第3話 苦悩と看護師 その1
「…私…どれなのかな?」
陽くんと義母に向ける冷たい氷のような私、
裕翔くん達クラスのみんなで笑っている太陽のような私…
これの中を見ればわかるのかな…
悩む私の手に握られていたのはピンクのケースに沢山のシールが貼ってあるスマホだった。
ガラッ
病室のドアが開く
『霧雨さん。体調はどうですか?』
看護師の
珠洲さんはこの病院では2人だけの男性看護師のうちの1人で私の担当看護師だった。
そして私が唯一心を許して相談できる人だった。
「特に問題はないです。」
「そっか、なんかあったら相談してね。記憶喪失って大変だから。今までそういう人何人か見たけど皆自分がわからないって怖いみたいだった。」
私の同じような人がいた知って少しだけ心が軽くなった気がした。
「ねぇ。少し相談してもいい?」
「いいよ」
珠洲さんの声は優しかった。
珠洲さんに相談すれば答えを出してくれると思って今日までにあった事をすべて話した。
「──、私は…どうすればいいのかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます