僕と魔女のまるで謎かけのような会話から物語は始まる。魔女はいつだって僕の心にさざなみを立てる。僕に起こる変化はやがて、関わる人にも変化を起こし、次々と明示される謎を解き明かす力となっていく。そして僕は次第に小さな気づきを得る。つながりを持つ事に積極的になった僕が得た気づきとは?全ては一本の糸でつながっており、ラストに向けて収束してゆく。繊細で美しい文章でつづられる愛の劇場。衝撃の結末はあなた自身で見届けて欲しい。
「僕」はあの日、森で出会った。その「魔女」はとても謎めいていて、探求心を興味を擽ってくる。また会いたい、その気持ちが「僕」を突き動かし、物語は家族を巻き込みながら謎と真実に突き進んでいく……。SFチックな物語構成に等身大の主人公。短編ドラマのように進む物語は、次第に明かされる過去と真実によって更に深みを増す。そこで知る家族の絆、親子の愛。結末に向けての怒涛の展開は、最後の最後まで目が離せない。