第8話 over extended. ネオンライトの中で
「よっぱらったあ」
「マリッジカクテル、たくさん呑んだね」
「いいきぶんです。いいきぶん」
「まっすぐ歩けないぐらいだねえ」
「かたをかしてね?」
「はい。どうぞ」
ふたりで、歩く。
「いいけしきだねえ」
「景色?」
「ネオンの灯りも、星空も。きれいだなあ」
「そうだな」
「きすして」
「公衆の面前ですが」
「だれもいませえん」
「そうですか。じゃあ、少しだけですよ」
キス。
「おさけくさいなあ」
「おさけのんだもんっ」
「さあ。帰ろう」
「わたしのいえ。泊まっていってね?」
「まじかよ。いきなりお泊まりか」
「もう。はなさない。だめ。いっしょにいる。しんじゃだめ。しんじゃ、だめ」
彼女。くっついて、離れようとしない。
そのまま、ひきずるように歩いた。
星空と、ネオンの灯り。
それに呼応するように。
彼女の薬指。指輪が光る。
マリッジカクテル、 ネオンライトの中で 春嵐 @aiot3110
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