第20話 ティアマトの力1
監視室
左の男「何だあれは。。?博士!水槽を中から破壊した検体がいます!」
金森「どう言う事かね?全ての水槽の検体にはナノマシーンウイルスを投与していた。あれには抗体など出来ない筈だ。」
金森「ナノマシーンウイルスに適合していた検体がいたと言うのか。。?」
西田は脱出した赤ン坊の姿を見て内心ホッとした気がした。
それは金森が『肉の塊』と称したまさにその検体だったからだ。
左の男「博士!ウイルスにかかっていた女の方が復活した模様です!」
金森「な、なんだと?何が起こっていると言うのだ。。?」
左の男「あっ!!こっこいつ!!」
金森「今度は何だね!?」
左の男「す、すいません!女の方が水槽を次々と破壊しています!」
金森「何!? 機械人形を全機出動させてすぐにやめさせろ!検体を回収してあの女を捕縛するんだ!」
左の男「はっ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一方、地面から突き出たサソリの尻尾みたいなものに背中を撃ち抜かれたショウ。
それはカンビの本体だった。
突き刺された傷口を更に駆けつけた一体の機械人形の無数の爪で攻撃されていた。
ミネルバは咄嗟にゴーレムを召喚したが残りの3体の機械人形の攻撃をただ耐えるので精一杯だった。
突き刺さったカンビの尻尾はショウの体の中でさらに枝になって伸び、全身を中から突き破っていった。
ショウ:痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!!!
ショウ:ぐぁぁぁぁ!!なんでこんな事に!?なんでこんな事に!?
ショウ:俺は悪く無い!。。悪く無い。。
ショウ:悪く。。ないんだ。。
意識が飛びそうになりながら夢なのか現実かすらもわからなくなる。
ショウ:ここで死ぬのか。。?
ショウ:い、意識が。。
ショウ:こんな。。訳のわからないふざけた奴らに殺されるのか。。?
ただ微(かす)かに見えるでん助人形の面がユラユラと揺れていた。
機械人形「オレにー」
ショウ:たまるか。。
機械人形「デン!とまかせて」
ショウ:たまるか。。
機械人形「オケー!」
ショウ「こんな所で。。。死んでたまるかー!!!」
死を意識した瞬間、ショウの体からさっきのアナトがやった様なオーラが現れた。
アナトの赤いオーラとは違い緑色のそのオーラがショウの全身を覆うと体の中に食い込んだ尻尾は溶けてなくなり、機械人形の攻撃はそのオーラを全く貫通出来なくなった。
カンビ「!!!わての尻尾が!!!」
機械人形「なんだ?刺さらねえぞ?チクショウ!」
機械人形はその不気味な面を傾けて覗き込む様にショウの顔に面を近づけた。
機械人形「ナンだ?このミドリ?」
機械人形「オレにデン!とまかせとけ!!!」
そう言うと機械人形はさらにショウを激しく攻撃し始めた。
しかし攻撃は全くショウに届かない。
カンビ「な、何でんの?この光は?」
ショウ:何だ? 夢。。?
ショウ:違うな。。 何だろ? 体が軽い。。
ショウは感情がなくなったかの様な表情でうつむいていた顔をゆっくりと上げて機械人形の方を見つめた。
隣の部屋から溢れる緑色の光に気付いたアナトだが次々と現れる機械人形に阻まれて部屋からは遠ざかっていた。
アナト:緑の光。。あれは。。まさか。。
アナト「まずい。。他守。。それはダメだだ。。」
アナトは、赤いオーラを再び出して赤ン坊を抱いてオーラで包み、守りの構えをとった。
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