第101話 その思いの理由 (ソシリア視点)
今回の方を内容間違えて投稿しておりました……。誠に申し訳ありません……。
◇◇◇
実のところ、私がサーシャリアとアルフォードをひっつける為に打っていた手は、セインに頼むことだけではなかった。
王妃様にそれとなく話を漏らし、外堀を埋めること。
そして、サーシャリアを悲劇のヒロインとして広め、アルフォードとの婚約時に不満がでないようにすること。
などなど、私は様々なことに手を回していた。
もちろん、それらは決して手の掛かることではない。
王妃様は元々、サーシャリアに好印象を抱いていたし、伯爵家の自爆のおかげで、噂を広めるのに対した苦労もいらなかった。
それでも、徐々に形を整えられている確信が私にはあった。
そして、そのことを全てではないが、マルクとリーリアに私は語る。
最終的に、セインに頼みごとをした下りを話すときには、セインもリーリアも信じられないものをみるような表情となっていた。
「……お前、本当にアルフォードのこといえないよな」
「貴方、まだそんなこというの?」
「……ごめん、ソシリア。今回は私も、マルク側よ」
「リーリア!?」
まさかのリーリアの言葉に衝撃を受けている私に、マルクは淡々と告げる。
「当たり前だろうが。相変わらず、お前は一度決めたら行動力の化身となるのを改めろ」
「……言い過ぎじゃない?」
「じゃないわ。いくらアルフォードが認めてくれないからと言って、外堀を埋めるどころか、外に砦を作って逃げられない状況を作ろうとするのはやめなさい……」
「……なっ!」
「だから、それは俺たちのせりふなんだよ……」
マルクは、そうしてあきらめたようにため息をつく。
「まあ、お前がそうなるのもわかるけどな。ーー契約結婚、サーシャリアの為でもあったんだろう?」
「いえ、そこまで考えてなかったわよ」
マルクの言葉を、私は否定する。
そう、本当にこんなことがあると思っていたわけではないのだ。
一番の理由は、私もアルフォードも結婚できない理由があって、都合がよかっただけなのだから。
「まあでも、サーシャリアの為になればいいとは思っていたのは事実よ」
それは、本当にかすかな思いだった。
それでも、こんな時があるなら私は、恩に報いたいとは思っていた。
私の人生を大きく変えてくれたサーシャリアに、少しは報いたいと思っていた。
……その機会が今きているのだから、私はそう改めてある決意を固める。
「だから私は、アルフォードを何とかして説得したいの。サーシャリアと前を向けるように。だから、二人には協力してほしい」
瞬間、マルクリーリアの表情は真剣なものに変わった。
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