール」や「共通の基準」が登場する中で、「長さ」にも基準が登場した。




「定規」の登場は他の「共通規格」と同じく、大発明だ。




武器のサイズ、船のサイズ、そういった人が作る物の基準が出来れば、部品の交換や修理をするのにも役立つし、土地を分けるのにも食べ物を分けるのにも便利になる。




▼紀元前2500年:宅配便エジプト~


文明が発展する事で、物やメッセージを「送り届ける」事に価値が生まれた。




商人が担っていた「物流」とは別の物の流れが出来たと言えるだろう。




▼紀元前2500年:養蜂エジプト~




養蜂によって、それまでは巣を見つける事に手間がかかる上に、蜂に刺される危険も大きかったハチミツの入手が容易になった。




この頃のハチミツは「薬」でもあり、今以上に高価な物だった。




▼紀元前2500年:海軍エジプト~


海軍の成立は、当時の戦争の在り方や、専門性の細分化をうかがわせる出来事だ。




また、海上を制する事が文明にとってどれほど重要だったかも分かる。




▼紀元前2000年:通貨


遂に「通貨」が登場する。




概念的には、紀元前3000年頃の中国で「タカラガイの貝殻」に貨幣価値を与えた物が最初で、その後で、ようやく独自の貨幣が登場する。




それ以前は「物々交換」だったが、「価値を込めた代替物」が登場する事で、代替物に価値があると言う状況が生まれるに至る。








材質は石、貝、銅と環境によって様々で、時間が経つにつれて偽造しづらくしていったり、通貨を発行し、価値を保証する立場にある「支配者の権威の象徴」にもなっていった。




▼紀元前2000年:アバクス(バビロニア~)


ソロバンの原型が登場。




アバカスとも呼ばれる。




「計算機」が必要と言う事は、それだけ高度な計算をする様になってきたって事。




土地の測量、天文学、通貨の計算、使い道は無限にある。




▼紀元前2000年:傘メソポタミア~


まず「パラソル(日傘)」の発明によって「持ち運びができる日陰」が登場。




かなり遅れて「アンブレラ(雨傘)」として、「雨具」としても機能し始める。




最初期は折り畳み機構は無いだろうし、材質の試行錯誤もあっただろう。




当初の傘は「権威の象徴」で、権力者の頭上に掲げられているイメージがある様な、高級かつ高貴なアイテムだった。




実際、古代エジプトでは壁画に傘が描かれていると言う。




余談だが、日本書紀では西暦552年に29代目の天皇である「欽明天皇」に対して、朝鮮半島にあった国「百済」の「聖明王」からの献上品として「幢幡どうばん」と言う日傘が送られた記録があるらしい。




▼紀元前2000年:錫釉メソポタミア~


錫釉すずゆうとは、焼き物の釉うわぐすりで、土器を「コーティング」してから高温で焼くとガラス層が出来てエナメル質の美しい表面になると言う代物。




「錫」以外に「鉛」の物もあり、それは「鉛釉なまりゆう」と言う。




後の登場する「マヨリカ焼き」や「ファイアンス焼き」等で使われる物らしい。




こういった技術によって、現在も浴室等の水場で見るものに代表される様な「タイル」等が作れるようになった。




▼紀元前2000年:青銅剣メソポタミア~


剣の歴史は、ナイフや槍、斧等に比べると、かなり浅い。




と言うのも、およそ「60㎝」を超える「実用的な刃」を作るのが石器では難しく、棍棒に石器の刃やサメ等の牙をギザギザに付けた「モンスターハンター」で登場する様な剣状の武器こそあったが、純粋な「剣」が登場するには金属加工技術が不可欠だった。




金属加工が可能になって歴史に剣が登場すると、すぐに「直剣」だけでなく紀元前3000年前後には「ショーテル」等の反った形状の両刃剣も登場し、そこから次々と進化を始めた。








そんなこんなで、ようやく登場するのが「青銅制の剣」で、当時としては最先端素材である青銅を贅沢に使った剣で、その性能は桁違いだった筈だ。




ちなみに「石剣」と言う物もあるにはあるが、実用的な武器ではなく祭具や権威の象徴だったと言われている。




長く加工した石の棒で叩いたら、まあ痛そうだし武器にはなりそうだが、折れやすい上に修理が出来ないから当然だろう。




▼紀元前2000年:ケペシュ(エジプト~)


剣の一種で、戦斧から発展した武器らしい。




▼紀元前2000年:スポーツ(エジプト~)


およそ紀元前2100年頃、墳墓の壁画に描かれている形で、当時のスポーツ数種類が確認できたらしい。




行われていたのは、レスリング、重量挙げ、跳躍運動との事。




▼紀元前2000年:フォーク(中国~)


フォーク状の餐叉さんさと言う食器が使われていたのが記録に残っている。




▼紀元前2000年:香水ギリシア~


人類は体臭を気にし始めたのか、「香水」が登場する。




石鹸や軟膏等の、衛生や健康を保つ消耗品から、ある種の「見栄えを良くする」為の娯楽的なアイテムの登場は、人類、と言うか時の権力者の余裕を感じさせる。




最古の香水工場跡地はギリシアで見つかっている。




▼紀元前2000年:スポーク式車輪


轆轤を横に倒して転がした始まりから、およそ2000年。




車輪の軽量化が始まった。




▼紀元前2000年:ゴム(南米~)




クリストファー・コロンブスによって西暦1490年代にヨーロッパ社会に伝えられるまで、ゴムが西洋諸国で一般化する事は無かった。




だが、発見と利用自体は割と早く、メソアメリカでは自然になるゴムの木を傷つけてとれる樹液を使い「ゴムボール」を作って遊んでいた記録が紀元前1500年代には存在するとか。








しかし、儀式や遊び、ちょっとした道具の材料にするだけで、天然ゴムは扱いづらく、西暦1770年にプリーストリーが消しゴムを作ったりするまで、文明社会は有効な利用方法を見つけられずにいた。




ゴムの需要が伸びるのは、西暦1908年にフォードが自動車のタイヤにゴムを使った事がきっかけで、ここで一気に価値が上がり、価格が高騰する。




▼紀元前1900年:小説エジプト~




「シヌヘの物語」と言う物語が、現存最古の小説とされているらしい。




エジプトのシェイクスピアとか言われているとか。




実際、当時は大人気だったという記録が残っている。




ちなみに「シヌへ」は主人公で、「シヌ、への、物語」では無い。




余談だが、「聖書」に出てくるエピソードに、似たような構造の物がある。




何かしらの影響があったのかは、分かっていないが、「ユダヤ教」の成立が紀元前1280年の「モーセの十戒」後としても「シヌヘの物語」の方が古い事は間違いない。




▼紀元前1900年:暗号エジプト~


この時期、文字が登場して、長くても5000年。




「一つの物に二つ以上の意味を与える」事で、特定の人にしか理解出来ない技術「暗号」が開発されるまでは、もう少し時間がかかる。




当時の暗号は「標準以外のヒエログリフ」によって、知っている者しか意味が理解できない様にするなどだった。








紀元前500年代になると「スパルタ」で「スキュタレー」が登場し、決められた太さの棒に暗号を書かれた革紐を巻き付けないと文章が読めないと言う工夫が凝らされていた。




▼紀元前1900年:獣医学


獣医の歴史は、かなり古い。




獣医学の発展があったから、下記の「人体解剖図」と言う人体の探求にも行きやすかったのかもしれない。




だって「いきなり人の死体を解剖する」のと「動物の死体を解剖してから」では、医学より宗教優先な人達の反発に差が出てこない?




動物実験してから人で本番って流れは、昔から変わらないと推測。




▼紀元前1700年:人体解剖図


パピルスに描かれた人体解剖図が見つかっている。




つまり、それ以前から「医学」が進歩していて、人体の内部を理解しようとしていた事が分かる。




と言うか、紀元前3000年前後には「外科手術」をしていたので、ここ以前の医者の手術がどれほどリスキーだったのかも分かる。




また、紀元前3500年ぐらいから人工的に「ミイラ」を作っていた記録もあり、この流れから「医学」へと発展していったと考えるのが自然な流れか。




▼紀元前1700年:ガラス器


焼き物の釉でガラス質を作ったり、ビーズにするだけでなく、型に流し込んで器にする加工が可能になっていった。




紀元前2000年代には出来ていた説もある。




「透明の器」が作れるようになった事は、物凄い事だった。




▼紀元前1700年:製鉄法ヒッタイト~


鉄が人類の歴史に登場し始める。




人類が初めて手にした鉄は「隕石」で、紀元前3000年頃の事。




ヒッタイトが発明した製鉄技術は、「バッチ式の炉」を用いた鉄鉱石の還元とその加熱鍛造という高度な製鉄技術だった。




「鉄の鋳造」技術は、紀元前700年頃に中国で発明されるまでは、登場しない。




▼紀元前1700年:龍中国~


オリエントドラゴンと近い時期の、紀元前3000年前後に登場した説もある。




中国にいた「ワニ」が、その地域で全滅し、残った伝承から伝説化した説があるらしい。




▼紀元前1600年:錬金術エジプト~


医学、薬学、他にも様々な知識をまとめた錬金術が登場。




▼紀元前1500年:カバディ


ルールのあるスポーツの中では、ダントツで歴史がある。




▼紀元前1500年:ヒンドゥー教


ヒンドゥー教として、インダスの方にあった宗教がまとめられる。




▼紀元前1400年:馬匹学ヒッタイト~


馬について学術的にまとめ出した、らしい。




給餌や調教などの方法が記されている。




▼紀元前1400年:燃焼時計、砂時計




「燃焼時計」とは、蝋燭を利用した時計で、日本でも使われていた時期があるらしい。




「砂時計」は、説明不要だと思うが、このぐらいの時期から透明なガラスの登場で砂時計を作れる様になった。




砂時計に関しては、11世紀前後に作られた説もある。




▼紀元前1300年:平和条約


世界初の平和条約。




エジプト対ヒッタイトの戦争で交わされた。




▼紀元前1200年:リグ・ヴェーダ編纂




ヒンドゥー教の聖典がまとめられる。




▼紀元前1100年:原幾何学ギリシア~




壺絵の様式に幾何学様式がある。




人類が「幾何学」の原型を発明したのは古代エジプトで、紀元前3000年には「ピタゴラスの定理」を普通に使っていたと言う話だ。




古代ギリシアで数学的アプローチで研究される事で、幾何学は学問へと発展する。




▼紀元前1000年:製本インド~


パピルスや羊皮紙で作られた本が、当時存在した事が推測される。




ちなみに、ソフィア世界史博物館にあるエトルリア語の製本された本が現存最古で、紀元前500年頃に作られたものらしい。




▼紀元前1000年:吹き矢インド~


東南アジアや南米を中心に使われた形跡がある、遠距離武器。




吹き筒に入れた矢を、息を吹いて飛ばし、標的に刺して使う。




矢が小さい為、毒を塗って使うのが一般的で、筒が長いほど飛距離が伸びるが、取り回しも含めて3mぐらいが丁度良いらしい。




▼紀元前1000年:インディゴ染料、インディゴ顔料インド~


最も古い染料の1つ。




インド、中国、日本など多くのアジアの国々で何世紀にもわたって用いられてきた。




メソポタミア、エジプト、ギリシャ、ローマ、ブリテン、ペルー、イラン、アフリカなどの古代文明でも知られていた。




ジーンズの色だが、昨今のジーンズは合成インディゴが使われていて、天然のインディゴ染料は使われていない。




▼紀元前1000年:歯ブラシ(インド~)


爪楊枝に始まり、木の繊維をほぐした物が使われた。




▼紀元前1000年:干拓堤防インダス~


干拓において陸にしたい範囲を囲むように作る堤防の事で、水域を仕切って内部に残る水を排水して行う干拓でもある。




▼紀元前1000年:死者の書エジプト~




パピルスや棺に書かれた書物。




パピルス製の巻物の場合、長さが37mもある。




書かれている文字は、ヒエログリフ。




▼紀元前1000年:日本呪術


日本で呪術的儀式が行われ始めた時期が、このぐらいと言う説がある。




この1000年以上後で「卑弥呼」等がようやく登場する。




▼紀元前1000年:硬貨ギリシア~


貝殻や石から、金属製の硬貨へと移っていく時期。




▼紀元前1000年:差動装置中国~


機械的機構の一種で、二つの部分の動きの差を検出、あるいは動力に差をつけ振り分ける装置。




▼紀元前1000年:指南車中国~


乗っている仙人の人形が常に一定の方向を指し示す車のこと。




最初に指定した方向を、車が移動しても示し続ける。




ワンピースの記録指針ログポースをイメージすると分かり易いかも。




ちなみに指南車は、機械的な仕組みで一定方向を示すので、磁石は使われていない。




▼紀元前1000年:カタパルト(オリエント~)


投石機の事。




紀元前500年頃には古代中国でも使われ始めたとか。




▼紀元前1000年:レンズ(アッシリア~)


最初は、水晶を使って作られたらしい。




望遠鏡も、眼鏡も、この後に登場する。




▼紀元前1000年:ジュート繊維ベンガル~


コウマと言う植物を使った繊維で、導火線・カーペット基布や畳表・ひも・袋やバッグなどを作るのに使われる。




強度は高くない為、ロープには向かない。




▼紀元前1000年:床暖房、セントラルヒーティング(中国、朝鮮半島~)




▼紀元前900年:独立記念、メシャ碑文イスラエル、モアブ~


イスラエルに対する反抗の勝利と、独立を記した碑文。




▼紀元前800年:日本稲作


日本に稲作が持ち込まれたのが、この辺りらしい。




▼紀元前800年:オリンピック


紀元前776年に行われたと言う、記録に残る最古のオリンピア祭典競技で、第1回古代オリンピック。




当初競技は「スタディオン走」と呼ばれる短距離走1種目だけが実施され、地元・エリスのコロイボスが優勝した所まで記録が残っている。




どれぐらいのタイムだったのだろうか?




▼紀元前800年:天球ギリシア~


地球の周囲を覆う、巨大な球体の事。




当時は、地球を中心に世界が存在し、天球に星が張り付いている等と考えられていた。




天動説の時代の話。




▼紀元前800年:ギリシャ文字


ギリシャ文字が成立し始める。




▼紀元前800年:ギリシャ神話


ギリシャ神話がまとめられ始めた時期。




テュポーン、バジリスク、ヒュドラ、ラミアと言った、ギリシャ神話を彩る怪物の存在も、この頃から徐々にまとめられ、段々と語り継げる形になっていったと推測できる。




▼紀元前700年:バラッド


紀元前675年頃、古代ギリシアのシチリアで、抒情詩人のステシコロスがバラッドを発明したらしい。




英雄等の物語や寓話を詩にして、歌にのせて聞かせる物で、吟遊詩人をイメージすると分かり易い。




音楽に歌詞をのせると言う発想は、きっと新鮮だったに違いない。




▼紀元前700年:鋳造貨幣リディア王国


エレクトロン硬貨の登場で、硬貨は鋳造で同型の物を大量生産する事が当たり前になった。




▼紀元前700年:ポンプ(バビロニア~)


圧力の作用によって液体や気体を吸い上げたり送ったりするための機械で、最初は単純なチューブ状だった。




▼紀元前700年、紀元前600年:黒絵式陶器、赤絵式陶器ギリシア~




ワイン用酒杯の一種「キュリクス」の絵付けなどで使われた手法。




▼紀元前700年:大学インド~


古代インドのタキシラの僧院が、最初の大学、あるいは、その原型と言う説がある。




完全な大学として最も古い物では、モロッコの「カラウィーイーン大学」があり、設立は西暦859年で、ユネスコとギネス世界記録によれば、世界に現存する最古の継続的に活動している教育機関であり、初の学位授与を行った教育機関であり、時に世界最古の大学として言及されるという。




▼紀元前660年:日本神話


初代天皇が即位し、日本が建国したとされる説がある。




紀元前7世紀から紀元前5世紀の間が一般的だとか。




当時の日本は、今にして思えば神話の時代だった。




▼紀元前600年:街道、駅伝制




道の整備がされたと言う事は、都市だけでなく都市を繋ぐインフラが整っていったと言う事。




同じぐらいに、駅伝制による荷物や情報の伝達方法も発明された。




リレー形式と言う事だ。




世界史では、古代中国、モンゴル帝国、古代オリエント、古代インカ等で発達したシステムとして紹介される部分で、遅れて日本でも「飛脚」として運用された。




これは、通信インフラの進歩と言って良い。




▼紀元前600年:箸中国~


中国で箸が一般化され、徐々に今の食事のスタイルが作られていく事になる。




紀元前1300年には、青銅製の箸を使っていた記録もあるらしいので、それ以前に発明されたと考えるべきだろう。




▼紀元前600年:ラテン文字ローマ~


ラテン文字がまとめられ始める。




▼紀元前600年:共和制ローマ~


王政を打倒し、帝政に移行する間に国を動かす為に使われたシステム。




▼紀元前600年:アンカー(ギリシア~)


錨で船を係留出来るようになった。




▼紀元前600年:動く死者伝説中国~


キョンシーの原型。




世界中にある動く死者の伝説の一つで、かなり古い方。




ちなみに、ゾンビで有名なブードゥー教の原型は、西暦1600年以降に出来て、肝心のゾンビが有名になったのは西暦1932年以降、ゾンビ映画の登場後と、かなり新しい存在だったりする。






▼紀元前500年:鎌戦車インド~




武装が施されたチャリオット。




「バーフバリ」に登場したチャリオットのノーマルな奴をイメージしよう。




▼紀元前500年:鐙インド~


鐙あぶみとは、鞍の両側からさげて、馬に乗るときに足をかける道具。




乗馬の安定感が増すと同時に、乗馬技術の発達にも繋がる。




▼紀元前500年:白内障手術インド~


白内障の治療が行われていた凄さ。




▼紀元前500年:形成外科インド~


鼻形成術が当時存在した衝撃よ。




▼紀元前500年:仏教インド~




仏陀が始めて、後に入滅して、弟子達が教えをまとめて広がり始めた。




この頃の仏教は、今では原始仏教と呼ばれる。




▼紀元前500年:ダマスカス鋼インド~


るつぼ鋼であるウーツ鋼の別称。




独特の模様が美しい金属で、紀元前600年頃に開発され一般化していった。




現在、当時のダマスカス鋼の完全再現は難しく、最近作られた物は異種金属を混ぜる事で模様を作り出した別物が殆どだと言う。




▼紀元前500年:パントマイム(ギリシア~)


演劇の一演目で、仮面舞踏に近い物だったらしい。




大事なのは、役者アクターが生まれたのが、この前にあるだろうと言う事だ。




身体の動きで「真似る」事を極めようとする動きの原点が、ここにあるのかもしれない。




▼紀元前500年:パルテノン神殿


最古の西洋風建築と言う説がある。




紀元前438年に建設された当時最先端の建物。




▼紀元前500年:歯科ブリッジ(エルトリア~)


少数歯の欠損に対して用いる、部分入れ歯みたいな物。




架工義歯、冠橋義歯とも言う。




▼紀元前500年:凧中国~


人為的に「煙」以外で空に物をあげる事に成功。




軍事目的での発明だった。




▼紀元前500年:鉄製プラウ(中国~)


家畜に引かせて畑を耕すトラクターの先祖も、鉄製の物が登場し、作業効率が上昇した筈だ。




▼紀元前400、300年:アレクサンドリア大灯台


灯台の登場は、海難事故を減らすのに役立った。




▼紀元前400、300年:アレクサンドリア図書館、植物園


紀元前285年、当時最大にして最新の施設だった。




書物は、巻物が40万~70万巻程度あったと推測されているが、正確には分かっていない。




ちなみに、世界初の図書館は紀元前700年頃、メソポタミア地方の「アッシュールバニパル宮廷図書館」と言われている。




そちらの書物は、粘土板で31,000点弱程度あったらしい。




▼紀元前400、300年:ローマ街道、ローマ水道橋


どちらも別の地域では既に発明されているが、有名なローマの物が作られたのはこの時期。




▼紀元前400、300年:日本水稲作


水田での稲作が日本に入ってきた時期。




▼紀元前400、300年:水車インド~


水汲み水車が登場し、遂に人類は「動力」を手に入れた事になる。




水力を利用して、労働を肩代わりさせる事に成功したのだ。




紀元前200年頃に動力として初めて使われた説もある。




▼紀元前400、300年:言語学インド~


言語を研究する人が現れる。




▼紀元前400、300年:牽引式投石機中国~


カタパルトに車輪を付けただけなのだが、この発想の差は大きい。




攻撃の威力が同じなら、トーチカと戦車では、どちらが便利だろうか?




▼紀元前400、300年:弩中国~




クロスボウの原型が登場し、弓兵がより強力になった。




装填に時間がかかる代わりに、威力が上がり、扱いが簡単になった。




当時最先端の武器なので、使える人はエリートだし、腕の良い弩職人は高給取りだった。




紀元前600年には原型となる武器が登場していた説がある。




「ボウガン」は商標なので注意。




▼紀元前400、300年:キューポラ(中国~)


「コークス」の燃焼熱を利用して鉄を溶かし鋳物の溶湯を得るための「シャフト型溶解炉」に分類される溶解炉。




要するに、この発明によって鉄を溶かして利用出来るようになった。




これにより、炭素を取り込んだ「銑鉄」を作れる様になった。




銑鉄は、鉄より硬いが割れやすい性質がある。




▼紀元前400、300年:クロムメッキ(中国~)




始皇帝の兵馬俑で見つかった武具にクロムメッキが施された物があるらしい。




他の説では、1797年にフランスのルイ=ニコラ・ヴォークランによってシベリア産の紅鉛鉱から発見されたクロムが、人類が一般的に利用し始めるクロムの始まりかもしれないとの事。




▼紀元前400、300年:吊り橋中国~


少なくとも、この時期には、しっかりとした吊り橋が作られていたらしい。




橋を架けるではなく、吊ると言う発想の転換が見えて面白い。




▼紀元前400、300年:方位磁針中国~


磁石が一定の方向を指し示している事に、人類が気付いた。




方位磁針の発見は、ランドマークが乏しい場所での移動が安全になり、砂漠や海で活躍し始める事になる。




▼紀元前400、300年:天球儀中国~


天文学や占星術で星を読むのに使われる道具で、暦の計算などに使う。




▼紀元前400、300年:星表ギリシア、中国~


星の配置や、種類をまとめ始めた。




「天文学」や「占星術」が着実に発展している上で、体系化によって進歩が加速した事が推測できる。




▼紀元前400、300年:地動説




紀元前280年、アリスタルコスと言うギリシアの天文学者が、既に地動説に到達していた。




にも関わらず、地動説と共に、むしろ優勢で天動説が信じられ続け、アリスタルコスの天文学レベルに人類が追いつくのは、西暦1800年代までかかってしまう。




これは、当時の宗教と天動説の相性であったり、天動説を信じてる所で後発の説を素直に理解出来る人が極端に少なかったり、様々な理由が考えられる。








ちなみに、西暦1600年代、有名なガリレオ・ガリレイの地動説裁判があるが、ガリレオを裁判にかけた当時の人々が皆、天動説を信じていた訳ではなく「学者の間では地動説は割と知られていた」と言う。




なのに、かつて異端審問所だったローマ教皇庁検邪聖省に不当な裁判を、目障りだったぐらいの理由で狙い撃ちで仕掛けられたガリレオは、かわいそうだったと言わざるを得ない。




後に、1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、ガリレオに謝罪したが、350年後で当事者不在の中「公式が謝罪」しただけであって、歴史の授業を受けた大半の人達は「うん、知ってた」って感じなのも、何とも言えない結末である。




▼紀元前400、300年:百科事典ギリシア~


当時判明している様々な事柄が記された「事典」が作られている。




当時存在した大量の書物をまとめ直した物だったらしい。




▼紀元前400、300年:アルキメディアン・スクリュー(ギリシア~)


これもアルキメデスの発明。




この時代は、アルキメデスのおかげで、発明や発見でギリシアが世界最先端となっている印象。




ねじ構造を初めて機械に使用した例として知られている物で、水や物の運搬に使える。




アルキメデスの功績から「ねじは中国で独自に生み出されなかった、唯一の重要な機械装置である」とも言われるとか。




▼紀元前400、300年:ネジ(ギリシア~)


物の固定に接着剤や釘に加え、この時期によやく「螺子」が登場する。




これも、かなり大きな発明だった。




螺旋状のドリルが登場するのも、この後の時代だろうか?




▼紀元前400、300年:オドメーター(ギリシア~)


走行距離計の事。




アルキメデスが発明。




▼紀元前400、300年:滑車ギリシア~


これもアルキメデスが発明。




帆船、コロシアムのエレベーター、建築現場、あらゆる場所で使われる事になる。




▼紀元前400、300年:てこ(ギリシア~)


「てこの原理」も当然のようにアルキメデスの発見。




アルキメデスが、超一流の数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者と言う、今風に直せばいくつもの肩書がある超天才なので、他にも発明や発見がたくさんある為、有名な物だけ掲載している事を断っておく。




▼紀元前400、300年:余談だが……


このぐらいの時期は、日本は弥生時代に突入している頃だ。




アレクサンドロス大王こと「イスカンダル(紀元前356年7月20日~紀元前323年6月10日)」が活躍していたのも、この時期だ。




旧約聖書がギリシア語翻訳されたり、アルキメデス(紀元前287年頃~紀元前212年)以外に、アリストテレス、ソクラテス、プラトン等が活躍していた。




宗教関係や、支配者以外の偉人の名前が登場し始めるのも、この時期からと言う印象が強い。




人類史的には、文明的大飛躍をした第一期と言った感じだろう。




地球の全人口は、160,000,000人を超えた頃でもある。




▼紀元前200年:ダイヤモンド(インド~)


宝石としてダイヤモンドが使われ始めた。




つまり、加工する技術を発明した事が分かる。




天然で最も硬いモース硬度が10ある(ひっかき硬度が高く、丈夫な訳ではない。傷つかないが、簡単に砕ける)ダイヤモンドは、加工が難しかったが、同じ素材同士でなら難無く加工できる特性の気付きによって加工可能となった。




ダイヤモンドの粉末を用いて研磨する事になるが、現在ではレーザーやイオンビーム等、加工方法にも選択肢が増えた。








ちなみに、ダイヤモンドより硬い物質に「ロンズデーライト」と言う、隕石の衝突で出来る希少な「六方晶ダイヤモンド」とも呼ばれる素材が存在する。




また、カーボンナノチューブはダイヤモンドと同程度の硬さだったりする。




▼紀元前200年:カシミヤ(インド~)


インドの北部高山地帯のカシミール地方のカシミヤ山羊の毛を利用した製品。




通称「繊維の宝石」とも。




▼紀元前200年:卒塔婆、仏塔インド~


卒塔婆とは、そもそも仏舎利仏の遺体を安置する仏教建築の塔の事。




後に、仏塔を模した、今も寺や墓場でよく見る卒塔婆板塔婆とも言うが登場するが、それはもっとずっと後の話。




「そとば」とはサンスクリット語の「ストゥーパ」の音訳である。




ちなみに、浄土真宗系は板塔婆を建てないらしい。




▼紀元前200年:バグダッド電池


イラクで見つかった土器の壺で、電池ではないかと言う説がある物だが、電気を使う製品が無い当時なので、実験道具でなければ、パピルスや羊皮紙の保存に使われていた説もある。




肝心の電池の一般的な発明時期は、西暦1791年にイタリアの ルイージ・ガルヴァーニがガルバニ電池を発見したのが最初とされている。




▼紀元前200年:脱進機ギリシア~


機械式時計等に見られる、機構で、エスケープメントとも言う。




高級時計の代名詞で聞く「トゥールビヨン」は、トゥールビヨン脱進機が使われた時計の事。




▼紀元前200年:アストロラーベ(ギリシア~)


天体観測用器具。




六分儀が発明される西暦1800年代までは、航海で使われる重要な測定機器だった。




見た目が美しく、コレクターが存在するらしい。




ちなみに、アンティキティラ島の機械歯車は、これに関係する様な計算機の類と推測されている。




▼紀元前200年:閘門中国~


閘門こうもんとは、放水の調節が出来る水門。




運河に水門を作る事で、ダムの様に水位をあげて運河を登っていく事が出来る。




▼紀元前200年:蹄鉄ローマ~


馬の蹄を保護する事で、航続距離が伸びたりする事が考えられるが、それよりも家畜化によって野生よりも大きく弱った蹄の保護を役割とした部分が大きかったと考えられる。




後に、魔よけや、遊戯用の道具としても使われるようになるが、だいぶ後の話。




▼紀元前100年:日本青銅器


伝来したのが、このぐらいの時期。




だいたい大和王権時代。




▼紀元前100年:吹きガラス(エジプト~)




古代エジプトで、フェニキア人が発明した技法で、後にローマに広がっていった。




それまでのガラスは溶かすのに高温が必要で、工房を移動しながら森の木を伐採し、燃料にし尽すという現代では考えられない手法で行われていたが、手法に改良が加えられて燃料の必要量が減り、石油と石炭の利用が始まった事で工房が定住し、透明で安価なガラスが多く登場する事となる。




この「吹きガラス」と言う技法は、今も使用されているガラス加工の基本技法の一つとなっている。




▼紀元前100年:転がり軸受ローマ~


ボールベアリング等の「ベアリング」類の原型が登場。




ローマの技術力凄くない?




▼紀元前100年:ハサミ(ローマ~)


鋏が発明される。




ナイフ等に比べると、かなり歴史が浅い道具だと言う事が分かる。




▼紀元前100年:手術専用の針ローマ~


医療器具が発展し、専門性がアップしていく。




▼紀元前100年:クスコ(ローマ~)


膣鏡の一種で、医療用の診察器具。




管状膣鏡と溝状膣鏡の2種類に分けられる。




最古の物が見つかったのは、火山噴火で有名なポンペイ。




▼紀元前100年:羊皮紙トルコ~


羊皮紙とは、動物の皮を加工して作った紙の事。




日本語では羊皮紙と言うが、羊だけを材料にしているわけではなく、大型哺乳類の家畜であれば、牛や山羊はもちろん、多様な動物から作る事が出来る。




羊皮紙は表現上適切ではないと「犢皮紙とくひし」と呼ぶ事もある。




羊皮紙はパピルスに比べて湿気の多い地方での保存に適しているだけでなく、状態が良ければ保存期間は1000年以上もつという丈夫さもあり、以降は長らく紙と言えば羊皮紙と言う時代が続くことになる。




羊皮紙は、高級品であり、中世ヨーロッパ等では羊皮紙の製造はギルドが仕切り、秘密を守っていたという。




そのせいで、当時の製造法は技術が失われた物も多いらしい。




▼紀元前100年:手押し車、木牛中国~


工事現場とかでよく見る、アレの原型。




要は、運搬用の台車なのだが、これが登場するまでは手で持ったり、頭に乗っけたり、担いだりと大変だったろうし、あまりにも重い物は一人での運搬が難しかった筈だ。




▼紀元前100年:杵中国~




杵きねは、臼と共に使い、おもに穀物の脱穀や籾すりなどに用いる道具。




ちなみに、相棒とも言える「臼」は、発明時期が不明なぐらい古く、少なくともパンの登場や農業による定住が始まった時期には使われていた可能性が高い。




▼紀元前100年:開閉傘中国~


それまで開閉不可だった傘をアップグレードした。




この開閉機構を最初に考え付いた人って、すごいよね。






***************






終わりに




ようやく世界の全人口が2億人に達した。




この辺までで、ケルト神話が広がり始め、ケツァルコアトルが神として崇められ始めている時期でもある。




そして、キリストが生まれ、ここから先は、いよいよ西暦に突入する。




ここまで人類200万年の進歩を見てきて、どうだったろうか?




毎度の事ながら、この記事は「こういう説がある」と言う程度の参考までに楽しんで貰いたい。




では、また。

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発明で見る人類の歴史 @akira19751212

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