第22話「ま、待たせたなケイよ……」
ピーッ
ピーッ
電子音がきこえる。
ピーッ
ピーッ
「…はっ!?ここは?」
「医務室だよ。ヒロぽん。」
「えっ?いたっ……」
身体中が痛い、重い。
さっき俺はなにをしてたんだっけ……
より子は、もう1人、そう、ファミレスに突入してきた彼女を治療している。
「いてて、くそっ。十代の女をボコスカ殴りやがって……」
「ほら、動かないで。もうすぐ終わるから。」
「ちっ。おう兄ちゃん、元気か?」
「えっ?」
「なにその絡み方~おっさんみたいでウケる♪」
「だから、十代の女だっつってんだろ。こういうしゃべり方なんだよ。」
「はい、終わり。ケイは先リビング行ってて。」
「おう。」
「さーて」
「より子、俺は気を失ってたのか?」
「そうだよ。覚えてない?アタシは……多分一生忘れないけど♪」
「あー……なんか思い出してきたわ。」
より子はファミレスで薬を打たれて立てなくなってたから俺が抱っこして、抱っこ……して……
顔が、熱い。
「はは♪ヒロぽん顔真っ赤だよ?」
「今になって色々恥ずかしくなってきた……」
俺はテンションがおかしくなって無茶なヒーロームーヴを繰り返したんだ。
「お姫様抱っこされて逃げるなんて経験、二度とできないからね~♡」
「ああ……」
穴があったら入りたい。墓穴でもいいが、墓穴は今掘ったばかりだ。
「ヒロぽんは一般人なのにアタシを抱えたまま全力ダッシュなんて、本当無茶だよ。だから気絶しちゃうんだよ?」
確かに。明日までちゃんと身体は動いてくれなさそうだ。
「でも、最高だったよ♡」
「やめろ、そのハートは!」
「最高♡」
「やめてくださいませんか!?」
俺はベッドから降りようとする。
「あっ、まだ動いちゃダメだよ?貧血と過呼吸になってたんだがら……」
「でも、話があるんだろ?話聞くだけなら大丈夫だから。それに」
相生さん。
彼女が心配だ。
捕らえられてひどいことをされてないといいが。
「ヒロぽん。相生さんのこと、まだ信じられる?」
「え?まだって?」
「……もう。手強いなぁ~……」
?言ってる意味はよくわからない。
「とりあえず、肩貸すからリビングまで行こうか?」
「ああ。頼むよ」
俺はふらふらしながらリビングへ。
肩を貸すとかいいながら顔を真っ赤にして頑張る非力少女より子。かんばれー。
「ん?来たか。」
「お待たせ、しました。ふうー……」
「ま、待たせたなケイよ……」
「何でおまえの方が疲れてんだよ、より子。」
より子とはちがう、ブロンドのショート。顔つきは目が大きく彫りが深い。身体ムキムキ
(おっぱいもでかい)この女の人は誰なのか。
「まず、ヒロぽん。ごめん!」
「?」
「彼女はケイト。ケイト・K・アンガー。怒のファクターの力を持つ女の子だよ。」
「えっ!?どういうこと!?」
ケイトという女の子は単独で解決に乗り出しているという話だった。
「実はヒロぽんより結構前からアタシと同盟関係で、場所と武装を提供する代わりに、調査と用心棒をお願いしてるの。」
ケイトは立ち上がり、ヒロにちかづく。身長も高いしスタイルもいい。まるでモデル……
握手を求められ
「よろしくな。兄ちゃん。」
「ああー広山ヒロです!よろしくぅ!?」
アメリカ式の挨拶のハグをされる。
すげーいい匂いだし、以外と柔らかい……って!おい!戻れ俺!
「あわわわわ」
「ん?ああ、こういうのニホンジンはやらないんだっけ?わりーわりーははは!!」
豪快に笑って見せたケイト。いい奴に違いない。何から何までカッコいい……。
「ちょっとケイ!ヒロぽんを誘惑しないで!」
「ん?ああ。わりぃ。そんな気はないんだ。俺はレズだし。」
!?突然の告白!!あっちの人はそういうのは隠さないの?(※違います)
「ったく。青少年に有害だよケイは。」
「なんだよ有害って……。あー呼び方はケイでもケイトでもいいからな?ヒロ?」
「アッハイ」
いきなりの名前よびでビックリした俺はヤンキーのパシりみたいな答え方をした。
「話を戻すけど、ケイとアタシは同盟関係にあったけど、この関係はまだ2人には言えなかったんだ。どうしても相生さんのことが信用しきれなくて、さ。」
……確かに、端から見ればその判断は正しかったのかもしれない。
「アイツは裏切ったのか?ヒロ。」
「ちょっと、ケイ……!」
「相生さんは、博士に真意を確認するって言ってた。多分GFに投降したと思う。……そういえば何であいつ等は攻め込んでこないんだ?」
「「ああー……」」
2人は声を揃える。
「?」
「その辺の説明しないとね。」
「だな。」
俺の知らない情報を
彼女たちは持っているらしい。
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