星座デート

星空と蒼天のその後①

「ののちゃん」


 のの、顔を雑誌で隠しました。


「別にキスするつもりじゃないんだけどな」

「そういうのやめてください。ゆいくん」

「その呼び方もやめてくださいと言ったはずだよ」

「じゃあゆいと?」

「.......」


 どうも私たちはうまくいっていない気がする。「お兄ちゃんのほうのゆいと」にはののちゃんと呼ばれても返事できたのに、霧灯に言われると顔を上げられないことがある。


 2人っきりになると急に甘くなる彼にはまだ免疫ができていなくて。


「これが、恋...」

「あんたさー 私が霧灯にフラれたこと忘れてるでしょ! 何よこの緩んだほっぺたは!」


 椎名の一言がきっかけだった。


「思いっきり2人で出かけて来たら?」


 それも良いなと霧灯が立ち上がった。


「じゃあ天気もいいし屋上にでも」

「違うわよ!デートしろって言ってんのよ!」


 私たち同時にそれぞれの持っていたものを盛大に落としましたが。動揺しているのはむしろーーー


(その後「あんたも本性で付き合えばいいのよ」椎名さんの言葉に霧灯さんは涙目になったのです)


 

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