第9話 その後
ぱっと、目が覚めた。俺は起き上がると、
「あら、もう起きちゃった?和樹くん」
雪森さんがソファーに座りながら、言ってきた。
「ご、ごめんなさい、僕、雪森さんの膝に寝てしまって、、」
美人のお姉さんの膝に泣きながら、寝てたなんて恥ずかしすぎる、、
「全然大丈夫だよ、30分くらいしか寝てなかったし、和樹くんの寝顔、可愛かったよ」
と、嬉しいそうに言うわれた。
「か、可愛いって、、」
「あー、赤くなった。本当に可愛いなぁ」
俺はもっと顔が赤くなるの感じ、目を逸らすと、
「和樹くん、なんか辛い事でもあった?お姉さんが聞いてあげるよ?」
本当に俺の事が心配そうに、なのに、優しい口調で雪森さんは聞いてきた。
「え、えっと、実は、」
俺はこの人だったら、話してもいい、いや、この人に話したいと思い、俺が今まで感じた事や大学でのことを彼女に話した。彼女はただ、黙って、聞いていてくれた。
「という話ですーーーッ」
長々と話して、やっと終わったと思ったら、雪森さんがいきなり抱きついてきた。さっきよりも強く。
「ゆ、雪森さん?!どうしたんですか?!」
「よしよし、辛かったね。これからはお姉さんになんでも話してね?私にだけ甘えたっていいんだよ?」
その言葉を聞いて、また力が抜け、ただ、彼女に身を任せていた。
「もう、大丈夫?」
「は、はい。ありがとうございます」
数分、抱きしめられ、落ち着いたところで彼女が離してくれた。
「じゃ、私はもう帰るけど、和樹くんはライン、持ってる?」
「はい、持ってますけど」
「じゃ、交換しよっか?これから毎日、和樹くんを甘やかすために家に来るし♡」
「あ、いいですよ、、ってえ?」
毎日、家に来る?どういう事?雪森さんが?
「家に来るって?、、」
「だから、私が毎日、和樹くんの家に来て、ご飯作ってあげたり、癒してあげたり、とにかく、甘やかしてあげるって事!」
「いや、それはちょっと、、そんなに迷惑かけるわけには、、」
嘘だ。本当はめちゃくちゃ来て欲しい。雪森さんみたいな美人に甘やかされるなんて、夢かよ、って話だ。まあ、それもあるが、雪森さんといると落ち着くし、心が安らぐ。これからも仲良くしたい。
「いいのいいの、ご飯作るの好きだし、和樹くんのためなら、全然迷惑じゃないよ!」
「は、はあ、、」
と言われ、ラインを交換して、彼女がもう帰るとのことで、玄関まで来た。
「じゃ、また、明日ね。和樹くん」
「はい、おやすみなさい。雪森さん」
「一人で寝れる?お姉さんが添い寝してあげようか?」
「だ、大丈夫ですよ!」
「そっか、添い寝はまた、今度ね。おやすみ♡」
そう言い残し、雪森さんは帰っていった。まぁ、すぐ隣だけどね。
「はあ、疲れたし、もう寝よう」
と言い、ベットにダイブする、俺。雪森さんに色々慰めてもらったおかげか、すぐに眠気が来て、一人じゃないんだ、という安心感に包まれながら、俺は寝てしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます