登場フェイズ&PC紹介

<戦車>の騎士 虎堂隆聖(こどう りゅうせい)

--- GMメモ ---

◆登場フェイズ

 PCが魔獣討伐に乗り出すきっかけをロールするフェイズです。


--- 本 編 ---


 <戦車>の騎士 虎堂隆聖は修行を行っていた。


 断界絶滅拳の必殺技。

 そのうちの一つが、空月から裏新月、満月へと導かれる連携技である。

 相手の必殺技を吸収し、続く動きを封じ、己の意を無理矢理貫き通す一連の技は芸術とすら言える。

 であるならば、隆聖の持つもう一つの技は……。

 

 その日、練習などに縁の無さそうな虎堂にしては珍しく正拳突きの鍛練を行っていた。

 とはいえ、ただの修練ではない。気を込めた、一撃一撃が離砲拳の一歩手前である拳であり、しかもそれでいて離砲拳の鍛練ではないのだ。

 

 ――もしそれを近くで見るものがいたならば、正拳突きを繰り返す虎堂の腕が二重に見えることに気づいただろう。

 

 ――もしそれを近くで聞くものがいたならば、正拳突きを繰り返す虎堂の腕から『時空を巻き込むような』異音が聞こえる事に気づいただろう。

 

 しかし、虎堂がいたのは山の奥。道などない、遭難同然の道行きである。見た人がいるはずもなく、聞いた人がいるはずもない。

 それでも鳥は空に逃げ、獣は熊ですら近寄らず、虫は息をひそめてじっと待つ。


 突き出されている虎堂の拳は今とコンマ数秒前の世界に『同時に』存在する。

 これが芸術に対し暴力と呼べる技、因果逆行・“断界絶滅”の一端。

 勿論世界はそのような反逆行為をただ見過ごしはしない。

 修正力が働き、虎堂の腕ははじけ飛ぶのだ。

 通常ならばその一撃と引き換えに虎堂の腕は消えているだろう。


 しかし虎堂の腕は消し飛ぶことなくそこにあり、しばらくしたのちに虎堂はようやく拳を止める。

 しかし気は抜かないまま大きく息を吸い、一息唸り大地に気を流す。

 結果その一瞬の唸り声とともに、大地がひび割れる。

 破壊エネルギーの放流。

 基礎中の基礎であり、しかし修正力すらも破壊エネルギーの一種とみなして放流できるところに、凡百の使い手との差が現れる。

 五体のいずれを失ってもおかしくない修練を傷一つなくこなした虎堂は、K-phoneを取り上げる。

 ちょうど着信が入ったところであった。



隆聖:「もしもし?」


清水:「円卓の騎士本部事務員清水です。魔獣討伐を依頼したいのですがよろしいでしょうか?」


隆聖:「丁度いい。今から向かう」


清水:「わかりました。データは転送します」といって電話が切れます。


隆聖:「……さて。この先を真っ直ぐ行けば、大丈夫か?」


 万年方向音痴の虎堂にとってもまた、ここは遭難同然の道行きの果てであった。



◆PCデータ

<戦車>の騎士 虎堂隆聖(こどう りゅうせい)

 30歳男性

 好戦的で野蛮、「暴力こそ全て」の残忍で残酷な性格の持ち主

 世界最強を目指し、そのために魔獣と戦う。

 彼は決して正義ではない、だが、魔獣と戦い勝利するためには必要な存在である。


【能力4:断界絶滅拳[戦闘術】

 傍目には生命エネルギーによる肉体強化に主軸をおいた拳法の一種。

 実態は「至高の天に届きしその使い手は無手にて山を砕き海を割った」とまことしやかに囁かれる一撃必殺の拳。

 極限まで体内の気を高め自らの能力を向上させ、最も効果の上がるポイントを見極め、最高のタイミングで最高の一打を打ち出す事に心血を注いだその打撃は、もし見事に決まれば人間どころか怪物の肉体、鋼鉄の建造物ですらひとたまりもなく四散するという。

 戦闘続行のため、自分の四肢が千切れるくらいのダメージまでなら一時的とは言え戦闘可能なレベルまで繋ぎ直す方法も存在する。

 但しそれを他人に使う事は可不可の以前の問題で倫理的に許されない。


【能力3:壊心の極み[感情]】

  彼自身は自他の生命の危機、自他の評判、自他の関係性、そういったあらゆる軛を無視して必要と思ったことを躊躇いなく行える。

 生命を賭けた戦いでありかつ己が愉しいと思うなら何でも出来る、何でもする。

 極力正々堂々と戦うが、例え相手の愛妻が巻き込まれようと何ら心が咎めることはなく、むしろそれが相手の憎悪を掻き立てるなら戦いがより楽しくなり、歓迎すらしたい。

 そういった異常な感情・思考回路の発露。

 彼と相対した者は「彼を殺さねば殺される」と言う恐怖に襲われ、正常な判断ができなくなってしまう。

 彼と敵対した者は「一手でも間違えれば生命も尊厳も殺される」という恐怖から隙の無い攻撃か一か八かの大技をいつも以上の実力で発揮できる事が多いが、

 隙の無い攻撃ですら掻い潜り一か八かの大技を真正面から迎撃する虎堂に対しては手の内を明かすだけであり、更に虎堂のテンションも上がってしまうので悪循環に陥る。


【能力2:『壊』を識るもの[知識]】

 ここに力を加えれば容易く破壊される、と言う「点」を本能的に識っている。

 それは生き物でも物品でも変わらず、初めて遭遇するものですら直ぐに察知する事が出来る。

 魔術や亡霊などの無形のものでも大体のものは「ここでこうすると酷く影響(もしくはダメージ)を受ける」と言う事を直感で識ることができる。

 これだけでは単に「壊し屋」くらいの才能しか持たないが、一般的なの身体能力があるならば大抵の人間を「壊す」事ができ、

 断界絶滅拳と組み合わさることで元より高い威力を更に飛躍的に高める事が出来る。


【能力1:豪傑 [肉体能力]】

  身の丈は天を衝くほどで、筋骨隆々としている。

 パワーはありそうだがスピードはなさそうに見える。

 が、その実パワーもスピードもスタミナも予想以上に有した、時代が時代なら「英雄」になれるかもしれない存在である。


--- 舞 台 裏 ---

GM:最初の登場フェイズから、アオハル感が消えていった感が…


隆聖:大人が情熱を絶やさず過酷な鍛錬している光景、アオハルでは?


GM:JK「おっさん、汗臭ー」


隆聖:医者「いかん、剣道部の心臓が止まった!」


アッサルト :www



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