家路

 ギッ ギッ!


 やった、来てくれる!

「ふふ、じゃあ私についてきて!」

あなたはもう一度頷いた。


 私は来た道を歩いて戻った。

 あなたは、歩くのが意外と遅い。時々立ち止まっては振り返り、追いついてくるのを待っては出発しての繰り返し。でも、ゆっくり歩く帰り道も悪くない。


 ガシンッ ガシンッ ガシンッ


 少しずつ、三角屋根が近づいてきた。一歩、また一歩、歩みを進めるたびに、ひとまわりずつ大きくなってゆく。

 よし、着いた。

 私は振り返り、あなたに話しかけた。

「ようこそ、私の家に」


 私がドアを開けて中に入ったところで、後ろでガンと大きな音がした。どうやら扉に突っかかってしまって中に入れないらしい。

「あ、待って待って、こっちの大きな窓から入って、今開けるから」

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