お小遣いください〔セト、ナバ〕
ナ「セト副長ー」
セ「ナバか。元気そうだな」
ナ「それが全然元気じゃねーんですって」
セ「また減給でも食らったのか?」
ナ「さすが、正解っす。八分の一ですよ? これじゃ美女とデートの一つもできやしねー」
セ「お前もフィレネ副長の目の届かないところでするとか、もうちょっと考えればいいのにさ。懲りないよな」
ナ「セト副長の下なら良かったのになー。ちょっとくらい見逃してくれますよね」
セ「『ちょっとくらい』ならな。じゃあ北に来いよ。歓迎するけど?」
ナ「そうしたいのは山々なんすけど、フィレネ副長に撲殺されそうなんでやめときます」
セ「そりゃ残念。で、用があるんだろ?」
ナ「いやその、ちょっとばかり金貸してもらえねーかなーとか」
セ「それならいちいち確認取らなくても、東がオレ名義で出してくれてる給金好きに遣えって。いらないって言ってるのに、オルジェ支部長は几帳面だよな」
ナ「副長は本当に甘いっすよね。部下皆にそうなんすか? いつか痛い目見ますよ」
セ「お前のことは信頼してるし」
ナ「なんか耳と心が痛いような気がするんですけど」
セ「気のせいだ。ま、そう思うなら女遊びはほどほどにな。フィレネ副長も早く身を落ち着けて欲しいって言ってたし」
ナ「無理っすよ。こんな労働条件じゃ、彼女作ってもほったらかしにしちまって、すぐ振られるんすよね」
セ「それならいっそフィレネ副長口説いてみたらどうだ?」
ナ「オレに死ねっつうんですか……何笑ってるんですか」
セ「悪い悪い。とりあえずそう言うことだから、好きに遣えよ」
ナ「恩に着ます。代わりにかわいい子紹介しますよ。副長に惚れたって後輩がいるんすよ」
セ「それは遠慮しとく」
ナ「またっすか? 副長が好きそうな子だと思うんだけどなー」
セ「知っての通り、忙しいしさ」
ナ「副長もたまには息抜いたほうがいいですよ」
セ「いつか手が空いたらそうするよ。じゃ、また後でな。お疲れ」
ナ「お疲れさまです。あーあ、オレが副長なら女の子日替わりで侍らすのに、もったいねーなー」
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