第18話 ボーンの領主
次の日、ハリー達はヨカッター商会の会頭室にいる。
ヨカッター商会のエギル会頭に会うためである。
「パパ。この部屋すごく大きいの。」
「パパ。このソファ、すごく柔らかいのですです。」
はしゃぐ子供二人。
「フィルちゃんとグリンちゃん。大人しく座って居なさい!」
リリが子供二人に説教を開始すると、
「「イセッサー。マム!」」
子供二人は背筋をピンとして座っているのだった。
「よろしい。そのままだよ? いい、二人とも。」
「「イエッサー。マム!」」
....おーい。いつの間に軍隊になっているのだ?....
ハリーはそう心で呟くと扉が開いてエギルが入って来たのだった。
「すいません。ハリーさん達。遅くなりました。」
「おじさん。遅刻したらママの魔法で黒焦げになるよ。」
「おじさん。遅刻したらママが氷結されるのです。」
エギルは苦笑いをし始めると、
「二人とも、なんでママがエギルさんにそういうのしないと行けないのよ?」
「「だって~。パパにしたからだよ!」」
コーラス見たいに返事をする子供二人。
あのなあ。人前にで家族の黒歴史を語るな!って思うハリー達であった。
「パパはいつも遅刻しているもん。」
「そうです。遅刻していますです。」
「おい。二人ともそれは違うぞ? 遅刻はママだ。俺は遅刻を指摘したら、逆ギレて魔法攻撃されたのだ!」
「「ママ。怖い(です。)。」」
ドン引きする子供二人。
「貴方達、言う事聞かないとワカルヨネ?」
リリが阿修羅の顔で言うと
「「「イセッサー!」」」
ハリー他子供二人が合唱する。
「よろしい。それでエギルさん。ご相談って何かしら?」
「....は! そうでした。ご相談とは..。」
エギルはそう言って相談の内容を説明して行ったのだった。
相談の内容は、商業都市ボーンには三大商会がある。その内一つはエギル=ヨカッターのヨカッター商会で対抗が領主ブータン=ゲスコインが会頭のゲスコイン商会、最後の一つが商業都市ボーンが出来た時からある老舗チェリー商会。
この三大商会中心にボーンの経済を回しているのだった。
「10年前、元領主のロベルト=ボーン男爵がお亡くなりになって、しかも跡継ぎの男子がいない為、王都からブータン=ゲスコイン男爵が此処の領主となった途端にゲスコインが経営しているゲスコイン商会がボーン商業組合の会長に無理やりなって物価を上げているのです。しかも住民税は別としてです。」
「それで?」
「領主ゲスコイン男爵が領主と組合の会長を兼務して多額な税を絞り上げているのですよ。組合数が30だったところが今は私の所入れて3件になっているのです。」
「それで?」
「老舗のチェリー商会を買収しようとしているのですよ。ゲスコイン商会は物価が高く領主派の貴族は安く買い物出来るけど、一般領民には通常の2倍で販売しているのです。私の商会は税金が高くても、通常価格で販売しているのですが、チェリー商会の方は赤字が多くて後2週間しか持たないのです。」
「ゲスコインの狙いは?」
「チェリー商会の会頭で前の領主の娘さんであるローズ=チェリー=ボーンさんを奥さんとして狙っているのです。あいつは買収してローズさんを妻にしようとしているのです。」
「ローズさんの方は?」
「赤字が白金貨で約1億枚なので返す当てもなく、恐らく軍門に下ってしまうかも知れません....。私が何とかしたいのですが、さすがに白金貨1億枚は無理なのです...。」
「それで、俺達は何をすればいいのか?」
「それは...ゲスコインの悪事を調査して欲しいのです。ゲスコインは王子の庇護を受けて甘い汁を吸っているのです。そのお陰で此処ボーンは貧富の差が激しいのです。職を失った領民は全て借金だらけで払えない領民は若い女性を領主ゲスコインに差し出しているのです....。」
「本当にゲスだな。」
「マジでゲスだわ。」
「キモイよ。」
「キモすぎるですです。」
「その王子は?」
「第二王子様です。」
「「「「あのブタ!」」」」
ハリー達は合唱した。
「ブタ王子が後ろ盾になっているので手出しが出来ない状況なのです。」
「そのブタ王子の件は問題ないぞ?」
「どうしてですが?」
「一般市民に落ちて今一般兵の訓練をしているはずだ。」
「えええええええええええええええええええ!」
「知らなかったの?」
「はい.......。」
「後はゲスコインの悪事を暴くだけだな。 エギルさん。ゲスコインの件は俺達に任せてくれないか?」
「いいのですか?」
「問題ないよ。それよりチェリー商会の会頭に会いたいのだけど?」
「それは問題ありません。本日は商会にいるはずです。これを見せたら会頭に会えますよ。」
エギルは紹介状を用意していたのだった。
紹介状を貰ったハリー達はローズ=チェリー=ボーンに話を聞くためにチェリー商会に向うのだった。
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