白鳥社長の秘密の部屋。

「ああああああああこれでコレクションが増える」


普段はあまり感情を表さない。白鳥社長が感極まっていた。

彼が持っていたのは試験管。

試験管の中に入っているのは一本の髪。


「あああああやはり、あれだけの変身の魔法をするには、それなりの情報をもっているとにらんだのは間違いなかったようだ」


「う~ん、ん!!!!」


「さぁ襲撃者の君にはいろいろと教えてもらおうか」


彼が目にしたのは顔、顔、顔、壁一面に貼られた少女の写真だった。


すべての少女が赤い髪の少女で、写真、新聞、雑誌の切り抜きと多種多様だった。


「ひっ!」


「ん?圧巻だろう。これだけのものを集めるのは、一苦労だったんだから。」


白鳥社長は普段会社では絶対に見せないだろう満面の笑顔を浮かべていた。


「特にこれなんか1970年代に彼女が異世界でバルブンガと戦ったときに流した、血液で、私も異世界に行く装置を作ってしまったぐらいだよ。がっはっは。おっと失礼。」


試験管のコルクを抜き、鼻のなかにつきさし、息をすう。


「すうううううううう。はあああああああ」


恍惚とした表情で、深呼吸をする男を唖然としてみていたが、彼が急にこちらを向いた。


「さて、少年。おそらくこの頭髪はここ最近に採取されたようだが、どこでてにいれたんだ」


「し、しら」


「もし、隠すようだったら、君の末路は、さちよが受けた1988年のバルバの丸喰らいよりも最悪の事態になるだろう」


「ひ、ぼ、ぼくは、それを、あんたのむすめから渡され」


「カレンから?」


急にテンションが変わり、思案し始める。


「…ふむ。カレンからか…。カウンターズの任務。いや、女王からの指令の可能性もあるか。しまったな。魔法少女モードがばれてしまったか。くっまだ女王に知られたくはなかったが、しかたあるまい。おそらく、スカウトされてしまう可能性もあるな。うむ」


絶対ない。


「さて、少年よ、提案があるんだが。当然、君には拒否権はある。拒否権はあるが、その後の君のあ~貞操は保証できない」


実質選択の余地はない。


「私の密偵になってくれないかな」

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