上級神との戦い

 馬鹿でかいシロナガスクジラの下半身と、並大抵の努力じゃ鍛えられない研鑽された筋肉美の上半身を持つ人魚のマッチョメン。

 上級神『ポセ???』と鑑定に出た男は、不敵に笑う。


「ほっほっ。小僧よ、神である我の深淵をのぞき見ようとは畏れ多いぞ」


「すみません。それほど鍛えられた筋肉を持つ神のステータスが気になりまして」


 俺は素直に思ったことを言うと、ポセ???……仮にポセイドンは、上機嫌そうに頬をつり上げた。


「ほぅ。小僧。貴様には人の身でありながら我が筋肉美が解るか。……ふむ。見れば貴様も人の身にしては相当に鍛えられておるな。

 一見細身に見えるが、筋繊維の一本一本がアラクネの糸を束ねたよりも硬くそしてしなやかに育っておる」


 俺は、そう大柄でもなく馬力と素早さの両方を意識してしなやかに鍛えているために、他人から筋肉を褒めて貰えた経験が殆どない。

 それどころか、大半の人は俺をマッチョだとすら認識してくれない。


 でも、ポセイドン。流石神の中でも特に上位にいる(と思われる)上級神、見る目は偽物ではないようだ。

 油断はしない。俺はポセイドンから目を話さないようにしながら、自らのステータスをチラ見で確認する。


名前 佐島 靖 

体力 9187京1429兆5800億/9187京1429兆5800億

筋力 8093京4354兆6300億

魔力 9𥝱6375垓21331京1328兆

敏捷 4829京5576兆800億

【亜神竜の加護】全能力+10000 筋力のみ+30000

【殺戮機械人形の忠誠】全能力+1億 魔法付与【味方召喚】

元数値

体力 8億4000万

筋力 7億4000万

魔力 20億3000万

敏捷 7億4000万

Lv 999

職業 従魔師 LvMAX

                             ▲

従魔 亜神竜 ▼

            ▲

スキル ▼

身体強化系

『敏捷増強LvMAX』『敏捷増強LvMAX』『敏捷増強LvMAX』『敏捷増強Lv22』『敏捷強化LvMAX』『敏捷強化Lv82』

『体力増強LvMAX』『体力増強LvMAX』『体力増強LvMAX』『体力増強Lv32』『体力強化LvMAX』『体力強化Lv97』

『筋力増強LvMAX』『筋力増強LvMAX』『筋力増強LvMAX』『筋力増強Lv27』『筋力強化LvMAX』『筋力強化Lv88』

『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強Lv84』『魔力強化LvMAX』『魔力強化LvMAX』『魔力強化Lv32』

技能系

『鑑定 Lv80』『超回復LvMAX』『超再生LvMAX』『並列思考LvMAX』『農業Lv48』『教授Lv83』『柔軟LvMAX』『遊泳LvMAX』『隠密LvMAX』『料理Lv39』『裁縫Lv22』『言語理解Lv37』『気配探知Lv58』『アイテムボックスLvMAX』『体術Lv92』『格闘Lv74』

その他

『ダメージ軽減LvMAX』『ダメージ軽減Lv82』『魔力効率増強LvMAX』『魔力効率増強LvMAX』『魔力効率増強Lv12』『アイテムボックス拡張Lv42』『経験値増加Lv95』『経験値増加LvMAX』『経験値増加Lv12』

職業スキル

『従魔化』『従魔小型化』『従魔強化』『従魔召喚』『絶対服従』『屈服の加護』

特殊スキル

耐性系

『精神完全耐性』『物理完全耐性』『魔力完全耐性』

受動系

『俊足』『剛力』『体力自動回復』『体力自動回復』『スキル重複』『体力貯蓄』『魔力操作』『身体操作』『加速』『関節可動域増加』『軟体骨格』『審美眼』『真眼』『アイテムストレージ』『超並列思考』『経験値倍化』

技能系

『体力吸収』『魔力吸収』『魔力解放』『魔力威圧』『超演算』『脳力拡大』『分裂思考』『瞬歩』『縮地』『神速』『金剛力』『筋硬化』『筋力威圧』『阿修羅』『鮫肌』『雲隠れ』『スキル伝授』『超遊泳』『光学迷彩』『筋力解放』『実像分身』『光速移動』『魔眼』『武神化』

固有スキル

『反復試行』

称号

『蹂躙する者』『数値の暴力』『魔力のゴリ押し』『強者の余裕』『迷宮の管理者』『魔を従えし者』


 今もなお、日本中――世界中で戦っている俺の分身や殺戮人形から送られてくる大量の経験値はこの一瞬で、俺のレベルを999にまで押し上げた。

 そのお陰でステータスはもの凄く高くなっている。魔力に至っては、ポセイドンの最低でも100倍。何なら1000倍近く差があるかもしれない。


 敏捷だって、ポセイドンがステータスの中で特に遅いお陰で数万倍の差がある。


 でも……筋力は最低で十倍以上、最大で百倍弱。体力に至っては最低でも百倍以上、最大で千倍弱もの差がある。

 10倍以上の筋力差。それは最低でも二歳児と成人男性ほどの筋力差があることを示していた。


 恐らく俺の単純な物理攻撃じゃ、ポセイドンにダメージは与えられない。それどころか掴まれて、近接戦に持ち込まれでもしたら……俺は間違いなく死ぬ。

 俺は、俺よりも遙かにステータスの高い相手と戦った経験がなかった。


 緊張と恐怖と、そして一抹のワクワクに身体が震える。


「どうやら、筋力の鍛錬では神様には敵わなかったみたいですね……『筋力解放』『魔力解放』」


 俺は、筋力と魔力をリミッターを突き破って限界を超えて展開する。

 その力は、数値上のステータスの更に十倍。


「ぬぅ……貴様、本当に人の子か? その魔力量……最上級神でもありえぬぞ!! 『筋力解放』『筋魔一体』――海に鍛えられた我が筋力によって、貴様をミンチにしてくれる!!!」


 ポセイドンの気迫は更に上がった。魔力と筋力を融合させたのか?


 ポセイドンも、俺の魔力のゴリ押しのような――精神耐性を突き破るなにがしかを持っているのだろうか?

 俺の数十倍の数値から放たれる筋力威圧に、俺は心底恐怖しその圧に軽く意識が飛びそうになる。


 俺は有り余る魔力で威圧を展開し、更に魔力プレスでポセイドンを思いっきり叩き付けた。ズンッ、と音を立てポセイドンの巨体は海に叩き付けられる。

 しかし、海の神の名を冠するだけ合って海がポセイドンのクッションになる。


 海が、ポセイドンの味方をしている。――ただでさえステータスの差があるのに、更に場所はアウェー。なのに、俺の頬は不思議とつり上がっている。


「我の魔力耐性を貫いただと!? ……貴様、人間のくせになぜそのような力を要しておるのだ!? 侮れん。たかが人間一匹ひねり潰すなど、片手間でしてやるつもりだったが気が変わった。人間よ名を名乗れ!!」


「佐島靖」


「そうか! 佐島靖よ、我が名はポセイドン――この星の海の全てを司る神である。我は我が名において、全霊を持って貴様を叩き潰すと誓うぞ!!!!」


 ポセイドンが声を張り上げると、圧倒的な質量の海が俺の周りを取り囲む――否、俺がこの数秒間にして深海へと誘われた。

 光の届かない暗い世界、ポセイドンは海流から生み出したトライデントを構え敏捷が低いとは思えないほど高速で俺に攻撃を仕掛けて来た――


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