9 驚愕動物博物館
それから二日後、サムとテリーは、久しぶりにモーニングタイムにエッグベースに出かけた。店に入るとすぐにマスターが声をかけてきた。
「おお、サム、すごいじゃないか、都市伝説バスターズの幽霊バスの秘密の回、すごい反響だったらしいね。俺のところにも伝わってきたよ。最後に幽霊バスがどこに消えたのかをさらに取材して近いうちにフォロアーに知らせるって言うんで、ファンの間じゃ盛り上がってるそうだね」
「はは、ありがとうございます。でも全部マスターのおかげですよ、なんたってめったにつかまらない凄腕ドライバーのビンセントに段取りまでつけてくれたんですから」
それと例のバートの店で体験したあの「男爵邸の秘宝AIスピーカモード」がやはりサムの紹介がきっかけで火が付き、ネットで大人気となり、商品も今は3か月待ちだという。
サムは人気の都市伝説バスターズのサム・ピートという肩書に加え、、ゲームの強者としても名を挙げていた。しかもどんどん対戦は盛り上がり、最高難易度で隠しキャラをつかってお化け側とトレジャーハンター側で戦うのがトレンドだった。
「でもねえ、今日は自力でやりますよ。幽霊バスの正体に切り込みます。それでわざわざテリーにまで来てもらったんですよ。今日はうまくするとテンペスト男爵や息子さんのグリフィスさんにも会えるかもしれないんです。まだ詳しいことは言えませんけどね」
するとそれを聞いていたエリカが驚いた。
「え、男爵と会えるの?すごいじゃない。男爵はちょっと変わっていてぜんぜんアポが取れないのよ。昔はボランティア活動しているときに家族の方ともよくお会いしてたんだけど、ここ数年はとても忙しいらしくて、市長になってからは、イベントで2回しか会ったことないしね。会うととてもいい人なんだけどね。ましてや息子の天才学者グリフィスさんだなんて…?!何か大変な研究をしているとかで連絡も取れないのよ」
「そうでしょう、今日は頑張らなくちゃ」
そう、実はショップのバートから連絡があり、何時になるかわからないけれど会ってくれると連絡が入ったのだ、今日来てくれと。
「ほう、勇ましいねえ。それじゃあ、応援の特別メニューを用意したんだけど、どうする?」
マスターがメニューを見せながら提案すると、サムもテリーも目を輝かせた。
「柔らかステーキトーストサンドですか?、ぜひぜひ、お願いします」
すると、エリカがまた顔を出した。
「ええ、すごいわね、柔らかステーキトーストサンドは、値段が高いからなかなか注文する人もいないうちに幻のメニューになって、特別な時しかメニューに載らないのよ」
この間ディナーで、柔らかステーキが食べられなくて、とてもがっかりしていたのを見て、マスターが気を使ってくれたんだろう。するとマスターが訊いてきた。
「一応お決まりなんで聞くだけ聞くが、お好みでトッピングも可能だ。新鮮野菜に、とろけるチーズ、フォアグラとトリュフのスペシャルもあるぞ。もちろん何ものせなくてもうまいぞ」
さすがにスペシャルは値段が高いので、サムとどうしようか考えていたが、エリカが割り込んできた。
「この間、うちの息子と仲良くしてくれたから、トッピングをおごらせて、ね、いいでしょ。マスター、スペシャルをお二人さんへ出して」
「え、いいんですか?」
「ごちそうさま!」
柔らかステーキというのは、刻みキノコとスパイスで下味をつけたステーキを1枚1枚ビニール袋に入れて密封し、65度のお湯で1時間以上熱を加えたものだ。このやり方だと、熱が通って柔らかくなるが、高い温度にならないため細胞が壊れず肉汁が逃げないジューシーなステーキになるのだ。これをあらかじめ作っておき、注文されたら、その時にフライパンで両面をあぶって出す時短料理である。
マスターは用意しておいた柔らかステーキをあぶって焼き目をつけておき、その間にトーストをカリッと仕上げ、さらに同時進行でフォアグラに熱をさっと加えてトリュフを振っておく。そして焼き目のついたステーキに溶かしバターをぬってからトリュフの香るフォアグラをのせて、トーストではさんで出来上がりだ。
「うおお、すごい、食感が経験したことがないぞ。トーストがカリッと来るとフォアグラもステーキもトロトロだ。こんなのあり?」
「刻んだキノコのたんぱく質分解酵素が効いてるから、肉も驚きの柔らかさだ」
カリッ、トロの絶妙な触感にビーフとフォアグラの深い味わいが口いっぱいに広がる。そして後味にトリュフの香ばしさが残るすごいトーストサンドだ。
テリーが食べながらエリカに聞いた。
「そういえば、この間のデモの時、話し合いに行くって出かけて行ったけど、平気だったんですか?、ずっと心配していたんですよ」
「心配してくれてありがとう、強い女だと思われてるのか、誰も心配なんかしてくれないのよ。それでね、話し合いは8割ぐらいは説得できてうまい方向に向かったの。でもやっぱり武闘派の一部の人たちは難しいわね。最後までテーブルにつこうともしなかった」
「でも、8割を説得できたなんて驚異的ですよ。がんばりましたね」
「ありがとう、そう言ってくれるのはテリーぐらいね」
やがてサムとテリーがおいしそうに食べるのを見届けると、エリカは忙しそうに席を立った。テリーがさっとえりかに近づき、小さな包みを渡した。
「気に入るかどうかわからないけど、すばらしくおいしかったからお礼です。じゃ、いってらっしゃい」
「ありがとう、楽しみにもらっておくわ」
ナイトウォークの時、男爵の夫人の作だという不思議なアクセサリーを買ったのだが、急に思い出して渡したわけだ。でも、朝食のお礼にしては値段がちょっと高いのと、好き嫌いのあるスカルパールやボーンチェーンのことなどを思い返し、やっぱり渡さなければよかったと自己嫌悪に陥るテリーであった。
「さあ、俺たちも出発だ」
二人は、おいしいものをたらふく食べて、今日は気合を入れて小型車に乗り込んだ。そして時計回りに外周道路を回ると、墓場公園を過ぎ、ミステリーランドを越えて博物館エリアへとやってきた。
広い敷地の西と東に、驚愕動物博物館とからくり博物館があり、そのすぐ後ろに二階建ての伯爵の屋敷がある。ちなみにそのすぐ後ろは大墓場公園である。
男爵の邸宅のそばまで自動車で乗り付け、最初に行くように指示された博物館事務所へと出向く。すると厳重な持ち物検査のあと顔認証カメラの前に立たされ、身元確認も行われた。あらゆるデータが抹消されて他人になり切っているはずのテリーは心の動揺を見破られないようにカメラの前に立った。問題なしの結果が出て、本部の仕事に感謝した。
するとそこに男爵の執事であるというパーカーという男がやってきた。礼儀正しく、感情を表に出さない無表情な大男であったが、身長が2メートルを越え、筋肉質の体格に圧倒され、サムもテリーも一言も言えなかった。
「2時間後に男爵がお会いになります。その頃にまたここに来てください」
パーカーは顔色ひとつ変えずに帰っていった。
「あれが執事…、なんかすごい迫力」
サムがちょっとビビってつぶやいた。テリーが言った。
「…あと2時間か、どうする?」
話し合った結果、博物館を見て時間をつぶすことになったた。二つある博物館のうち、からくり人形博物館は改装中につき現在お休み。驚愕動物博物館に行くことにした。
「おや、これは何かな」
博物館の入り口に小さな林があり、せせらぎが流れ小さな池がある。野の花が咲き、池では波紋の中に水草が揺れていた。
「あれ…、なんだろうとても癒される…」
そこにはシンプルで美しい解説版がある。ここだけで20数種類の植物と7種類の小魚、小エビや水生昆虫、カエルやイモリなどの両生類、亀やトカゲなどの爬虫類がいつもいて、野鳥やリスなども訪れるという。その中央に立派な石碑が建っている。読んでみると「テンペスト生物多様性財団の活動の拠点の一つとしてここに博物館を設立」とあった。
「ビッグフットの時も理解があったはずだよ。希少生物や環境の保護のため男爵は生涯をかけてがんばっているんだ」
サムが感慨深くつぶやいた。もともと山歩きや釣りが好きで生物に興味があるテリーは目を輝かせた。男爵は若いころ、乱開発された挙句、交通の便が悪くて倒産、閉鎖された観光ホテルを買い上げ、そこで植林や清流の復活を行い、建物も自然いっぱいにリニューアルして、野生生物保護センターと間伐材を使ったバンガロー村を作ったという。最初から空き缶やプラスチックごみを出さず、環境にも考慮した暮らしを進め、そこから自然の多様性運動を行い、広大な自然保護区を指定し、その一環として、街中にこの博物館をつくったのだ。
ただ気になるのは、この驚愕動物博物館の妙な形だ。なんというかやたらと細長いのだ。50メートル近くあるのではないだろうか。いったい何を展示しているのやら。
まずは広い階段を昇って二階へ。するとさっそく大きな看板が目に入る。テーマ展示、驚愕生物と地底の世界。巣の展示と立体映像。
「なんだろう、モグラのはく製でもあるのかしらと覗き込む」
するとそれは、生きた本物の展示だった。空中を縦横無尽に組み立てられた網目のパイプの中を高速でモグラが動いていく、なんとこれは人工的に組み立てられたモグラの土中の巣穴を見えるように再現したものだったのだ。もちろん寝床や通路だけでなく、定期的にえさの落ちてくる餌場やトイレなんかもあり、実に機能的なモグラの活動が学べるのだ。生きたモグラがしかも、空中の通路の中を動いているところが見られて、テリーはぞくぞくとうれしかった。さらに1メートル以上のリアルなモグラの模型があり、皮膚に埋まった小さな目やシャベルのような頑丈な前足、ビロードのような毛など、モグラの特徴がとてもよくわかる。
「こりゃ、ずーっとでも見てられるなあ」
サムがテリーを引っ張って隣の部屋に移る。今度は体中に毛がなく、出っ歯で土中を掘り進み、砂漠の地下で女王中心の生活をするハダカデバネズミの生態展示だ。今度は巣穴を中心に女王や王、はたらきネズミといったランクがあり、仕事をわけて社会生活をする様子が、実際に見て学べるのだ。またよく見えるように人工的に作った通路が工夫されていて、ネズミ同士が通路で出会うとランクの上の方が相手をふんづけてすれ違うようすもよくわかる。
「え、この土を掘る出っ歯って、皮膚を突き抜けて飛び出てるんだ」
ハダカデバネズミの模型も大きくてリアルですごい迫力だった。珍しくテリーが興奮してよくしゃべる。
「このハダカデバネズミはね、アリやハチのような女王を中心とした社会システムが素晴らしいんだ」
サムはこの不細工な生き物に引き付けられるテリーがよくわからなかった。
「人間が誕生するはるか前からシロアリなどの昆虫類は、女王を中心とした社会システムを確立し、高度に多様に進化してきた。そのシステムは長期の継続を約束された普遍的なシステムなのだよ。このハダカデバネズミはそのシステムそのものを取り入れたわけさ」
「…??」
サムは腕時計を指さして、テリーを隣の部屋へと無理やり連れていく
「ドヒャー、な、なんだこりゃ?!」
ところが次の部屋に入るとサムが悲鳴を上げた。ここは立体映像室で3面の壁に立体映像が映り中央に置かれたソファに座って自由に観覧できる。でも今回はテーマが悪かった。テーマは「驚愕生物と地底の世界、アリの神秘」だった。正面画面ではクロヤマアリを襲うサムライアリ、左の画面では甘い蜜で体をボールのように丸くしたミツツボアリや餌を栽培するハキリアリ、右の画面ではすべてを食らいつくすヘイタイアリの進軍を映していた。それぞれ3分ほどの番組で全部見ても10分もかからない。
「だって、大型犬みたいなリアルででかいアリが立体で何百匹も迫ってくるんだよ、助けてよもう!」
興味深く画面に魅入るテリーを引っ張り、サムは一階に降りる中央階段を見つけた。だがここを降りたとき、この建物の細長い理由がわかるのだった。
「おお、デ、デカイ!!そういうわけか」
そこは「驚異の大きさ、巨大生物の世界」だった。
なんと目の前には30メートルのシロナガスクジラの精巧な模型がドーンと飾ってあった。現在地球上にいる実際に記録に残る巨大生物の実物大の模型がたくさん置いてあるのだ。31メートル、170トンのシロナガスクジラをバックに、ジンベイザメ、シャチ、ホオジロザメ、ゾウアザラシ、ダイオウイカなどの巨大海洋生物、アフリカゾウ、キリン、サイ、カバ、トラ、ホッキョクグマなどの大型陸上動物、イリエワニ、アミメニシキヘビ、コモドドラゴン、ゾウガメなどの大型爬虫類も並ぶ。
近寄ってみると、すべては実物大の精巧にできた空気で膨らました風船で、色鮮やかなだけでなく、実はとても軽くて扱いやすいものらしい。
「ゾウはもちろん見たことあったけど、触れるぐらいに近づくとやっぱすごい迫力だ。細かいところまでよくできてるし」
動物の色や模様は実際の写真を取り込んで使っているらしい。リアルすぎる。
シロナガスクジラの後ろに博物館グッズのショップがある。なにか悪い予感を感じながらサムはテリーを連れて入った。
「いや、これは珍しい。買うしかないね」
テリーはどれを買うつもりなのか?、ハダカデバネズミの女王、王、働きネズミのフィギアがたくさん入った巣穴セットや、クロヤマアリとサムライアリの襲撃ジオラマセットもある。こんなもの誰が買うんだろうとサムはあきれた。この部屋をコンパクトにした、巨大動物比較セットは売れ筋かな、実際に子供が見ていたのは、食物連鎖が学べる海のピラミッド積み木や、陸上ピラミッド積み木だった。
テリーは、まさかのハダカデバネズミのフィギアのたくさん入った巣穴のセットを買おうとしていた、サムは黙るしかなかった。
「あれ、裏側にも同じような展示があるぞ」
ショップを抜けて反対側に出るとそこはもうすでに滅びてしまった巨大生物たち「絶滅巨大生物の世界」だった
「うわああ、こっちもでけええ」
さっきのシロナガスクジラの位置にカミナリリュウが35メートルの勇士をみせていた。最大のカミナリリュウ、アルゼンティノサウルスの風船の前に、トリケラトプスやティラノサウルスなどのいくつもの恐竜のリアルな風船模型が並ぶ。13メートル以上ある海生爬虫類モササウルスも大きな口を開けてすごい迫力だ。最新の学説により、ティラノサウルスにも羽毛が生え、足にかぎ爪のある大型のユタラプトルや強力な腕を持つテリジノサウルスやデイノケイルスもモフモフの体で迫力のポーズをとる。さらに、恐竜とは違う大型のサイの仲間であるインドコテリウム、ティラノサウルス並みの大きな頭骨を持つ肉食哺乳類アンドリュウスアルクス、大型霊長類ギガントピテクス、マンモス、ほら穴熊、サーベルタイガー、オオツノジカ、ステラカイギュウなどの巨大哺乳類などのリアルな実物大風船が並ぶ。
「え、嘘だろ、テリー、ギガントピテクスとアンドリュウスアルクスのフィギアの予約をしたの?」
「だって人間の仲間なのに、最大身長3メートル、体重500キロだよ、こっちの狼はティラノサウルスと同じぐらいの頭の大きさだ。フィギアも実に正確に再現されてるし」
冷静なテリーにも子供みたいなところがあって、サムはおかしくてたまらなかった。外に出るとそこは大型動物の生きている巨大動物園になっていた。しかも外からは見えない特殊ガラスの小部屋がオリの中に張り出していて、至近距離から眺めることができる。種類は少ないが、どいつもデカくて大迫力だ。
「うわ、本物もでかい、でかい。キリンが背が高いのは知ってたけど、ヘラジカやフタコブラクダもこんなに大きかったのか?!」
ヘラジカやキリン、フタコブラクダなどは、実際に生きている姿で大きさを確かめられるというわけだ。面白かったのは「アルパ博士の動物相談」コーナーだ。動物園の横に小さなスタジオがあり、週に2回動物の博士、アルパ博士が出てきて、質問コーナーに寄せられた子供の動物に関する質問に答えたり、動物クイズを出してくれたりするのだ。
サムもテリーも偶然入ってみただけだったが、博士の姿を見て驚いた。子供たちがたくさん入ったスタジオの中で、舞台の上の椅子に座っていたのは、人間ではなかった。
「アルパ博士とか言ってたけど、アルパカだよね、あれ」
「実際のアルパカより頭がかなり大きいけど、アルパカだね、あれは」
よくできた着ぐるみなのか、ロボットなのか知らないが、人間のような二本足のダンディーな体に長い首と大きな頭がついたアルパカだった。しゃれた高そうなジャケットと釣りズボン姿で、喉も鼻も膨らんだり縮んだりするし、眼鏡をかけた大きな目はくりくりとして愛嬌と知性があり、会話はユーモアやウィットに富み、子供の人気は絶大だった。
スタジオの後ろにある大画面で動物の珍しい映像を見せ、そして会話の最後には、あごヒゲをさすりながら大きな前歯を見せてブッフォオッフォオと笑うのである。着ぐるみにしてもロボットにしてもでき過ぎである。
「…では次の質問です。僕はティラノサウルスが強そうで好きなのですが、この間読んだ本では、歩く速度もあまり速くなく、他の恐竜の死体をあさるのろまな恐竜である可能性が高いと書いてありました。ティラノサウルスは強い恐竜ではなかったんですか?アルパ博士はどう考えますか?」
これは難問だ、博士はどう答えるのだろう?
「ブッフォッフォ、化石からでは生きている恐竜の実態は、なかなか分かりませんね。でも私はこう考えます。ティラノサウルスと同じ頃に生きていたトリケラトプスは、小型の恐竜から、だんだんあの三本角で大きなえりまきのある、大型の草食恐竜へと進化しました。トリケラトプスは強い恐竜から自分を守るために、あんないかつい角を持ち、えりまきで首を守っていたのです、でも、ティラノサウルスがのろまで弱い恐竜だとしたら、トリケラトプスは、あんな角や襟巻を進化させる必要はなかったのではないでしょうか。ティラノが強かったからトリケラも強くなった。私はそう考えます」
ティラノサウルスファンの子供たちは大喝采、すごい拍手だ。
「ああ、なかなかためになったな。そろそろ時間だ」
そしていよいよ約束の時間、ついに男爵邸に…。
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