第24話「早乙女博士に会わせてください。」

ー数時間前ー

「相生さん!!!」

ガシャーン


私は広山くんと別れ1人戦闘部隊の方へ歩く。


「目標一名を確保。他3名は不可侵領域へ逃げ込みました。」

『確保した一名を、つれて帰投せよ。』

「了解。」

「抵抗はしません。ですから、早乙女博士に会わせてください。」


男は特殊な手錠でわたしを拘束する。


「乗れ。」

車は私を乗せその場を後にした。


・・・・


車はどこかの病院の駐車場に入った。

「ついてきてもらう。」

「……」

どうやら普通の病院ではないらしい。

一般的な病院ではなく、どちからというと研究所?


「ここはどこですか。」

「GFの研究所だよ。相生くん。」

後ろから歩いてきたのは、スーツの男。

「あなたは……?」

「ここの研究所の責任者だ。矢野口という。」

「おまえ達はさがれ。」

「ハッ!」


「……早乙女博士はどこですか。」

「こっちだ。」


ついてくるように促す。

今は従うしかない。

「早乙女博士は現在入院中なのは知っているかな?」

「え?」

「ファクターの少女によってダメージを負わされたらしい。」

「あっ……」

より子ちゃんが広山くんを助けるために、色々無茶をしたんだ。

「こっちで安静にしている。」

男は部屋を指差す。

ガラガラガラ

「さ、入りたまえ。」

「……失礼します。」

疑いもせず入ってしまった相生。

「……え?」

そこには開いたベッド一つと研究器具や機械がたくさん。

「あの、矢野口さん、博士わ」

ピュン

「!?」 

首筋に何かを撃たれた。

これは。見覚えがある。

ファミレスで広山くんが見せた……


…………………



気がつくと私は寝台に寝されられ腕を拘束されていた。力も入らず、記憶も朧気で意識も胡乱な状態。


「始めろ。」


「はいっ。」


私はヘッドホンをさせられ

首筋と頭に謎のパッドをつけられる。


「あー私の声が聞こえるかね?」

「はい……」

「では、今日の事は覚えているかな?レストランでの戦闘行為」

「はい……」

「それは、まず、忘れなさい。」

「わかりました……。」

「次に君の力についてだ。君の力は必ず人を殺すものだ。わかるね?」

「はい……。」

「君に任務を与えたい。残りの少女達と君の友人の広山くん、3人を回収してきてほしい。多少荒っぽくなっても構わない。生きてさえいればね。」

「……わかり、ました。」

「いい子だ。装備は用意させるから。準備ができ次第、君を現場に送る。任務完了したらまた連絡するようにな。」

「……わかりました。」


相生は装備を受け取りその場で着替える。

ライダースーツにミリタリージャケット。

鬼の口の仮面。

コンバットナイフにハンドガン。

肩掛けストラップ付きのサブマシンガン。

腰にはいくつかのコンカッションやスモークグレネード。

極めつけに背中には

電流式ニンジャソード。


全身黒のコーデに綺麗な黒髪が美しさすら漂わせる、危険な女。

「使い方はインストールしてあるな?」

「はい。準備完了しました。矢野口所長。」

「よし、では車に乗り込みたまえ。」

「はい。」

「ああ、あと薬はもう一錠飲みたまえ。」 「はい。」

相生は薬を一錠のみ水を口に含んだ。



それから数十分後


「相生哀、現場に到着しました。これより作戦を開始します。」


ダダダンダダダン!!

ガシャーン!!


機械的に

無感情で

私は

GFの装備で

喜連川軍備の施設

不可侵領域に入り込んだ。


戦争の種火を

私はー


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