職業とダンジョンの私有化

《亜神竜の服従が確認されました。佐島靖の【神の試練】の踏破が確認させました。職業『従魔師』が解放されました。

 また、ダンジョンマスターが従魔になったため、管理者権限は主である佐島靖に委譲されます》


 俺は先ほど脳内に響いた音声を思い出しながらステータスを確認する。


名前 佐島 靖 

体力 799兆6514億4000万/799兆6514億4000万

筋力 400兆2939億(100)

魔力 7786京4333兆2946億4000万(100)

敏捷 20兆4870億1860万(100)

【亜神竜の加護】全能力+10000 筋力のみ+30000

元数値

体力 1708万

筋力 1710万

魔力 5131万

敏捷 1708万               ▲

Lv 425

職業 従魔師 LvMAX

従魔 亜神竜 ▼

            ▲

スキル ▼

『鑑定 Lv75』『敏捷増強LvMAX』『敏捷増強Lv96』『体力増強LvMAX』『体力増強LvMAX』『体力増強Lv16』『筋力増強LvMAX』『筋力増強LvMAX』『筋力増強Lv4』『超回復LvMAX』『超再生LvMAX』『並列思考Lv43』『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強LvMAX』『魔力増強Lv42』『農業Lv45』『教授Lv63』『柔軟LvMAX』『ダメージ軽減LvMAX』『ダメージ軽減Lv32』『魔力効率増強LvMAX』『魔力効率増強Lv87』『遊泳LvMAX』『魔力強化LvMAX』『魔力強化Lv52』『隠密LvMAX』『体力強化LvMAX』『体力強化Lv4』『敏捷強化Lv96』『筋力強化LvMAX』『筋力強化Lv6』『経験値増加Lv70』『アイテムボックスLvMAX』『アイテムボックス拡張Lv12』『経験値増加Lv65』『料理Lv21』『裁縫Lv19』『言語理解Lv27』『気配探知Lv12』

職業スキル

『従魔化』『従魔小型化』『従魔強化』『従魔召喚』『絶対服従』『屈服の加護』

特殊スキル

『精神完全耐性』『俊足』『剛力』『体力自動回復』『魔力操作』『魔力吸収』『魔力完全耐性』『魔力解放』『魔力威圧』『超演算』『物理完全耐性』『瞬歩』『縮地』『神速』『加速』『体力吸収』『体力貯蓄』『審美眼』『関節可動域増加』『金剛力』『筋硬化』『筋力威圧』『阿修羅』『スキル重複』『体力自動回復』『鮫肌』『雲隠れ』『スキル伝授』『軟体骨格』『アイテムストレージ』『真眼』『超遊泳』『光学迷彩』『筋力解放』『実像分身』『光速移動』『魔眼』

固有スキル

『反復試行』

称号

『蹂躙する者』『数値の暴力』『魔力のゴリ押し』『強者の余裕』『迷宮の管理者』『魔を従えし者』


 職業に従魔師が追加されてる! しかもいきなりレベルMAX! 『魔を従えし者』は従魔師のMAX報酬の称号で、スキルの補強や従魔を強化する効果があるらしい。


 世界初めての就得報酬なのか、それとも亜神を従魔にしたから一気にMAXまで上がったのかは解らない。ただ、職業補正みたいなものは特になさそうだった。

 いや、亜神竜の加護と言うことで元数値がかなり上がってたし、従魔師は従魔を増やすほど数値が上がるようになっているのかもしれない。


 そして新しく得た職業スキル『従魔』は任意の魔物を従魔にするスキルで、他のスキルの効果は多分見た目通りだと思う。屈服の加護は、従魔が俺への忠誠心を高めるほど強くなるスキルらしい。

 因みに、従魔の隣に着いている▼を押すと亜神竜のステータスが出る。


 名前はまだついていないみたいで、それは追々考えるとして。ステータス自体はさっき戦ったときの凡そ10倍になっていた。

 5倍は恐らく『数値の暴力』の効果だと思うけど、残り2倍は従魔師の力なのかもしれない。


 因みに、従魔は職業Lv×10×術者の魔力量÷従魔の全ステータスの和によって決まると鑑定に書いてあった。職業Lvが最初からMAXだったためどれくらいかは解らないけど、仮に10が最大だとしたら俺は従魔の合計ステータスの和が70垓になるまで従魔に出来る。……実質無限だな。


 そんなこんなで一通り職業とステータスについて確認した俺は、色々気になっていることがあるにはあるけど。

 次に気になっているダンジョンの管理者権限について確認する。


 これについては新しく称号に増えていた『迷宮の管理者』について鑑定していけば大まかな内容が解る。

 ふむふむ。要するに、このダンジョンにあるダンジョンコアというものに魔力を注いでダンジョンポイント略してDPなるものに変換できると。

 そしてそのDPとやらは、迷宮の階層を増やしたり、モンスターを出したり、アイテムを出したりするのに使えるらしいと言うことだ。


 他に侵入者を撃退することでもDPを得られるらしいが、人間を撃退する予定はないので、これは一先ず置いておく。

 ダンジョン内を適当に弄くり始めた俺に、色々聞いて欲しいのか構って欲しいのか亜神竜がこっちを眺めてくるけど、無視して色々と見ていく。


 つまり、俺の魔力がDPで交換できる全てのものに変換できるシステムを手に入れたという訳か。これで従魔も選び放題だし、アイテムもある程度揃うのか。

 と、俺はそこでふと思いつく。


「なぁ、亜神竜。ダンジョンで出したモンスターを俺が倒すと、俺のレベルって上がるのか?」


「お、おぉ。ようやっと聞いてくれたか! うむ。残念だが、自らが生み出したモンスターは倒しても経験値にならんな。自分の一部だからな!」


 なるほど。経験値効率の良いモンスターを狩りまくって無限レベルアップ出来たら強そうだと思ったが……いや、待てよ? 自分のレベルが上がらないだけなら。


「じゃあ、俺の家族とか恋人が倒す分には経験値になるのか? なるとしたら、一番効率の良いモンスターは何?」


「そうじゃな。主殿でなければ経験値になるな! 強くしたい人でもおるのか? であれば、ゴールデンフェアリーパピヨンがおすすめじゃ。

 防御力低いし、炎で纏めて焼くか魔力で潰せば瞬殺じゃろう」


 ゴールデンフェアリーパピヨン?


 まぁ、モンスターの名前なんて殆ど解らないが。名前から察するに蝶とか蛾の類いなんだろう。俺は管理者権限で呼び出せるモンスターを軽く調べて……見つけた。ゴールデンフェアリー・パピヨン。

 調べてみると、ゴールデンフェアリーという妖精が、魔物化したものらしい。


 亜神竜の言う、防御力が低くて魔力で潰せば瞬殺というのも魅力的に思えた。


 見た目は完全に金色の蝶だった。


 俺は30階層の至る所にゴールデンフェアリーパピヨンの無限ポップ陣を設置した。上層は100レベル。最下層は999レベルのパピヨン。

 パピヨンのみが生息するこのダンジョンは最強のレベリング道場になる。


 流石に高レベルのモンスターの無限ポップ陣(一日頭50匹生成)を沢山設置したために、合計で1京DPも消費してしまった。

 おまけに、無限ポップ陣を全て起動するには毎日100億DPが必要らしい。


 コストは凄まじいが、高い魔力量と『魔力効率増強』『魔力自動回復』などのスキルによって俺の魔力の実質的な消費量はゼロに等しい。

 さて、いちかちゃんを呼んでレベリングでもしよう!!


 そんなことを思いつつ、亜神竜を手のひらサイズまで『小型化』させてからダンジョンを後にする。


「あ、主殿。その、差し支えなければ我に名前を付けて欲しいのじゃ」


 トカゲくらいに小さくなった亜神竜が俺の耳元で、そう言う。

 う~ん。確かに名前ついてないし、ずっと亜神竜と称するのもまぁ従魔師としては如何なものかとは思う。


「じゃあ、カナヘビね」


「か、かなへびとな?」


 カナヘビとは、まぁペットに人気のトカゲの亜種だ。

 小型化した亜神竜は金色であることも相まって、翼の映えたカナヘビに見えるし、それに現状亜神竜と俺のステータスの差は10倍以上ある。

 強さも、カナヘビとそう変わるまい。


 不服そうなカナヘビ(亜神竜)を尻目に、今度こそダンジョンを後にする。


 さて、レベリングのお誘いをしようかといちかちゃんを呼びに行こうと思っていたら、俺の部屋の中には既にいちかちゃんがいた。

 なにごとだろうと、のんきに考えているといちかちゃんは少し切羽詰まった様子で


「靖くん、さっきのアナウンス……どういう事なの!?」


 と聞いてくる。さっきのアナウンス……って、機械音声?

 もしかして、聞こえてた? いちかちゃんだけ? それとも……俺は何がなにやら解らぬままに、いちかちゃんに手を引かれて。


 家のリビングには、仕事に行っているはずの親父やお袋。俺の祖父母や、いちかちゃんの両親までがいて、全員が全員俺に説明を求めている目をしている。

 本当に一体どういうこと!?

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