第15話占い師ラックっきゅ!僕も魅力あふれるマスコットになるっきゅ!
「ちょっ!!さきちゃん!!ねぇ!あなたが何をしたいか知らないけど!さきちゃんにかけた魔法を解いてもらってもいいかな?」
剣撃を躱しつつ、周囲の様子を見るが、周りの人間は無反応だった。もしかしたら、この人達も操られている。縦に横に日本刀をふるうさきの攻撃をかわしながら、ほのかは話しかける。
「いやだと言ったら?」
「二度と握手会を開けない顔にしてやるよ」
いけ好かないイケメンを睨みつける。大根おろしですりおろしてやろうか。
「はっはっは。それは困るな。せっかく…ツキがまわりはじめたんだ。美味いもんを食べ!可愛い女と遊べる!夢みたいな生活を送ってるんだ」
「可愛い女ッキュか?!僕あっちにつくッキュ!」
妖精が暴れるのをグーパンで黙らせる。
「…
赤い人魂がさきの両手に宿り、激しく燃えあがる。
「さぁどうする。このままでは仲間にタコ殴りにされるぞ」
「っ速い。」
さきちゃんの魔法の
「僕は魔法で僕の運命を変える!聞いたよ。この町の人間は魔法を自由に使えるって、しかも魔法少女がいて、無制限に魔法を使えるらしいじゃないか。ずるくないか?同じように魔力があっても、僕は…。僕は!!!君たちは優遇されてるなんて不公平じゃないか。君たちを操ってもっと有名に!だれからも愛される存在に」
憎悪で燃える瞳で私たちを睨む。
「ねぇ、ラック…さんあなた…魔法使いとの戦いは経験不足だね?相手の杖から目をはなすなんて、ありえない」
ハッとしたラックはほのかの杖に注目する。
「
眩い光が辺りを照らす。
「ばーかめ、イケメンが!」
「ちっ!」
ほのかを捕らえようと近づいてきたさきちゃんに対して、その場で回し蹴りを行い彼女の杖を蹴り上げる。
「こちとら一年間悪の組織とたたかってきたんだから」
空中に弾かれた杖をキャッチして、持ち主と占い師に向ける。
「さぁ形勢逆転だよ?どうする占い師さん?」
「やるね…じゃあこうするよ」
指をパチンと鳴らす。すると広場を囲んでいた破魔町の住人が一斉にほのかに杖を向けた。
「あ、おー…」
「これで形勢逆転のさらに逆転だ。握手会にきた全員に魔法をかけておいた。どうする魔法少女。大人しく僕の手足になりな」
公衆の面前では、できるだけ避けたいんけど。操られているのなら、問題はないよね。
「ミッキュ!変身よ!!」
「よしきたっきゅ!!」
眩い光が広場に広がる。ほのかは魔力を集中させ、変身にそなえる。服が弾け飛び、きらきらとした音楽が鳴り響く。
「御神木よ!私に聖なる力を与えたまえ…変しっぎゃぺ!!?」
私の変身シーンは突如として飛来した魔法弾によって遮られた。
「フレイム」「サンダー」「シールド」「煉獄」「ぬるねる」
「あつ、ばっべぴょぐぴゃ」
あれは、肉屋のおっちゃん?魚屋の女将さん??中央広場を囲む住人たちが一斉に魔法を投げてきたのだ。
「ナックルショット」「つむじ風きりきり舞い」「アイスバーン」
「痛っ、うわ、寒」
「バックドラフト」「ヘビーボム」「グラウンドバイン」「アイアンダイス」「カッター」「水飛沫」
つぎつぎに浴びせられる魔法の数々を必死によけようとするも、数が多すぎて、よけきれない。
「ちょ、やめ、やめろー!!あんたは変身中に攻撃しないっていう暗黙のルールを知らないのか!!」
あらゆる魔法をくらいながら、涙ながらに訴える。一年間戦ってきた悪の組織でさえこんなことしなかったのに!!
「…?なんで敵がパワーアップするのを待たないといけないんだ」
「ごもっともだけど!私この話の初変身なんだよ!初変身って最終回並に映えるやつやん。めっさ強いときやん!」
戦闘もはじめてなら、礼儀作法も知らないのか!一年間戦ってきた悪の組織ですら、もうちょっと分別があったぞ!!
「…うるさいやつだ。僕は君の真似をしたに過ぎないのに」
ゆっくりと水晶玉を空中におく。
「占ってやるよ…君は負ける」
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