RE.D PAST

翌日の朝、9日27日。僕は自室で、学校に行く準備をしていた。

すると家のチャイムが鳴る。父さんはトイレにいたので、僕が代わりに出た。


「はぁ、はぁ…ふう。すまないな、こんな所に押しかけて。まだ出かける前でよかったよ」


玄関の扉を開けると、陽介さんがいた。

彼は息切れをしていた。ずいぶんと急いでここに来たのだろう。



「ああ、昨日はありがとうございました。どうかしたんですか?突然…」

「…七瀬実花が危ないかもしれない」

「えっ?」


七瀬さんが危ない?最初そう聞いた時は、何がどういう訳か、さっぱり分からなかった。


「ど、どういう意味ですか?」

「今日、RE.Dの開発者が我々の研究室に押しかけてきた。名前はデイビッド・ジョージ。ニュージーランド人の科学者だ。

彼が私にこう断言してきた。『とある女児に、RE.Dを起動した』…とな」


女児って、それはつまり七瀬さんのこと?

七瀬さんにRE.Dを起動したと言うのなら…彼女の命が危ないってことじゃないか…!?



詳しく話を聞くと、昨日の夜中から七瀬さんの様子がおかしいと、彼女の母親から聞いたそうだ。

それでもしかしてと思った陽介さんが、すぐに僕の元にやってきた…という事らしい。


「ど、どうして僕らの存在が、その人に気づかれたんですか…?」

「もしかすれば、科学施設に入っていった所を目撃されてしまったのかもしれない。済まないな…」


そう言いながら、頭を掻く陽介さん。

七瀬さんの事が気になる、けど…これから学校があるだろうと言われ、今日の夕方に再び合流しようと約束を交わした。




昼休みの小学校。他の生徒が騒がしいけれど、春香さんのいない教室は…やはりどこか淋しい。

そうは言うものの、もちろん決して七瀬さんを責めている訳ではない。あの時の事は、昨日でちゃんと互いに話し合って解決したはず。


「やあ、神崎くん」


優しい声で話しかけてくれたのは、長谷田くんだ。

春香さんのこともあったせいか、少し気を遣っているような様子だった気もする。


「今から話があるんだけど……ちょっといい?」

「え、うん…いいけど」



僕は席から立ち上がり、彼が歩いていく方向に付いていく。

やがて着いたのは……屋上前の階段だ。過去に春香さんと会話した、思い出の場所。


互いに段に腰掛けると、長谷田くんは背中から隠し持っていた手紙を、僕に見せて渡す。


「本当は昨日渡しておくべきだったんだけど、昨日は来てなかったでしょ?この学校に」



渡された手紙は、他でもない。


封筒の真ん中に書かれた、『神崎くんへ』という、丸くて綺麗な字。

その筆跡を見て、あらかじめ春香さんから僕宛てに送られたメッセージだと察した。


「……開けていい?」

「もちろんだよ。そもそも、君に送られた手紙でしょ」


急いで封筒を閉じていた丸の黄色いシールを剥がし、中身をスッと出す。

便箋はさほど大きい方ではなかったものの、そこには文字がずらりと綴られていた。



『神崎くん、いつもありがとう。』


冒頭部分は、感謝の気持ちから始まった。



『私、あの時ずっとお風呂場で言われたこと、夜になると思い出すんだ。

人間にとって死ぬことは、ひつぜんてき……だったっけ?あんまり覚えてないな。』


そういえば、そんな事を言った記憶がある。

前に僕が、春香さんに正直な事を言ってしまったせいで、傷つけてしまった時の事だ。


『けれどそのあと、ちゃんと約束してくれた。神崎くんが、私のことを守ってくれるって…』


…そうは言ったけど、結果的に春香さんの事は守りきれなかった。

約束を破ってしまったことは、ずっと僕の中では唯一の心残りだった。



『でも、あの約束があって、私は十分救われたの。今までずっと神崎くんは、私の側にいてくれたんだな…って』



……!


その言葉が、僕の胸に突き刺さる。



『だから、もういいんだよ。神崎くんには、私のいない、未来を見てほしい。』





…うっ。


僕には、こんな気持ちをどう表せばいいのか分からなかった。



切ないような、苦しいような、救われたような…。

色んな感情が頭をよぎって、頭がぼーっとしてしまいそうだ。


そっと文章の途中で、手紙を畳む。

両手でそれを握りしめたい気分だったけれど、あまりそんな気が乗らなかった。



「……神崎くん、無理して読まないでね」


丸い背中に手を置きながら、横から心配の声を掛けてくれる。

僕はこの手紙を、自分のせいで濡らさないように、ただ必死だった。



/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/



夕方、乙音ちゃんと帰り道を下校する。今は中学生も帰っている時間みたい。

すると道端で、どこか見覚えのある二人を見かけた。


「あっ、あれ!?きみってあの時の…!?」


少し馴れ馴れしく声を掛けて寄ってきたのは……他でもない、女子中学生の長野千里さん。

改めて見ると、制服が清潔で可愛く良く似合っていて、ロングヘアの後ろ髪は三つ編みが2本結ばれている。



そして、その隣は………。


「あぁ゛?誰だよコイツら」



こ、高校時代とほぼ変わっていない。

中島蓮木くんだった。頭を掻き、細めた目つきで少し見下ろしている。


髪はボサボサで、着ていた制服も少しだけ整っている。まだ声変わり前みたい…。

高校時代で見たあの雰囲気と似た姿に、思わず懐かしくなってしまった。


「こらっ!なんて失礼な!!」

「イタッ…!お前なんでカバンで叩くんだよ!?」



彼女が両手で持っていた黒い鞄が、その背中をドン、と勢いよく叩く。

私たちを睨んでいた彼の視線も、千里さんの方へと移った。


…そんな会話ができるくらいの仲の良さ。さすが、中島くんの初恋相手って感じがする。

二人ともお似合いな雰囲気に、思わずにやけてしまいそう。


「この子は、私がぼーっとして飛び降りかけてたのを助けてくれたの。…えっと、ところであなた達は誰なの?」

「えっと、私は七瀬実花です。で、この子が斉藤乙音ちゃん」


中島くんが「小学生のガキか?」と反応したので、乙音ちゃんは彼を睨む。



「…何見てんだよ」

「別に。ガキって言われたから、イラッときただけ」


一見ピリピリした2人の会話…なんだか、見事な化学反応を見た気がした。

私の中で勝手に、ふたりとも「同じような性格」って思ってるからかも。


……そんな様子を見ていると、ちょっとふふっと笑ってしまった。




そのあと私は、千里さんらや乙音ちゃんと別れて、目的地に着く。

昨日来た、陽介さんの職場。入り口の前で待っていた彼を見かける。


「待っていたぞ。早く中へ入るといい」

「…大丈夫?体の調子は」


すると隣には神崎くんがいて、心配そうに声を掛けてくれた。

陽介さんから、私が昨日起こった「発作」の話を聞いたんだ、と察する。


「…前よりかは大丈夫。けれどちょっと、頭がぼんやりするかな…」



おでこをぐっと抑える。他にも少し、軽いめまいのような事が起こっているような…

もしかすれば昨日あまり眠れなかったせいかもしれない。いずれにせよ、私も心配になってしまった。



施設の中に入って、陽介さんらと3人で話をする。

昨日来た、静かな方の科学室の部屋。彼は再びホワイトボードの黒板を持ってきた。


「さて、と。一つ、説明し忘れていたことがある」

「ま、まだあるんですか…?」

「あまり難しい話ではないはずだ。…二人とも、これを見てみろ」


両手で持っていた数枚の紙を、黒板に磁石で貼る陽介さん。



「……!」

「これって…」


色々な形や仕組み、数々の案から生み出された、小さな機械の図面。


「真ん中の円盤状にエネルギーを流して、これを触った人間が過去に戻れる…というシステムだ」



そう。これはタイムスピナーの設計図。私たちも、このスピナーに何度救われたことだろう。


「この機械は、まだ製作中だ。完成の目処は…おそらく、あと5年くらいとなっている」

「…5年、ですか」

「かなりの短期間だ。もし無事これを完成できれば、時間逆光が叶い、今世紀最大の発見となるしな」



5年後、タイムスピナーが完成する。

時間逆行タイムリープの実現に、今世紀最大の発見…。


「あの。そうなっても、この世界のためになるんですか」

「……!!」


私は心の中で思った、素朴な疑問を投げかける。

…あれ?あからさまに驚く、陽介さんの反応。もしかして、おかしなこと言っちゃった?



私の頭がぼーっとし過ぎたせいで、こんな変な事を言ってしまったのかもしれない。

少し焦りながらも、さっきの発言を撤回してほしいと頼む。



「ハハッ」

「…え?」


すると突如、陽介さんは笑い出した。


「君が言いたいのは、この能力が誰かに悪用されないか、という事か?」


腰に手を置いて、真顔に戻って淡々と話す陽介さん。私はその質問に頷く。

ちょっと意外過ぎて、彼を見上げながら呆気に取られてしまった。



「そうだな…。君たちに、言っておくべき事がある。

私もこれで、過去に戻ったのは何度もある。…君たちと同じように」


彼のその真面目で淡々と話す口調に、私たちは思わず黙り込んでしまう。

陽介さんのの話が、今ここで語られることになった。




この部屋の白い机のスツールに座り、私たちは陽介さんと向かい合う。


「まず全ての発端は、今年の5日7日。

一つ探検がてら、とある山奥の森を散歩していた。すると…、一際青く光る石を、見つけたんだ」

「青い石…?それってまさか…!」


神崎くんが過剰に反応した。あ、あおいいし?そういえばそんなの、何処かで見たような…。


「この石自体は小さくてなんの効果もないが、一定の電磁波で刺激すると、わざと溢したコーヒーも元通りになった。

どんな化学においても、この石は未知の元素で構成されていた。

そしてこれが、時間を戻せる唯一のになるという事に気づいたんだ」



……あっ。


そっか。そういえばこの5年前に遡る前、ガスマスクの陽介さんがスピナーの中身を開いていた。

その時、特殊なドライバーを使って、スピナーの中身から青い石を取り出していたよね?



「そして私は、この石を内密に調査することを決めた。同僚も含めてな。

…君の父親の神崎徹は、タイムマシンの構造について考案してくれたよ。そこで、私がスピナー型が適していると考えた」


神崎くんが陽介さんから視線を浴びると、それにピクッと反応した。

それに乗じて、「私の父親は?」と聞いてみた。


「七瀬純子か。彼女は手先が器用でね、主に設計図を解読してタイムスピナーの制作に励んでくれた。」


設計図……。

そういえば私のお母さん、この前に家で仕事の書類を見てたっけ。



「ここからが本題だ。今年の7月9日あたりに、RE.Dの開発者が、私たちのに勘付いて、私に内密に交渉を持ちかけてきた。

『もしタイムスピナーが完成したら、私に引き渡せ』…とな」

「RE.Dの開発者……?」

「ああ、君には言っていなかったな。デイビット・ジョージ。外国人だ」


私は「ふーん…」と納得して小さく頷く。RE.Dを作った人って、外国人だったんだ…。



「彼に何らかの企みがあると察して、私は断った。そしてその考えは間違いではなかった。

まずRE.Dを、何の罪もない女子学生に起動。私の息子の、大切な人を奪った。

そのせいで息子は部屋に引き篭もるようになった。こうなる事が彼の思惑だったんだ」


え?中島くんが…引きこもり!?

確かに高校の時も、暗いオーラが出てたけれど…ちょっと意外だった。


って、そんなこと今はどうでもいいよね…!

つまり私が、女子学生の千里さんを救わなければ、中島くんはずっと心を閉ざしていたってこと?



「しかしまだ序の口だ。2016年、今から3年後にそれが分かったよ」

「それって…」

「_____僕らの両親が、死んだ」


神崎くんが何かを察するように言った。反応からして図星だったみたい。

私たちの両親……そう言われてハッとした。まさか…。



「そうだ。神崎徹と七瀬純子が、同じ時期に死んだ。…もちろん、RE.Dでな」

「「………!」」


うそ…!もしかして私のお母さんが病気で死んだのって、RE.Dの影響?

私はあの頃から、ずっと心に穴が空いていた。正直…あんまり許せない。



「それからすぐにデイビットは、私に最後の交渉だと言って話を持ちかけてきた。

今度は『1億8000万で手を打とう』と言い出してきたよ」

「え!?そんな大金で!?」

「…それでも断ったよ。彼がタイムスピナーを手に入れれば、更に人を殺すんじゃないかと思ってな」


確かに、兵器で人を殺そうとする人間が、時間逆行タイムリープの力を手に入れたら…

少なくとも、いい事は起こらない気がする。あんまり悪い人の手には置けないよね。


「そして交渉決裂を封切りに、決意したそうだ。RE.Dの力を、最大限に行使することを。」

「え?これまで僕らが感じた以上の力があるんですか…?」

「更に3年後の、2019年3月18日。日本が崩壊した」



……!?


私たちはその嘘みたいな発言に、思わず驚いた。



「ど、どういうことですか…?」

「日本の人口が、約9割崩壊したんだ。あちこちのビルが崩落し、瓦礫が落ちて、数え切れないほどの死亡事故が発生した。それは全て、RE.Dによるものだ」


2019年に、そんな事故が…?

正直、まだあまり信じられなかった。そんなこと、私ですら想像できる訳がない。



そういえば、前に陽介さんがこんな事を言っていたことがある。


『……もしこの世界に、日本の人口の約9割を殺せる兵器があるのなら?』



もし本当にそんな恐ろしいものが存在しているのなら…。

私たちで、止める必要がある。罪も無い人を殺すなんて事、絶対に止めなきゃいけない。


「日本政府も崩壊し、国内や外国のニュースでも一晩中『デッド・ディストピア』として報道された。

しかしRE.Dで死んだ彼にとって誤算だったのは……私とスピナーが無事だったってことだな」


デッド・ディストピア…。そんなの、恐ろしすぎる。


「それからはどうしたんですか?」

「彼がRE.Dで殺した人間を、一人残らず救おうと試みた。そして私はスピナーを強化して、一度目のタイムリープを行った」


陽介さんの顔つきからして、そんな強い思いで過ごしてきた時間がとても長かったんだな、と痛感する。



「はじめに私が助けようとしたのは、RE.D最初の犠牲者である、息子の初恋相手だ」

「長野、千里さん…。」


私の発言に対し、「そうだ」と返事する陽介さん。


「しかし何度救おうとしても、私にはできなかった。中学校の警備員に引き止められ、何より私の足が遅い。絶対間に合わず、彼女は死んでしまう」


その時のことは覚えがある。私が千里さんを救おうとして、走って転んで膝をケガした時だっけ。

思い出した時の彼のため息。何度も何度も試みて、それでもダメだったんだ。



で、君たちと初めて出会ったんだ。七瀬実花。君は警備員をすり抜けて、彼女を救ってくれた。感謝する」

「「え、68回目……!?」」

「ん?そこで驚くのか。私が感謝の言葉を述べているって時に」


私たちが反応する言葉に、唖然とした陽介さん。

彼のその発言を聞いて、私はぺこりと軽く謝った。


け、けど、68回も過去に戻るなんて…私なら心が折れちゃうよぉ…。




「……そして、今に至るって訳だ。私たちはRE.Dを見つけ次第、無力化しなければいけない。

時は一刻を争うぞ。七瀬実花、君はじきにRE.Dにより死んでしまうかもしれないからな」


私が、じきに死んでしまう。そう聞いた時、心臓がゾクッとした。

本当にRE.Dの影響を受けているのなら、必ずそれを見つけ出して、すぐにでも止めなくちゃ…。


─────────────────────────────────


28日の昼。私は一人で、とあるコンクリート壁の古びたビルの前にいた。

陽介さんに、「あの人」がこのビルに居ると聞かされて、ここにやって来たのだけれど…。


それにしても、この辺りは人気が少ない。

他にも古い建物が立ち並んでいるし、どこか物寂しげな印象がある。


「七瀬さん…待っててくれたんだ」

「あ、うん。ココみたいだね」



神崎くんが私の元に現れた。昨日、ここで待ち合わせしようと約束したから。

ふと目の前のビルの最上階を見上げた。緊張する心臓を、ぐっと右手で押さえ込む。


「大丈夫、七瀬さん。何があっても、僕がいる。きっとどうにかなるよ」

「う、うん…。」


私はごくりと唾を飲み、そのビルの入り口に足を踏み入れる。

神崎くんも私の背中を守るように、後ろから付いて来てくれた。




ピンポーン。


古びたエレベーター音が鳴り、私たちは三階に出る。

無機質で静寂な廊下をコツコツと靴音を鳴らして歩く。


しばらく歩くと、突き当たりの右側に、半透明ガラスの扉があった。

看板などは掛けられておらず、パッと見ではどういう場所か分からない。


「この中に…」



私は再び唾を飲んだ直後、力強くその扉のドアノブを握りしめ、思いっきり押し開けた。


……ここは、会社?

コンクリート状の壁と、いくつも置かれた鉄のようなデスク。安っぽい窓から光が差す。

しかしダンボールだらけで何処にも人はおらず、このビル同様に寂しげな印象だった。


「……無駄足、だったかな」

「ひとまず、この辺を漁ってから帰ろう。もしかしたら何か手がかりが_______」



神崎くんがそう話していた、その時。




「おっと。何か用ですか?」

「ひっ!?」

「ぁ…。」


背中から少し片言な日本語が聞こえ、バッと後ろを振り返る。

そこにいたのは、金髪の外国人……デイビット・ジョージだった。


し、身長が高い。今の私たちの身長よりも、二倍以上はありそう。

見た目は三十代ぐらいで、灰色のスーツを着る体は、細身な体型に見えた。



「え、ええと、こんにちは…」


その身長に圧倒され、ついつい敬語で話しかけてしまう。


「こんにちは。私の会社にようこそ」

「会社なんですか?ここは」

「そうですよ。まだ設立したばかり。社員はいません」


神崎くんの言葉にも、上手で少し片言な日本語で返事する。

なんだか少し、話し方からして温厚なイメージそうだけど…いや、騙されているのかも…。


この人こそ、私たちを死の渦に巻き込んだ張本人…。そう考えるだけで、胸がぞわぞわする。



しばらくして、デスクの間を進み、隣の部屋に案内された。

そこは社長室らしく、向こう側に大きなデスク、その前はソファとコーヒーテーブルが置かれていた。


私たちはソファに座り、デイビットと向かい合わせになる。彼はこちらをじっと見て、両手を握った。

真面目な表情をして、私たちと向き合う。…私は少し、額から汗が出た。


「で、何か用ですか?」


デイビットにそう言われ、横にいた神崎くんと互いに目を合わせる。

そして決意した私は、単刀直入に彼にこう言った。



「……これ以上、殺人兵器を使わないでください」

「…ハイ?」


とぼけるような顔で、彼は首を傾げた。

その後、握っていた両手を離し、食い気味だった上半身を後ろに下げる。



「……何ですかソレは?殺人兵器?何かしらのパロディですか?」


この感じ。やっぱり話を誤魔化されているような気がする。


とぼけないでください。僕らはRE.Dによって危険な目に遭ったんです。お願いです」

「RE.D、ですか。…ハハハッ」


それを聞き、彼は突如笑い出す。するとソファに背中をもたれて、足を組んだ。

まるで「RE.D」というワードを聞いてから、妙に様子が豹変したように見える。



「そんなお願い、私があっさり受け入れると思ったのですか?」

「っ…」


不気味に微笑みながら、開き直るようにデイビットは言う。

神崎くんと、じっと互いを睨むように見つめる。彼はデイビットの表情に、少しだけ焦っている様子だった。


「おととい、アナタ達は研究施設を出入りしていた。タイムスピナーの制作者に会うために。違います?」



やっぱり…。一昨日、私は電柱の影に隠れている金髪の人を見かけた。

デイビットは、私たちのことをずっと監視していたんだ。



「…ですが分かりましたよ。私はあなた達を殺すのは、止めます」


その言葉を聞き、思わず目を見開く。彼はにっこりと笑っていた。

さっきの目つきとは打って変わっていた。どうして突然、意見がガラッと変わったんだろう…?




結局その日は大人しく帰り、その途中で神崎くんと話す。


「本当にあの人の言葉、信用できる?」


彼にそう聞かれて、私は首を振った。やっぱりデイビットには、絶対に裏があるはず。

神崎くんを目の敵にしていたような印象だったし、私たちの要求を、あんな簡単に飲む人間だとは思えない…。


「……あのさ。」

「え?」

「今日、僕の家に泊まらない?」



______へっ!?


「どっ、ど、どうして!?」

「あ、ごめん。一人だと不安かな…と思って。僕も正直、不安になるし」


その言葉に、久々の焦りが止まらない。

か、神崎くんの家に、お泊まり…、そう考えるだけで動揺しまくりな自分。



けれど正直、自分の体調が不安なところもある。

今日になって心拍数も妙に上がってきたし、頭がぼーっとしてしまう。


眠るときに、神崎くんが隣にいてくれれば安心できるかも…。



「…じゃあ、お願いできる?」

「もちろん。父さんも優しいだろうし、多分きっと許してくれるよ」

「あ、ありがとっ」


彼の笑顔を見て思わず私も、はにかむように笑ってしまった。

ああ、こんな風に自然に笑ったの、久しぶりな気がする。


そんな夕暮れの帰り道。少しずつ空を覆う灰色の雲に、私たちは気が付かなかった。



/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/



「…ふう。君のお母さんには、私から泊まりの許可をお願いした。渋々承諾してくれたよ」

「あ、ありがとうございます。ごめんなさい、迷惑おかけして」


僕の家のリビング。父さんが受話器を本体に置いて、七瀬さんの方を向いて言った。

七瀬さんが、僕の父さんにぺこりと律儀に謝る。


…まさか本当に、七瀬さんが僕の家に泊まることになったとは。

正直に言うと、僕から彼女に直接お願いしたのは、ダメ元だった。



「ごめんなさい、父さん。彼女の身が危なそうだったから」

「いやいや、私はいい。…それより浩太。お前まさか、『余計な事』に首を突っ込んでいないだろうな?」


余計な事…。やっぱり父さんも、僕らから何かを察しているようだ。

最近、陽介さんとも話をしているし、たぶんそこで不思議に思ったのだろう。


けれど、父さんにわざわざ心配を掛けるわけにもいかない。



「ううん。何でもないし、心配しないで」

「…そうか?ならいいのだが」


僕はぶんぶんと首を振って、話をごまかす。

眉をひそめていた父さんも、少しだけ納得したみたいだった。




やがて夜になり、僕は自室のカーテンを閉める。

晩御飯もちゃんと食べ終えたし、七瀬さん用の布団も僕の寝床の隣に敷いておいた。これにてひと段落だ。


_____ガチャ。


扉が開き、七瀬さんが戻ってきた。



「あ、七瀬さ……んっ…!?」


その緑色のパジャマ姿を見た直後、思わず心臓がドクリと来る。

お風呂上がりの濡れた髪が、より一層、僕の胸を緊張させてしまった。


「ごめん。神崎くんのやつ借りちゃったけど…よかったかな?」



頬の赤さも、俯く顔の逆上のぼせた肌によく目立つ。

いや、いやいやいや。何で僕、こんなに動揺しているんだ。そのあどけない可愛らしさに、完全に翻弄されている。


「あ、ああ、うん。べ、別にいいんじゃないかな…」


口元が震えながらも、どうにか目を逸らして返事する。



「神崎くん…?だ、大丈夫?」

「すー、はー…すーはー…。う、うん。大丈夫」


深呼吸している僕の顔を覗き込もうとして、心配する七瀬さん。

こんな子と、隣で寝るなんて…いや、ダメだダメだ。完全に変な感情ばかりが溢れ出ている。


「じゃあ、僕も、お風呂行ってくるね」

「え!う、うん。いってらっしゃい」


そう言って彼女の横をすり抜け、早走りでこの部屋を去る。

一瞬見えた七瀬さんの表情も…ちょっぴり恥ずかしそうに見えた。




ピンポーン。


僕がお風呂から上がって青いパジャマに着替えてから、すぐにチャイムが鳴った。

少し警戒心がありながらも、玄関へと向かうと…父さんが、誰かと話している様子が見える。



「…神崎浩太郎。丁度よかった。君に話がある」


陽介さんだ。僕の存在に気づいて、そう話す。

僕に、話が?まだ何か言い忘れていた事があるとでも言うのだろうか。




リビングのダイニングテーブルに移動し、陽介さんと二人きりになる。

「話ってなんですか」と聞くと、どうやらRE.Dのについて、だそうだ。


「え?RE.Dの共通点…?どういうことですか?」

「それなんだが。私はRE.D最初の犠牲者だった、長野千里に話を聞いたんだ。

…すると新たな事実が分かった。彼女は、死にかける『3日前の朝』にがあったそうなんだ」


死にかける…3日前の朝に、発作?


七瀬さんが発作を起こしたのは、確か2日前の夜中のはず。

しかし、今はもう夜中だ。時間的にもうすぐ、明日がやってくる。



……ってことは、まさか………!!


「日付が変わった今日の夜中に、七瀬実花が死ぬ確率は…非常に高い」

「っ…!?」



じゃあ、もうすぐ七瀬さんは…!


落ち着いていられずに僕は席を立ち、この場を去ろうとする。

しかし、陽介さんに腕をぐっと強く掴まれて止められた。


「…っど、どうして止めるんですか!?」

「どこにいくつもりだ?」

「そ、それは…RE.Dを…」

「そもそもそれが何処にあるのか分からないじゃないか」


ぐっと両手の拳を握って堪える。けれどそれじゃあ、どうすれば…!


もしまた大切な人を失ってしまったら、僕は永遠に立ち直れない気がする。

そんな恐怖と焦りで頭がいっぱいで、冷静な判断が出来ない。



「_____落ち着け」


…はっ。


「感情的になりすぎだ。確かにそうなる気持ちも、大切な人を失った息子を見てきた私にはよく分かる…

だがひとまず、今日の所は堪えろ。彼女から片時も目を離すな。RE.Dの方は…今は私に任せてくれ」


陽介さんは僕に厳しい視線を向け、そっと僕の腕を離す。

確かに、七瀬さんを守るなら、RE.Dよりも彼女自身を優先すべきなはず…。



「……あ!そうだ、もう一つの場所…!」


すっかり忘れていたが、今思い出した。ガスマスクの陽介さんが言っていた、もう一つの場所。



「ん?どうした?」

「あ、あの、この辺りの地図ありますか…!」


すると陽介さんがあたふたしながら、その場を立ち上がって部屋を探した。

棚に置いてあった避難用の地図を思い出し、僕はそれとペンを手に取り、机に置いた。


「あった…!よし、確かこの辺りだったはず…」


僕はガスマスクの陽介さんに指示されていた、とある住所にマークをつける。

未来の陽介さんが教えてくれたこの場所に、RE.Dがあるはず…!



「…まさか、ここにRE.Dがあるのか?この住所は確か廃墟の工業施設が多い。恰好の隠れみののはずだ。」

「本当にあるかどうかは確証がありませんけれど…ここを調べてみてください」

「ふん…分かったよ。私が徹底的に調べておこう」


横からまじまじとその地図のマークを見ながら、陽介さんは頷く。

そんな話をした後、彼はすぐにそこに向かおうと、玄関に移動した。僕も見送る。



「______神崎浩太郎。私が何としてでもデイビットの尻尾を掴む。だから、あの子のことをよろしく頼むぞ」

「はい。…ありがとうございます」


そう挨拶して、陽介さんは背中を向ける。


「……必ずだ。一緒に世界を救おう」


少し恥ずかしげにそう言いながら、玄関を立ち去っていった。

それは僕にとって、どこか頼もしい背中だった。



/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/



神崎くんの部屋にいた私は、自分の布団の上で体育座りしていた。

頭がぼーっとする。というか、何だか心が落ち着かない。


…もうすぐ、私が死ぬかもしれない…?



神崎くんの様子を見に行こうとした私は、さっきリビングの扉の影で、たまたま聞いてしまった。

今日の夜中、日付が変わった途端に死んでしまうかもしれないって。


それを聞いてから神崎くんがバッと立ち上がり、私の方に向かってこようとしていた。

だからそれ以上の話は聞けず、私はその場から立ち去っていった。



『日付が変わった今日の夜中に、七瀬実花が死ぬ確率は…非常に高い』

『っ…!?』


陽介さんの言葉と、神崎くんの焦った反応。

あれが今でも、頭の中から離れない。じゃあ、私…


そんな風にぼーっと考えていると、部屋に神崎くんが戻ってきた。



「ごめんね、一人にさせちゃって」

「ううん………。」


話しかけられても、ずっと頭がぼんやりとしていて、首すら動かなかった。


「大丈夫、七瀬さん。何かあったら僕が守るから。絶対に」



………正直、その言葉は……届かなかった。まるで、神崎くんの言葉が、私の脳に追いついていない。


嫌だ、嫌だ、嫌だ。こんなの、私らしくない。

神崎くんの言葉の返事をしようとしても、口が開かない。




「……じゃあ、もうそろそろ電気消すね」


その瞬間、神崎くんが、照明のスイッチをパチンと押した。

真っ暗な中で、私たちは自分の布団の中に入る。



…けれど。信じられないけれど…。私は、誰かに操られているようだった。

五感が思うように動かない気がして、執拗に眠気が襲ってくる。まるで悪夢みたい。



……このまま私、死んじゃうの……?







そんなの…………嫌っ_______!!!!



眠気を払ってバッと布団から出て起き上がり、部屋から飛び出す。


ごめんなさい、ごめんなさい…。神崎くんに心の中で必死に謝りながら、私は走り出す。

目的地は、ガスマスクの人に指定されたもう一つの場所。ただそれだけだった。




はぁ、はぁ、はぁ…。


必死に走り出して、これまで以上に息切れして着いた場所は…、使われていない、壁の錆びた倉庫。

真っ暗闇の夜。薄暗く不気味なその場所の前にして、私は恐怖で立ち尽くす。



……なんで私、神崎くんを裏切るような真似したんだろう…。


何で私……っ!



こんな場所に女の子一人。怖くて辛くて、涙を流してしまいそうになる。

けれど、もしRE.Dを停止させたら……私は助かるのかもしれない。


その手で涙を必死に拭って、勇気を振り絞り、大きな倉庫の入り口に入っていった。



真っ暗な倉庫の中。物音すら鳴らないこの場所で、片手で壁を伝って移動した。

もう片方の手で、恐怖心に震える胸を押さえ、響く足音を鳴らす。


歩いても歩いても、目的の場所は見当たらない。けれど、諦められなかった。



そして。向こうの壁の隙間から、僅かに光が刺していたことに気がつく。

私はそれを見つけると、早歩きで光の方へと向かう。


壁の隙間に手を入れて引き開けると、重い扉のように開き、中の様子が見えた。

…これは、普通の扉じゃない。隠し扉だったみたい。



豆電球が天井から淡く光る、窓もないこの部屋。

中に入ると、目の前の光景に驚いてしまった。


真ん中の奥に置かれている、六つのモニターがついた大きな機械。

白や黄色、茶色に黒の電線が、部屋の端に大量に置かれているサーバのようなものに繋がっていた。




これが……殺人兵器『RE.D』……?


思わず、唾を飲む。六つのモニターは全て起動していて、難しいプログラムの文字が並んでいた。

サーバからもブーンと音が鳴っている。…え?どうしてこんな時間に起動してるの?




その時。


スッと糸ノコギリが私の首元に見えて、体が凍りつく。

そして反射で気が付いた。背後には、金髪の彼が居たということを。



/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/



僕は夜中に目が覚め、七瀬さんの布団を見た。

…いない、いない、いない。部屋の辺りをキョロキョロ見渡しても、七瀬さんが居なかった。


すぐに家中を探し回り、僕はふと気付いた。

まさか七瀬さんも、もしかしてRE.Dを…!?そう思ったその時には、懐中電灯を持って家を飛び出していた。



寝過ぎてしまったせいだ。なんでこんな時に限って、僕は何も出来ないんだろうか。

日付は変わっている。もし間に合わなければ_____


……いいや、大丈夫。きっと間に合うはずだ。



僕は真夜中を走っていく。ただひたすら、今ならまだ間に合うと胸の中で思いながらも…。




やがて大きな倉庫に着くと、懐中電灯の電源を付け、急いで中に入っていく。

七瀬さんが来たような道を辿るように、辺りをキョロキョロと照らしながら進んだ。


すると、大きく開きっぱなしの扉を見つけた。ぱっと見は隠し扉のようなもので、壁と全く同じコンクリート状だ。

中からも淡く光が差しているし、きっとこの中に何かがあるはず……


僕はその部屋の中に足を踏み入れようとした。



「________アナタも来たようですね」


途端に背後から声がして、すぐさまバッと振り返る。

デイビットが七瀬さんを人質のように肩を掴み、首元に糸ノコギリを近づけていた。



「…な、七瀬さんっ!?!?」

「ご、ごめんなさ……っ…!」


明らかに恐怖に怯えている七瀬さんに、彼はその刃を近づける。

そこからはスーッと、赤い血が僅かに首を辿って落ちた。


「しぶといですね?そんな事をしても、彼女の死は免れない」

「七瀬さんを、離してください!!」

「…そんな言葉、通用しませんよ。RE.D回避はですから。足掻いてもすぐ死にます」


何度「離してください」と願っても、彼の耳に届くわけがない。

こんな時、どうすれば、どうすれば…!その状況に、気が動転してしまう。




「……神崎くん」

「えっ……??」

「もういいよ。全部…私が勝手にここに来たせいだから。こんな私、救いようがない」

「いや…いやいや、そんなこと……っ!」


彼女の怯えた涙に、思わず必死に首を振り、もらい泣きしてしまう。

縁起でもない。むしろ、僕の方が救いようがないはずだ。七瀬さんから目を離さないって誓ったはずなのに、果たせなかった。


「ハハハッ。この茶番は、胸糞が悪い。あんまり見ていられませんね」

「______デイビットさん。最後に言わせてください」

「……はい?」


すると、七瀬さんは真上にいたデイビットの方を見上げて、こう言い放つ。



「こんなの、自分でやってて、どうなんですか」

「………。」

「大量に人を殺す殺人兵器なんて作って、自分のことが虚しくならないんですか…?」


デイビットはそれを聞いて、表情筋がピクリと動いた。


「……虚しい?ハハハッ。単なる殺人兵器マシンではありませんよ。」

「それって…」

「アナタ達日本人が死んでいくと同時に、この国以外の人間は生き続けるのです。

日本を犠牲にして、世界が救われる。それはまさしく『救済』ではありませんか。」


そんな時、陽介さんがRE.Dの機能に関して言っていた事を思い出した。

『RE.Dを使えば、人から人へを移し替えられる…』


デイビットはRE.Dを使い、外国人から日本人まで、「死の運命」を移し替えていたのだろうか?



すると彼は立て続けに、早口で喋りだす。


「この10年間、日本を壊す為に研究を続けて来ました。

この10年間、世界を救う為に研究を続けて来ました。

アナタ達子供に、それの何が分かるんでしょうか??」


その威圧するようなデイビットの視線に、怯まず睨み返す七瀬さん。

なんだかまるで、七瀬さんの心の中で、パチリと何かが切れたようだ。




「______やっぱり、そんなの…」

「ハイ?」

「そんなのを10年間研究しても、意味なんてないじゃないですか!?ただ悲しむ人の数が、数が増えるだけで…!!」


すると、七瀬さんは口をつぐんだ。自分の今の状況を自覚して我に返ったみたいだ。

デイビットは不気味なほど無表情ではあったものの、その手は震えていた。




「………解りましたよ」


するとデイビットは諦めたように突然、糸ノコギリと七瀬さんを離し、バッと彼女の背中を僕の方向に叩く。

糸ノコギリがカランと床に落ちる音。七瀬さんも驚いた表情で、ゆっくり僕の方へ来る。



「か、神崎……くん」

「七瀬さん……?大丈夫…!?」


その時、七瀬さんと何度目かのハグを体感した。


「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ…!」



七瀬さんは大粒の涙を流してそう言う。さっき勝手に家を飛び出したことを謝っているのだろうか。

僕も急展開すぎて何が起こったか分からなかったが、七瀬さんの体の温もりだけが、確かにあった。


ふと七瀬さんと同時に、デイビットの方を向く。彼は頭を抑え、下を向いていた。




その一瞬……。


彼は突如、床にあった長い鉄パイプを手に取り、こちら側に走って来た。

そのパイプの先が僕の頭に直撃し、勢いよく背後のコンクリート壁まで吹っ飛ぶ。



……今、何が起こったんだ?訳も分からず、意識は朦朧もうろうとしている。

強烈に痛い頭を押さえると、自分の頭部からは、真っ赤な血が滝のように出ていた。

目の前を見ようとしても、赤い、赤い、赤い。視界も見えないまま、意識が薄れていく。






………。



その一瞬、まだ幼い七瀬さんの声が、僕の心に痛むように刺さった気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る