エピローグ
アダムとイヴ亡き後、アダム派はエデンの人口の3分の1を占める派閥になり、統一議会からますます敵視されていた。同時に、アダム派の指導者となったカインとアベルから統一議会は強い敵意を向けられていた。両親を奪った統一議会を許せなかったからだ。
お互いを認めず、対話もせず、憎しみ合う2つの勢力があるとき、結果勃発することは1つしかなかった。そう、戦争である。戦いは最初こそ拮抗したものの、やがて数で劣るアダム派側が不利になっていった。しかし統一議会もまた、勝利条件を満たせずにいた。統一議会は勝利条件として、反‐反出生主義の根絶を据えていたからである。なぜならそうしなければ、彼らはまた地下に潜み、新たな苦しむ者たちを生み出し続けるかもしれなかったからだ。
すでに暴走しつつあった統一議会を止める者はおらず、ついに彼らは禁断の兵器であるウイルス兵器に手を出した。その兵器は彼らが全ヒューマノイド救済のために秘密裡に研究していたもので、感染するとまるで眠るように息を引き取ることができるという夢のような兵器だった。統一議会はすぐさまエデン中にそのウイルスを散布し、全ヒューマノイドを殺害したのちに、自分たちも滅びた。
こうしてエデンから、苦しみを感じる者たちはいなくなった。
滅びゆくこの世界で スナオ @sunaonaahiru
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