第10話

「え……?これ、神通紙……」


 ポソッ、と狐白が呟いた。神通紙?なにそれ。


 ーーーーー二人でイチャついてる所ごめんね?ちょっと言い忘れてたことがあったからこうして連絡させてもらったよ。


「い、イチャつく……」


 狐白の顔が少し赤くなる。まぁさっきまでめちゃくちゃイチャついてたもんね。


 とまぁ一旦可愛い狐白については、後で構い倒すとして………言い忘れたことってなんぞや?


 ーーーーー透くんと狐白が同棲するにあたって、一番大事なことを忘れてたんだけど


 一番大事なこと?二人揃って首を傾げた。


 ーーーーーお金の事なんだけど


「「………あ」」


 あぁ……お金ね……うんうん。お金お金……あれ?これめっちゃ大事な事じゃね?


 ここで一人暮らしをするにあたって、俺はバイトでもしようかと思ってたんだけど……狐白もいたから簡単に言えば食費の方に問題があるのか………。


 ーーーーーとりあえず、君たちには私から30万円ほど渡すから、お小遣いとして


「さんじゅっ!?」


 口から変な声が出た。


 ……まって?30万?なんで?そんなに?


 ーーーー………おや?足りなかったかい?


「いやいやいやいやいや」


 ちゃうんです。多すぎるんですよお義父さん。


「………?何かこの値段で問題あるの?」


「おっと狐白ちゃん?」


 あのね?一高校生に30万ってめちゃくちゃ大金なのよ?分かる?そんなに貰っても罪悪感なんかパネェんだけど。


 ーーーーーあ、もしかして、我々の金銭事情の方を気にしているのかい?


 はい。めっちゃ気になってます。


 ーーーーー透くん。稲荷神社は全国各地にあるんだ。毎日何千、何万の人が私達にお賽銭をくれるんだよ。だからそっちの心配はしなくてもいいんだよ?


「………あ」


 ーーーーーだから、とりあえずは30万。月初めにお小遣いとして渡すから覚えておいてね。


 の文が終わると、神通紙は、青色の炎によって焼かれ、その後に俺の手元には諭吉さんが「やぁ」と顔をのぞかせている。


「………諭吉さんが1人……諭吉さんが2人……」


 震える指で札束を数える。きっちりと最後まで数え終わり、ちゃんとそこには30人の諭吉さんがいました。


「…………神、恐るべし」


 とりあえず急いでATMに預けてきました。通帳作ってて良かった……。











「そう言えば………」


「んー?」


 完全にダンボール掃除も終わり、今度は狐白な要望として、膝枕して欲しいと言われたので、膝に頭を乗っけている狐白に問うた。


「さっきのあの紙ーーー神通紙って言ったっけ?あれ何?」


「あぁ。あれはねーーーーー」


 狐白がいうには、あれはお義父さんが心で思ったことを紙に浮かび上がらせることが出来るというーーーまぁメールみたいなものだった。メールと違いリアルタイムで交信はできるようだが。


「へぇ……なんか凄いな神様たちのいる世界って」


「知ってると思うけど、高天原って言うんだけど……んっ……ちょっと、耳はダメっ……」


「あ、すまん………」




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 カクヨムコンに現在、私の作品を三つ応募しています。


 まず、カクヨムコンの方に、『声しか知らない嫁さんと本当に付き合う』と、『死霊術師ネクロマンサーってそうじゃねぇだろ』


 そして、短編の方に『隣の家の不思議なシスターと不思議な関係』を応募しております。


 応援の方、よろしくお願いします。ついでに、この作品のフォローと星評価三つもよろしくお願いします。


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