第7話 サラたちの秘密
マリアがおばあちゃんの部屋に戻ると、ルイとおばあちゃんが顔を近づけて話しこんでいた。
「マリア、今、おばあちゃんから話を聞いてたんだ。サラのことだけど」
ルイが一度言葉を止めた。
「何?もしかして、サラは私たちと同じなの?」
「そうなんだよ。やっぱり、わかるかい?」
「うん、そうかも、と思った」
「そう、わかるんだね」
おばあちゃんがゆっくり話しはじめた。
「サラのお父さんは、マリアとルイのお父さんお母さんと同じ町に住んでいて、同じ学校の同級生なんだよ。あの星が降ってきた夜に一緒にいたんだ。星の光を浴びてみんな弱ってしまって病院に入院したけど、原因がわからないまま、だんだんみんな元気になっていった」
「1人は回復しなかったのよね」
「そう、サラのお父さんと仲が良かった女の子がね。光の力を受け止めることができなかったんだろうね」
「サラのお父さんは本当に悲しんで、一人でいることが多くなって、町を出てしまったんだ。マリアとルイのお父さんお母さんたちは、とても心配して、それで、サラのお父さんが落ち着いたこの町にみんなで来たんだよ。私も一緒にね」
「それから?」
「サラのお父さんの傷ついた心を癒してくれる女性が現れて、結婚したんだよ」
「良かった。それなら、サラはハーフね」
「ハーフ?そう、そうだね」
おばあちゃんがマリアの言葉を聞いてちょっとびっくりしながらうなずいた。
「サラはまだ力が目覚めてないんだ。僕らで守らないといけないね。サラの力はどんな力かな?」
「でもハーフよ、もしかしたらはっきりとした力ではないかもしれないわ」
「なら、ますます、守らないとね」
「うん、そうね、そうよ」
「サラのお父さんから連絡があった時は、本当にうれしかったよ。やっぱり、光を浴びた子は、普通の人とは違うから。生まれてきたら、光を浴びた子の子供たちが、とんでもない力を持っているってわかっていたしね。その事を知らずにいると、自分が他の人と違うって、自信を失うかもしれない。知らせて守ってあげたい、と思ってても、どうしてあげることもできなかったからね」
「おばあちゃんの気持ちわかるよ。僕らのこともずっと守ってくれていたよね、おばあちゃん、ありがとう」
ルイがおばあちゃんを抱き寄せて、真っ白になった髪に優しくキスをした。
マリアはおばあちゃんの手を握った。
「でも、私ってすごくない?一回会っただけでサラのことがわかるなんて。私の結婚相手はもっと雷に打たれたみたいに、この人だって、わかると思うわ」
マリアが嬉しそうにしているのを見て、おばあちゃんとルイが笑った。
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