第4話

 ひとり、打ち倒した。

 すぐに二人目。首に肘をぶつけて、背中から逆側に回り込む。


 銃口が光った。撃たれる前に手首をめて、銃を奪う。そのまま蹴り飛ばす。


「これで全部か?」


『わからん。狐の残党だからな』


 狐という宗教が、最近まで街にいた。駅前の事務所も海外の宗教母体もすでにつぶしていたが、残党がときどき湧いて出てくる。


 奪った銃をすぐに解体し、倒れた3人を確認する。肺の下の部分を軽く押しただけ。全員、けがはなかった。少し宗教に毒されただけの人間だから、正しい宗教の光にでも当ててやれば、すぐに正気を取り戻すだろう。


「教会に連絡は取ってあるのか?」


 郊外の丘上に、物好きの宗教者がいる。


『大丈夫だ。増援も呼んである。そこで待機してくれ』


 窓の外。


『すまん。通信で捉えられない雲があった』


 雨が、かなり強い。


「そうか。まあ、耐えるよ」


 きっと。

 彼女が助けに来てくれる。

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