第5話破滅への狼煙

こうして平和になった魔界を、今日もキングサーモンはその美味たる身で泳いで


「はははっ! とうとう転生を果たしたぞ、馬鹿共め!!」


いるばかりではいられなくなったのでした。


腐っても怠惰でもバカでもへっぽこでも、サタンはサタン。

長い時間をかけて奴はとうとう転生してしまったのです。


キングデーモンに。





「弱い…弱すぎるなぁ!我が足元にも及ばぬぞ?

いや。我が強すぎるのか?

はははははっ!!!」


自力で転生してしまったキングデーモン、もといサタン。その力は大地さえ揺るがすほどのものだったため、本人は宙に浮くという余裕を見せつける始末でした。

まともに立ってさえいられない王たちは誰もが膝をつきながら歯を噛み締めます。


「あんな奴に、俺たちはまた従わなければならんのか…?!」

奴だけは認めてはならないと本能が訴えます。前世の二の舞だけは踏んではならないと。

今度こそ、自分達の手で魔界を守らなければいけないのだと。


「力が!力が欲しい!

新たな力が…魔界を救うことのできる力が!」

キングサーモンは叫びました。

「キングサーモン…」

キンググリズリーは怪我をおったそキングサーモンを美味しそうな目で見つめます。


「我こそが最強だ!!」

キングデーモンは勝利を確信し嗤います。

しかし、その時。

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