第50話 めたもるふぉ~ぜ
再びトボトボとキャンプファイヤーの前に戻って体育座りで星を眺めながら、ぶどうをポツポツと食べている夏男。
女子コテージでは皆が集まってクレープパーティである。
「ドアの叩き方に異常性を感じましたわ」
「昔、あんな映画を観たことがあったわ…ストーカーって、自覚がないらしいから」
「ん」
冬華が小太郎にクレープを差し出す。
「ありがと…何これ?」
「キムチと塩辛」
「日韓交流クレープだね」
複雑ながらギリな感じが緊張感を産む国交問題を考えさせられるクレープでした、小太郎。
たまに斬新な創作クレープを挟みつつ、ストーカーとは何ぞやという話題を中心に時間は過ぎていきました。
キキキッ…ゴンッ…
コテージの外から不穏な音が…
「夏男か?」
「二階堂くん、また新手のコミュニケーションを編み出したかしら…」
「でしたら駆逐しなければなりませんわ‼ 幸いここにボーガンが」
「殺傷能力の高いものをチョイスしてきますね、春奈先輩」
「小太郎くんも、ククリナイフですわね」
「はい…もういいかなって、テヘッ」
「冬華はコレで」
小さな体に巨大な斧を担いでいる。
「ハハハ、ゾンビにすら、なれそうにもないレベルの死を予感させるな」
ドアをバンッと開ける秋季
「ゴッドイーター‼」
ポクッ…
「ん?」
カタカタカタカタ…
「痩せたな夏男?」
「違います…それ…骨です」
「ほぅ…どういうことだ小太郎?」
「解りません」
「まぁ、初めて見ましたわ」
「スケルトンです‼ 冬華知ってます‼ 骨です‼」
「そうね…なぜか動く骨ね…古典物理って矛盾だらけだから…」
「フハハハハ…恐れおののけ、股からお毛け‼」
マントを羽織った二階堂・魔人・夏男
「魔人・加藤じゃねぇ…二階堂、ここにスケルトンを召喚せり‼ 帝都を壊滅せん‼」
「おい小太郎…あの軍服の魔人はキャンプ場で何を言っているのだ?」
「解りません…この短時間に何があったのやら」
「まぁ、どうあれ、迷惑な事態には変わりがありませんわ、帝都がどうのとかおっしゃってますから、この場で始末をつけましてよ」
バシュッ‼
ガインッ‼
魔人・二階堂を囲むスケルトン達が盾となってボーガンの矢を弾く。
「あらっ、小賢しい」
(躊躇なく撃ったな~春奈先輩)
「フハハハ、効かんなぁ~、我がスケルトン軍団は無限に増え続けるぞ、貴様らー‼すべての女子でヘブン・二階堂王国を創る‼ その第一歩を今、この地で踏み出す‼」
「夏男のヤツ、建国を宣言したぞ」
「生徒の暴走を止めるのも教師の役目‼ あのチープな野望を踏み砕いてしまいなさい‼」
「冬華‼ 行きま~す‼」
ココに後のカレイド高校に語り継がれる『二階堂の乱』が勃発したのである。
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