第3話 エロゲはつまり弟のものだと主張する
「長谷川君」
「.....な、何でしょうか」
昼休み教室にて。
俺は中島に話し掛けられた。
教室中の男子と女子達が、え?、的な目をしている。
焼きそばパン食っていた竜彦まで目をパチクリして丸くしている。
そんな竜彦だが容姿は短髪にかなり顔立ちが整っている。
イケメンと言えるかもしれないな。
それから身長170センチで中肉中背で。
それなりに運動が出来て勉強は出来ない感じだが.....。
ってかまあそれは良いんだが。
まあそりゃそうだろうな。
俺と中島はそんなに親密な関係では無いし教室で話し掛けられる。
それはこれが初めてじゃ無いだろうか。
「な、何でしょうか」
「.....外に出てきてくれないかな」
「.....え?.....うぉ!?」
腕を掴まれた。
そして外に引っ張り出される。
竜彦たちはあっけに取られていた。
その中で何処に行くつもりだ。
思いながら俺は中島に慌てて聞いた。
「ちょっと待て。何処に行くつもりだよ!?」
「屋上だけど」
「屋上だけど、じゃねーよ!?何でいきなり!」
「.....聞きたい事が有るけど屋上じゃ無いとマズいから」
は?マズイ事!?
冗談じゃねーよ!?これ以上何だよ!?
俺は青ざめながらそのまま開放感のある改装したての白いペンキの塗られた屋上に引っ張り出され。
そのまま鍵が掛けられる。
嘘だろ何がしたいんだよ!?
「.....ふう。さて.....」
「.....あの。何がしたいのかな?」
俺は顔を引き攣らせながら聞いてみる。
すると中島は息を吸い込んでから俺を見てきた。
目をギラッと輝かせて、だ。
睨むように、である。
「エロゲの趣味とかじゃ無いから。私は」
「.....え?あ、ああ」
「.....私の弟のだから!いい!?」
「.....いや、それって駄目じゃねーか。弟のってお前より若いって事だろ!?」
ハッと唖然とする中島。
そして青ざめる。
いや、嘘は良いから。
もう開放してくれないかな。
中島と二人っきりって何かマズいんだよ色々と。
「.....嘘じゃないもん」
「.....嘘だと思うんだが」
「違うもん!私は変態じゃないもん!」
ポコポコとアニメキャラの様に叩いてくる中島。
俺は、いやー.....、的な感じで見つめる。
無理があるってば。
考えながら、だ。
「変態じゃないから!」
「.....そうか。分かった」
「.....本当に分かった?.....私が死んじゃうから」
「.....」
取り敢えず分かった。
変態だって事だな。
俺は納得しながら.....そのまま、じゃあ戻るぞ、と鍵を持つ。
曖昧ながらも中島は了承する。
それから開けた。
「でも女子でエロゲって結構買うの勇気が要ると思うぞ」
「.....私はたまたまだもん」
「.....はいはい。分かりました」
俺はため息交じりにそのままドアを開けてそれから階段を下りて教室に戻る。
すると噂が飛び交っていた。
それから代表した様に竜彦が寄って来る。
ニヤニヤしながら、だ。
「どうしたんだよお前。もしかして中島に告られた?」
「.....違う。それよりももっと厄介だけどな」
「え?」
「.....違うからな。それは。告白じゃない」
そもそもそんな良い事じゃない。
何で俺はこんな目に遭っているのか。
思いつつ盛大に再び溜息を吐いた。
それから.....窓から外を見ると。
「長谷川君」
「.....?」
いきなり赤毛の女の子に話し掛けられた。
顔立ちが幼いながらも可愛い少女だ。
前髪の一部を結っている。
それから赤面をしていて身長も低いが胸が.....大きい。
ってか。
俺と竜彦は?を浮かべて見る。
その女の子はモジモジしながら俺を見ていた。
確か山城だっけかコイツ。
何だ?
「本当にその、中島さんから告白?」
「.....は?いや、違うよ。告白じゃない」
「.....良かった」
「.....え?」
それだけ言い残して。
女子達のまるで動物の群れの様な群れに戻る山城。
俺は???を浮かべながら竜彦を見る。
竜彦も首を傾げている。
いや、ちょっと待てどういう意味だ?
「竜彦。どういう意味だ」
「俺が知るかよ。お前、モテ期じゃないのか?」
「.....うーん。そんなにモテる何かが有るのか?俺」
すると背後から小突かれた。
見ると中島が居る。
中島は俺をジト目で見ていた。
何しているの、的な感じで、だ。
「.....何もしてねぇよ」
「.....本当に?バラさないでね」
「.....しつこいな。しないって」
ふーん、的な感じでプイッとしながら俺の横を見ながら。
そのまま女子の別の群れに入って行く。
俺は、ハァ、とまた溜息を吐きながら.....外を見る。
というか何でこんな胸を無駄にモヤモヤさせなければいけないのだ。
面倒臭いな.....。
「ってかお前じゃあなんの話を中島としていたんだよ」
「すまんが話せない」
「は?」
「.....良いから。チャイム鳴るしよ」
何だよマジに意味が分からん。
的な感じで眉を顰めつつ席に戻る竜彦。
それを見送りながら額に手を添える。
俺の学校生活.....何だか不安定になりそうだ。
と、だ。
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