主人公のショーと、彼の相棒であるみーくんのお話。
みーくんは名前から推測するに男の子だと思われがちですが、女の子です。
不思議なのですが、この物語で彼女を呼ぶには「みーちゃん」ではしっくりこないのです。どうしてそう思うのかは分からないのですが、「みーくん」はこの世界観にぴったりなのは間違いありません。
この作品は「温かなお話」に部類されるとは思いますが、読む人によってその奥に生まれてくる感情は違ってくると思います。例えば「温かだけれど、悲しい」かもしれませんし、「温かくて、優しい」かもしれません。読む回数を重ねるごとに、生まれてくる感情の種類が変わってくるのも魅力的でしょう。
また個人的にはショーの相棒である、みーくんの性格が可愛らしいなと思います。
彼女は気まぐれです。仕事もちょっと「さぼり気味で遅れ気味」になって、ショーに迷惑をかけていることがあるのですが、それが彼女の優しさだと分かったとき、なんとも言えない哀愁を感じます。そしてそれをなんだかんだ言って受け止めてしまうショーも、素敵な人です。
1万字程度の作品ですし、柔らかい地の文がまるで優しく手を引いてくれるかのように読者を誘ってくれるので、気負うことなくさらりと読むことができます。
温かで少し寂しくなるような物語をお求めの方におすすめです。よかったら読んでみてはいかがでしょうか。