同族嫌悪〔ユウラ、ナバ〕

ナ「ユウラ先輩、どうも」


ユ「またあんた? ずいぶん暇そうね」


ナ「また、とはご挨拶っすね。どうっすかユウラ先輩。オレと一緒に今夜食事でも。奢りますよ」


ユ「悪いけど今夜は夜番よ」


ナ「夜番じゃなければ付き合ってくれたんですか?」


ユ「まさか」


ナ「ですよねー。いいじゃないですか、一回くらい付き合ってくれたって。ユウラ先輩みたいな美女を連れて歩くのは、男の夢なんですって」


ユ「そうね、ならあたしに勝てたらいいわよ」


ナ「見込みねー」


ユ「よく分かってるわね」


ナ「やっぱまだ仕事は忙しいんすか?」


ユ「それなりに忙しいわ。特に誰かさんが無茶しないように見張ってたりするのがね」


ナ「副長は相変わらずなんですね」


ユ「あんたはどうなの?」


ナ「オレの方も相変わらずっすよ。フィレネ副長は地獄耳で困ってます」


ユ「怒られるようなことしなきゃいいでしょ」


ナ「そうも行かないんすよね。かわいい子見かけると脊髄反射で」


ユ「あんたの女好きはもう病気みたいなものね」


ナ「光栄ですよ」


ユ「褒めてないわよ。フィレネ副長も大変ね」


ナ「減給くらいでめげてるんじゃ、男が廃りますしね」


ユ「よく思うんだけど、あんたとセトを足して割ったらちょうどいいんでしょうね」


ナ「オレとセト副長の合成とか、最強じゃないっすか。大陸中の美女が放っておきませんね」


ユ「そういう意味で言ったんじゃないわよ……あんたはもう、ほんと、男版リイザって感じだわ」


ナ「あー、アレと一緒にされるのは勘弁っす」


ユ「リイザも同じこと言ってたわ。同族嫌悪ってまさにこういうことなのね」

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