第13話
「へぇ……10年前に再会を約束した女の子と、10年後に同じ場所で再会をして、さらに親から同棲公認済み………なるほど、確かに嫁だな」
「でしょ?」
「ち、違います!まだです!」
通学路、学校にいく途中で、こーくんに俺達の馴れ初めを話す。話を聞いている時のこーくんは、ほーとか、うんうん、とかめちゃくちゃ頷いていた。
「聞けば聞くほど、お前たちの再会までの流れがロマンチックに思えてくるな………運命てか?」
「いやー、きっとそっすねー。神様が繋いでくれた運命の赤い糸が俺との狐白の指を結んでるんすよ」
「も、もう!透くん!恥ずかしいからいい加減にして!」
と、恥ずかしくなった狐白は、顔を真っ赤にさせて俺の胸をポカポカと叩いてくる。はっはっは。そんなの全然痛くないし、むしろ可愛さが増しているぞこのこのー。
「よしよし、狐白は可愛いなぁもう………まじ好き」
「にゃ……もう、すぐそんなに可愛いとか言うんだから………」
猫やんけ……………。何さっきのにゃ、ってめっちゃ可愛かったんですけど。
あれ?確かキツネってネコ目イヌ科なんだよな?じゃあキツネってネコ……あれ?でもイヌ科ともあるしな………。
まぁどっちでもいいや(極論)。可愛いは正義だし。
「………そういえば、なんでこーくんって学校行ってるんすか?」
「ん?」
今更だけど、入学式って2、3年は参加しないんじゃない?
「あぁ、俺、これでも一応生徒会入ってんのよ」
「え?生徒会?」
「おぉ。生徒会は入学式に出なきゃいけないんでな」
「へぇー……ぶっちゃけ意外……でもないな、別に」
こーくんって人纏めるのすげー上手かったし、人とすぐ仲良くなれるし、優しいしな。まぁある意味納得だわ。
「そうか?俺的には意外だと思うんだが」
「いやいや、絶対周りからも、『あぁ?別に……意外でもないな』的な反応されたでしょ?」
「おう。めっちゃされた」
でしょ?やっぱりこーくんは昔から変わってないのよ。
と、話していたら高校まで着いちゃったな……時間が経つの早い。
「それじゃ、俺は体育館の方だから、ここでお別れだな。クラス表は見ればわかると思うが、あそこだから」
と、こーくんが指さした先を見ると、確かに玄関口前にたくさんの生徒が集まっているのが見える。
「分かった。ありがとう、こーくん」
「ありがとうございました」
「おう、また後でな。俺の知り合いにもお前が帰ってきたって伝えとくわ」
………え?あの人たちまだこの街に残ってたの?
と、こーくんから昔一緒に遊んでいた年上たちの存在を教えられ、また少し嬉しくなった。
………そっか。まだいるんだ。
「透くん、行こう?」
「あぁ、同じクラスになれるといいな」
「それは……大丈夫なんじゃないかな……」
「…………あー」
一瞬、なぜ?と思ったが、絶対お義父さんが何かしてる。100パーセント同じクラスになるようにやってる。
と、思いつつクラス表を眺める。
「………あれ?そういえば狐白の苗字どうなってるーーーーー」
「えっと、一応稲荷ってことにーーーー」
言葉が止まった。名前はあった。同じクラスのところにちゃんと、上から狐白、透と書かれている。
しかしーーーーどうして名字が一緒なんですか……?
クラス表には、浜崎狐白と、浜崎透と表示されていた。
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カクヨムコンに現在、私の作品を三つ応募しています。
まず、カクヨムコンの方に、『声しか知らない嫁さんと本当に付き合う』と、『死霊術師ネクロマンサーってそうじゃねぇだろ』
そして、短編の方に『隣の家の不思議なシスターと不思議な関係』を応募しております。
さらに、短編の方へ『結婚しよう、メイドさん』という勢い100パーセントで書いた短編を投稿しました。宜しければそちらも応援をよろしくお願いします。
応援の方、よろしくお願いします。ついでに、この作品のフォローと星評価三つもよろしくお願いします。
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