第12話

 10時30分くらいに、早めの昼食を取り、学校へと向かう。入学式は13時からで、新入生は12時には集まっていないといけないので、学校へと向かった。


 このマンションから学校まで、歩いて約20分くらいの位置にあり、同じマンションを借りている学生もおり、ちらほらとエントランスには同じ制服を着た学生達の姿が見える。


「……以外と同じマンションに住んでいる人いるんだね」


 と、隣にいる狐白がポソリと呟く。家を出てから、途中までは俺の腕を抱きしめていたのだが、たまたまエレベーターで一緒になった、同じマンションに住んでいる奥様方から、めちゃくちゃ生暖かい視線を貰ってからは、こうして、手で繋いでいるだけにしている………が、時たまこちらにチラチラと視線を寄越しているそこの学生。


 見た瞬間に狐白の顔を二度見するな。見世物じゃねぇんだぞコノヤロウ。


「まぁ、このマンションは学校からも近いし、家賃も学生だったら安くなるというのがあるからな」


 俺もその理由でこのマンションに決めたし。


 よく、一人暮らし系の小説とかで、お隣さんが学校でも美少女と呼ばれる人とのラブコメとかが始まるが、俺に至っては既に同棲(お義父さん公認)なので、関係がない。


 マンションから出ようとすると、後ろから声がかかった。


「……あれ?もしかして……お前、徹か!?」


「………ん?」


 何やら俺の名前を呼んでるっぽいので、後ろを振り向くと、そこにはこちらを指さしている同じ制服の男がいた。


 ……………誰?


「おまっ!俺だよ!俺!当時、隣に住んでいた『こーくん』だぞ!」


 ………こーくん?……こーくん……んあ!?


「もしかしてこーくん!?」


「おう!久しぶりだな!透!」


 こーくんこと、掛八康太かけはちこうた。俺が引っ越す前まで隣に住んでいた、面倒見のいい兄ちゃん的存在。


 狐白と遊んでいない日は、大体こーくんに連れ回され、よくこの街を走っていたものである。


 兄的存在であるため、年齢は一つ上。なので、先輩にあたる。


「こんな所でーーーしかも、同じマンションに住んでいるなんて思いませんでした」


「やめろよ、その敬語。昔みたいにタメでもいいんだぜ?」


 感極まった俺たちは、お互いに近寄り、握手をする。握った手は、どこか懐かしさを覚えるサイズだった。


「いやぁ、ほんと久しぶりだな……積もる話もあるがーーーーその前に」


「うおっ!?」


 こーくんに肩に手を回され、狐白に背を向けるようにして、何やらボソボソと喋る。


「そんでよ、透………あのめちゃくちゃかわい子ちゃんは誰よ」


「え……あー……」


 チラリ、と後ろを見ると、こてん、と首を傾げている狐白がいる。


 俺は、こーくんの腕を解いてから狐白の元へ向かい、こーくんをちょいちょいと手招きする。


「狐白、紹介するよ。こちら、俺の兄貴分にあたる、こーくんこと、掛八康太さんだ」


「初めまして」


「おう、初めまして」


「そして、こーくんこっちが、俺のーーーーーーーー嫁です!」


「嫁っ!?」


「まっ、まだ違います!!」




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 カクヨムコンに現在、私の作品を三つ応募しています。


 まず、カクヨムコンの方に、『声しか知らない嫁さんと本当に付き合う』と、『死霊術師ネクロマンサーってそうじゃねぇだろ』


 そして、短編の方に『隣の家の不思議なシスターと不思議な関係』を応募しております。


 それと、新しく短編の方に、『結婚しよう、メイドさん』を投稿しています。


 応援の方、よろしくお願いします。ついでに、この作品のフォローと星評価三つもよろしくお願いします。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る