第8話 雨宿り(3)
びしょ濡れの赤いカクテルドレスのリサを着替えさせる為、勇はデリヘル嬢を呼び出してその服を借りた後、リサの服を2人で買いに行くという名案を思い付いた。だが、デリヘル嬢の体型がリサに近くないといけないし、最低限丈があわないとNGだ。
この「第三ホテル東京」はそこそこ格式高いホテルなのだが、ホテルによってはデリヘル嬢を呼び出せない所も存在する。その事を勇は承知している。なので、「勇の友人」という体でこの「1201」室に来てもらう事にして口裏も合わせることにした。
「えーっと、この辺で近いデリヘルは、と」
勇は自分のスマホを取り出し検索し始めた。 虎ノ門は東京でも中心街であるから、新宿や池袋などと違いデリヘル店が近場に無いのでは?と思っていた。呼び出し場所が遠いとそれだけ「交通費」なるものが加算される。
「シャワー浴びて来ます」
そう言うと、リサは浴室へと向かう。
「ああ」
勇はスマホをいじりながら生返事した。
「結構あるもんだな」
デルヘル店を検索していると意外にも虎ノ門周辺で検索しても近場に数件存在するようだ。しかし、日本人の嬢ばかりで体格が大きいかどうかは検索だけでは不確定である。
「うーん、少し遠くても外人さんのお店を探すか」
この近辺で外人さんのキャストの店があるか検索した。一番にヒットしたのは「国際援助機構(IAO)」なる店だ。
「ネーミングにセンスを感じるな。ここにするか」
外務省勤務の勇にとってスルー出来ない店名だ。しかし、この店は五反田にある。少し距離はあるものの、自分で個人的に嬢を呼ぶ訳では無いし今回は何よりも「体格」が問題になる。
触れ込みを見ると、やはり外人さんのキャストが殆どの様だ。個人プロフをチェックする。身長、体重、年齢等の情報が書いてある。総じて体格がいい様だ。
「ん?」
ひと際勇の目を引く外人さんが居た。
「なになに、お名前が「レディ・カカ」になっている。いかにも如何わしいな。身長170cm、体重秘密、年齢秘密、B90 W85 H85 」とある。写真で見ると顔ははっきり分からないが、体型はご立派である事は分かった。恐らく北米系の嬢の様だ。
「このお嬢様は秘密ばっかだな。でも一番背が高いし体型も大きいみたいだ。体重や年齢はこの際関係ないからこの娘にしよう」
そう言うと、勇は早速「国際援助機構」なるデリヘルに電話した。
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