ファンタジーでは有名なアレ!

「「「ダンジョン・コア!?」」」


一同が皆、驚いた!!!


「って、なに?」


ズコッ!


シオンのボケに皆、ガックっとなった。


「シオン!ダンジョン・コアと言うのは……」

「ストップ!それより怪我の治療をしましょう!」


シオンに説明しようとした所を遮って、イオンさんがシオンに聖歌を促す!


「シオン!早く!手遅れになる前に!」

「は、はい!」


シオンはまた、新しい聖歌を唄い始めた。


『母なる大地に抱かれ____生命力の源に

大いなる癒しで____救いを与えん


傷付いた者を救う____癒しの慈悲を捧げる』


シオンがここ1ヶ月で覚えた新しい聖歌を唄った。


大怪我をした冒険者を、青色の優しい光が包んだ。すると致命傷だった傷がみるみる内に治っていった。


「うっ………えっ!?傷が………!?」


信じられない様子で自分の身体を確認する。


「信じられない!まさか、生きる事が出来るなんて!」


グスッ、ううぅ………


冒険者は泣き出していた。


「もうダメだと思った………怖かった!死にたく無かった!………グスッ」


【女の冒険者】は腕を抱えて震えながら泣き続けた。

ミリアとイオンさんは慰めながら女冒険者が落ち着くのを待った。


「ありがとうございました!」


頭を深く下げて、お礼を言った。


「私はAランク冒険者のエリスと言います。先日、王都でも噂のシルフィード辺境村の、魔境の森に興味があってやってきたばかりです」


おお!どう見ても十代ぐらいだよね?この若さでAランクなんて凄いよ!


「王都でのシルフィード辺境村の噂の事を知りたいが、エリスはどこでダンジョン・コアを見つけたんだ?」


お兄様が本題へと入った。


「最初は手慣らしに、近隣の魔物退治の依頼を受けたんですが………」


うんうん!


「面白いくらいに奥へ進む事が出来て、気付いたら結構奥にある【森の泉】まで行ったら、泉の中心に大きな岩に入口があって階段で下へ降りれるようになっていたんです」


おいおい!ソロでそんなとこまで行っちゃダメだよ!


「私も1度は戻ろうと考えたんですが、入口が不安定っぽくて形を変えていたんです。それでピンッと来て新しいダンジョンが形成されたんだと思って中に入ったんです」

「本当に腕が良いんだな。流石はAランクだな」


レインも腕を組みながら関心した。


「ダンジョンに降りるとすぐに行き止まりになり、小さなこのダンジョン・コアが中央に置いてありました。すぐにそれを取ってダンジョンを出たのですが、外には数えきれないほどの魔物が集まっていたんです」


エリスの話を聞いてレインが推測した。


「運が良いのか悪いのか……確かに新しいダンジョンが形成されたのだろう。しかしまだダンジョン内では魔物が発生させれない状態。だから、外部から魔物を呼び寄せていた最中だったんだろうな。そこへ、ダンジョン・コアが取られたものだから魔物達に奪還するよう命令を出したんだ」


エリスも頷き、同意した。


「私もそう思いました。明らかにダンジョン・コアを狙ってましたからね。なんとか深手を負いつつこの森小屋にたどり着いたんですよ」


身震いしながら思い返す。


「取り敢えず、村へ戻りましょう!」


シオンの提案にみんな賛同し、急ぎ足で村へと帰っていった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

─冒険者ギルド─


村にたどり着くと、エリスはシオンにダンジョン・コアを渡した。


「はいっ!これ!命の恩人のシオンにあげるわ!いくら凄い価値があっても死んだら意味ないしね!」


えっ!?


ダンジョン・コアが物凄い価値があるのは教えて貰ったけど、死んじゃうの!?


「ダンジョン・コアを適当な地下に設置して置けば、自動的にダンジョンが出来ます。例えば、街の中心にダンジョンが出来れば、それだけで冒険者がやってきて、それに付随して素材の売買、宿屋、武器や、小物類そして食糧など、どんどん街が発展して大きくなるでしょう。無論、スタンピード(魔物の大氾濫)には気を付けないといけないけどね」


おおっ!!!


うちの村が発展するかも知れないんだね!


カリンさんに森の異変調査の報告とダンジョン・コアの事を話すとカリンさんは頭を抱えて震えながら叫んだ!!!!


「どうして森の異変【調査】だけに行ったはずなのに魔物の大群を退治して、ボス級の魔物の撃破、更にはダンジョン・コアなんて、どーーーーなっーーーーているのよーーーーー!!!!!」


カリンさんのキャパを超えたらしい。

肩で息をするカリンさんが、シオンの肩を掴んでぐぐぐっっと、言い寄る。


「【調査】って言葉を知ってるの?ねぇ!知ってる!?知ってるの!?」


ガクガクッ!と前後に揺らしてねぇ!ねぇ!っと涙目で訴える。


「あぅあぅ!ちょっ、まっ…………私のせいじゃ……!?」


そこにギルドマスターが降りてきた。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「ふっふっふっ!ダンジョン・コア!ファンタジーキタコレーー!」

シオン

「元々、ファンタジーでしょうが!」

愚者の声

「わかってないなー、男のロマンが!」

シオン

「だって女の子だもん!涙がでちゃう」

ヨヨヨッ……


愚者の声

(;゚Д゚)唖然…………



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