第4話 白姫さん、実は天然?
なんだかんだあったが、明日の予定は風呂の後じっくりというコトになった。
(話し合いではちゃんと意見言えるかな)
そんなコトを考えてるうちに。
にこやかにしながら椅子から立ち上がる白姫さん。
「ではお先に入らせて貰いますね」
思わず意味もなく立ち上がる僕。キモい。
「うん」
固まる僕。石像か。
(え)
僕が後に入るんだ。ふーん。そっか。
(どーしよ。
親も大事な話し合いがあるとか言ってホテルに泊まりに行ったし。他にもあると思うが。
この
白姫さんが着替えや小物類を持ってバスルームに歩いていった。
部屋の紹介は既に終えている。
(え)
呆然とリビングの真ん中にて佇む僕。
(もしかして意識しちゃってんの僕だけ?)
倒れ込むようにソファにもたれ掛かる。
思考に
(なぜこうなった。
──母が再婚したからだ。
なぜお相手の娘さんが学校のアイドルなんだ。
──なるべくしてなったからだ。
なぜ僕には父さんが居ない。
──高齢者を
なぜ透さんの奥さんがいない。
──重い病気で早々に亡くなったからだ。
なぜこんなコトに──)
ぐるぐると回る思考。内容は大抵同じ。
ループする。止める。天井を見る。
そっと息を吐く。ため息だ。他意はない。
いや嘘だ。あった。これからのコトだ。
(絶対に
どうにかして隠さなければ…)
そんなこんなと考えてるうちに数十分がすぎた。
その
メガネを押し上げる。鼻が少し痛い。
(長いな。スマホいじるのも飽きてきたぞ。
女の子が風呂が長いというのはホントだったのか。
あ、ラノベ読むの忘れてた。明日にしよう)
視線をスマホの画面からバスルームへと切り替える。
(あの中にあの白姫さんが入ってる…。
あの学校のアイドルと呼ばれ一部のファンクラブからは女神とも称えられているあの白姫さんが…。
…ダメだ、よそう。無駄な思考だ。
そしてあのあの言いすぎた。
邪念を捨て賢者へと至るのだ僕よ。
どうせ僕からしたら雲の上の存在なんだから)
義妹に邪念向けるなんてダメ絶対。当然だ。
バカか僕は。そういえばバカだった。
「あのすみませーん!
うっかりバスタオルを忘れてしまったので取ってきて貰えますか?
お願いしまーす!」
「!?
は、はーい! 分かりましたー!
今行きまーす!」
(え)
目が点になる僕。ぼかーんとする。
うーん。
白姫さんって、実は天然だったりして?
(かわいいかよ)
とりあえず急いでバスタオル取りに行く。
白姫さんは優しい小悪魔? ~互いに秘密を持つ僕らはひとつ屋根の下、義兄妹となった~ 田仲らんが @garakota
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