エピローグ!

あれから自宅に戻り、パパに相談しました。流石のパパも大変驚きましたが、すぐにダンジョン・コアをどうするか、建設的な話し合いをしてくれました。

ちなみに、ママは「あら!可愛い白龍ね~シオンの新しいペット?テイムまで出来るなんて流石はシオンね~」と、呑気に言って来ました。


ママ強し!


「ダンジョン・コアを無防備にしておくのは確かにマズイ。ただ、村にダンジョンを作ると冒険者が森へ入らなくなるだろう。危険を侵して、森の奥へ行かなくても村からすぐにダンジョンへ行って素材の回収が出来る様になるのだから。すると、森の魔物の間引きが出来なくなり、今回の様に異変に気付くのが遅れるとスタンピード(魔物の大氾濫)が起こって、村が国が滅んでしまう可能性が出てくるんだよ」

「ふむふむ!流石はパパだよ!?そこまで考えているなんて!」


キラキラした目で見てくる、シオンにデレデレする父親のカインだった。


「それくらい僕だって考えていたさ!」


シオンの信頼を盗られてブスッとしている兄のレインだったが、言葉とは裏腹に居間の床で正座していた。


「あら?レイン!誰がしゃべって良いと言いましたか?」


シオンと一緒に居たい為に、シオンを危険にさらした。その罰を受けている最中である。


「………すみません!」


どんなにチートな力を持っていてもママには勝てないのでした。


「でも、そうするとどこに設置してダンジョンを作れば良いんだろう?」

「「う~ん」」


カインとシオンが頭を悩ませるが、ママがあらそんな事?っと、さも簡単そうに答えた。


「森小屋の所に作れば良いじゃない。森小屋までは30分ほどでしょう?道を整備すればもっと早くたどり着けるし、そこに新しい開拓の村を作ればもっとこの村も発展するでしょう!」


!?


そうだよ!その手があったよ!!!?


「そうだな!森小屋の所を開拓して、ダンジョンと森の素材を収集する場所を作って、王都や近隣の街や村から食糧や生活物資を集めれば、周辺の村も潤い、人口も増える!この村を生活物資の収集所にしてダンジョンの開拓村を素材の収集所にすれば、王都や大都市からも商人が来て発展するぞ!」

「そういえば大熊さんのおかげで、森小屋の周辺の木々が薙ぎ倒おされたからちょうど良いよ!」


なんか大変な事態になりましたね!


「あっ!そうだ!?ダンジョン・コアって呼びづらいので名前を付けていいかな?」


『はい。マスターでしたら喜んで!』


何がいいかな~


う~~~~~~ん!!!!!????


ピコーーーン!!!


「シルフィーでどうかな?」


『とても素晴らしい名前だと思います!マスター!感謝致します。今より私はシルフィーです!』


「流石はシオンだ。我が家の家名から付けたんだね?」

「えへへっ!バレちゃった?」

「大丈夫よ!とても素敵よ♪これからよろしくね。シルフィー!」

「よろしく。シルフィー!」


シオンの家族から祝福され、シルフィーはこの家族を、シオンを命を掛けて護ると心に誓うのだった。


「さて、明日から行動するとしてこちらもシオンにちょっと問題が出て来たんだ」

「あれ、パパもなんかあったの?」


カインは苦虫を噛んだような顔で言った。


「盗賊の件で王都に報告に行ったと思うが先日、使者が来てな。王様がシオンを連れて来いと言ってるらしいんだ」


!?


「えっと……私が歌人だって事がバレちゃったの?」

「そうみたいだ。王家もバカじゃない。辺境とはいえ間者など飛ばしていたのだろうね」

「それで私はどうなるの?」

「最悪、王城で軟禁状態になるかも知れない」


そんなの嫌だよ!!!!


「そんな事はさせないさ!絶対に!」

「あら?ちょうど良かったじゃないですか。シオンはダンジョン・マスターになったのでしょう?ここから移動が出来ないと言えば良いのですよ♪」


!?


ママは神ですか!?どうしてそんな完璧な解答をポンポンと出せるの!??

あ、女神様だからかな?かな?


『マスター!どこに行かれたとしてもダンジョン・マスターになったお方は、瞬時にダンジョンへ戻る事が出来ますよ。マスターが願えば、周辺にいる人物も一緒に戻れます』


「マジですか!?凄いよ!」

「それなら何とかなる!」

「あらあら♪」


『でも、帰還専用ですからね?』


「それで十分だ。王都まで片道5日は掛かる!帰還が一瞬なら助かる!」

「ねぇ、シルフィー!一緒に戻れるのは人物だけ?荷馬車とかは無理かな?」


『出来ますよ?人に限らず、例えばこの範囲内の物を帰還すると思えばまとめて帰還出来ます。元々は強力な魔物をダンジョンに移動させる機能とダンジョン・マスターを護る能力ですから』


「凄い!さっきから凄いばっかりだけど凄い!」

「そうだな!王都で大量の物資を買って運べる訳だしな。帰りの経費はタダだ!素晴らしい!」


大はしゃぎの親子を暖かい目で見る母親と兄がいた。シルフィーは本来の使い方と違うのですが………と思うのでした。


「あら、そういえば王様に呼ばれているし社交界シーズンでもあるから一緒に王都へ行けるわね」

「そうだな……シオンのことで面倒な事にならなければ良いが」


えーーー!!!!また私のせいなの!?


「はははっ、そういう意味じゃないよ。あっ、忘れてた。確か、【陞爵】の話しがあったんだ」

「あら?あなた!おめでとうございます!」


「「おめでとう!」」


いつの間にか正座から立ち上がり、ソファーに座っていたお兄様と一緒にお祝いの言葉を言う。


「それで【陞爵】って何ですか?」

「シオン…………」

「だって知らないんだもん!」


『『『可愛い!!!』』』


っじゃない!


「シオン、『陞爵』って言うのはね、貴族としての爵位が上がる事なのよ」

「だいたい、我が男爵家は下級貴族に分類される。位の順番としては─


公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、騎士爵


と言う順番になる。厳密にはまだ細かい爵位もあるが、今は省いておこう」


へぇ~知らなかったよ!

(シオンも貴族の勉強は受けています!知らないとマズイです!?)


「多分、今回はザーコ子爵領内も面倒を見ているから1つ上がって【子爵】に陞爵かな?」

「何にしても良かったわね。【爵位】が上がれば国からの補助金も増えるし、領地が拡がれば税収も増えるからね。まぁ、面倒事も増えるのだけど」

「よし!シオン達が倒した大熊の肉でパーティーだ!」


「「「賛成ーーー!!!!」」」


なんやかんやでパーティー好きの一家(村全体が)なのでした。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「これにて聖歌大戦は終了となります」

シオン

「死ね!100回死ねやーーー!!!!」


オラオラオラオラ!!!!!!(ジョジョ風)


グボラッ!!!!


愚者の声

「あばばばばっ…………」


シオン

「はぁはぁ!いつも懲りない人ですわね!第2章:魔境の森の異変が終了ですと言いなさいな!」


愚者の声

「あばばばばっ………………」


シオン

「顔が変形してしゃべれないようね。まったくもう!」



次回:第3章が始まります!


現時点ではまだ内容が決まっていませんが、王都編に入ります!よろしくお願い致します!


また次の更新までしばらくお待ち下さい。

m(_ _)m



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