第11話 フェンリルのフェル

次の日、ハリー一家は魔の森にいる。


「グリン。フェルの気配は分かるか?」


「うん。分かるよパパ。」


「グリンちゃん。そこまで案内頼むね。」


「イエッサーマム!」


おーいいつの間にか軍隊になっているぞっと思うハリーを無視してグリンは魔の森の奥まで進んで行く。すると大きな湖が目の前見えていた。

「パパ。この辺りだよ。今寝ているよ?」


「おー。いたいた。あいつは寝ると5年ぐらい起きないからなあ。リリ。氷の塊をあいつの頭の上から落としてくれ。」


「大丈夫なの? そんなことして?」


「ママ。大丈夫だよ。フェルは頭は硬いし、近くに行って起こすと嵐でこっちが吹き飛ばされるよ。前に起こそうとして100キロまで飛ばされたよ。」


「マジっすか?」


「「マジっす」」


「それでは行きますよ!『アイスストーン』」


リリはフィルの頭に向かって氷の塊を落とす。

フィルはビックリして、


「ほえ?」


「おい起きろ! バカ狼!」


「起きなさい。フィルちゃん。」


「うーん。あー。パパだああああ!」

フィルは叫び出した後、フィルの身体が光って何と人間の姿になっていく。

その姿は白銀のツインテールで眼はアイスブルーの歳は12ぐらいの美少女になってハリーに飛び付いた。(胸がデカイ。)


「パパ。ボク寂しかったよです。」


「フィルちゃん。お久し振り。」


「グリンちゃん。元気だったです。それでこの美女は誰ですか?」


「この人はママです。」

グリンよちゃんと名前を言おうね。


「フィル。この人は俺の嫁のリリだ。」


「パパのお嫁さんですか? つまりボクに取ってのママでありますか?」


「フィルちゃん。初めましてハリーの妻のリリアンヌよ。宜しくね。」


「ママって呼んで良いです?」


「良いわよ。」


「やったあ。ボクはママが欲しかったです。」

と女性3人は話を繰り広げる。


「おいフィル。聞いて良いか?」


「パパ良いですよです。」


「何でボクっ子になったのだ?」


「それはパパから貰った本で憶えたからだよです。」

とフィルはその本をハリーに渡した。


「なになに『ボクっ子になる本(初級編)』と『ボクっ子になる本(上級編)』ってこれは、俺の愛読書じゃあないかあ!」


「あのう。そこの変態旦那!いい加減にしろ!」


「イエッサーマム」


「それで私は、破滅龍と神狼のママになるねえ。こりゃマジでビックリ家族だわ。」


リリは驚くより半ば諦めて頷く。


「ねえ。ハリー?」


「どうした?」


「この二人はハリーと召喚契約したの?」


「だなあ。もう15年ぐらいになるな。」

ハリーは一体何者かを考えるリリ出であったのだった。


「そういえばフィルちゃんっていくつ?」


「ボクは3万歳です。」


「え~と、私がもうすぐ21歳でハリーが40歳でフィルちゃんが3万歳でグリンちゃんが5万歳ってどうみてもおかしいだろう!」

とリリ1人ツッコミしていた。


その後、一家は家に帰って昼御飯を食べた後、夫婦の新しい装備と子供の服を買いに行く為、

先ずは武具屋に向かう。


「俺達の夫婦の装備の新調しないとな。」


「貴方は赤い鎧で良いじゃん。」


「これを装備すると後が面倒からな、それよりもお前のローブの方がそろそろヤバイじゃないのか?」


「そうね。でもここって良いお店がないから、諦めようと思っているのよ。」


「俺が知っている武具屋に行こうか。そこならばあるかも知れん。」


「パパ。ひょっとしてあそこに行くの?」


「まあな。」


「ボクあの人は苦手なのです。」


「私も苦手だよん。」


「グリンちゃんとフィルちゃんはその武具屋を知っているの」


「「うん」」


と言いながら進んで行くと、古ぼけた店の前に立った。しかも看板がない。


「ここなの貴方? お店ではないじゃん?」


「ここであっている。おいフィル。あいつはいるか?」


「パパ。いるなのです。」


「じゃあ入るぞ。ここなら子供らの服もあるかと思う。」

一家は中に入っていた。

家の中には1人の女性が座って寝ていた。

歳はリリと同じぐらいで灰色のリングで眼は赤い色のした美女で耳が尖っていてエルフのようだ。周りには何も置いていない。


「おい。ババアエルフ!起きろ!」


「うーん。なんじゃあ。お前か童貞。」


「童貞ではもうないぞ! 絶倫戦士だ!」


「貴方! なに言っているのよ!」


「おやおや。お前さんの嫁か? うーん胸がないなあ? お前って巨乳が趣味だろうが?」


「胸がないって言わないでよ。美乳と言って美乳っと!」


「まあ良いわい。用はなんじゃあ?」


「俺と妻の装備と子供らの服を買いに来た。」


「そうか。分かったよ。」


「ねえ。貴方? この人は誰ですの?」


「このババアのエルフはロマンって言う。見た目はお前と同じに見えるが実際は500歳で」


「ババアとはなんじゃあ! ワシはまだ250歳だぞ? 人間で言う30代だぞ?」


「言い方がババアなんだよ。」


「もう良いから用件を言おうよ。」


「俺は鎧と小手で嫁のリリにはローブと出来たら杖。子供らは各自似合う服を頼む。」


「子供らってこの二人か?」


「エルフのおばちゃん。グリンだよ。」


「ボクはフィルなのです。」


「こいつら。あのときの龍と狼か? 人間に変身出来たのか? ビックリしたのう。」


「おい。ババア。早くしてくれ。」


「分かったよ。童貞のハリーにはこれで、リリさんはこれで良いかのう。」

とロマンは空間から夫婦の装備を取る出した。


「ハリー。お前さんのは下地にグリフォンの皮で胴はミスリルで覆った奴で小手も同じで。軽量の方が良いだろう。」


「なかなか良いものだな。」


「そうだろ。でリリさんのは同じグリフォンの皮で作った糸とミスリルの糸で作ったローブじゃあ。色はリリさんの好きな色に染色するぞ?」


「じゃあ。薄い青色で。」


「それとこの杖を使いなさい。リリさんの杖って魔法学園の卒業の杖だろ? あれより良いぞ。」


「この杖ってすごい。簡単に魔力が杖に入って来るわ。」


「元の木はユグドラシルの大枝だからなのう。」


「えーーーーーーー!」


「後のちびっこはこれじゃな。」

と子供らの服を渡して子供らはそれを着た。

グリンは黒のロリファッションでフィルは青を基本としたベストと短パンでシャツは白色でいわゆるボクっ子ファッションである。


「一応、元の姿に戻ったら腕輪になるようにしている。」


「こんな物をあるの?」


「このロマンは防具と洋裁の専門家でな。気に入った相手しか売らないのだよ。まあ。300年以上の生活する資産はあるしな。」


「マジで?」


「「「マジっす」」」


「しかも俺が子供らに渡した本は元々こいつからもらったんだ。まあこのババアの趣味でな。」


「なんとなく分かったわよ。ロマンさんの服を見てそうだと思った。」

ロマンの服装はグリンと同じロリファッションである。


「でいくらになる?」


「合計で白金貨300枚ってとこか。」


「「「えーーーー」」」

と女性陣はビックリする。


「ほれ。白金貨300枚。これで良いか?」


「良いぞ。」


「また来るわ。ペチャパイエロババアエルフ!」


「おい。お前の嫁よりデカイぞ。」


「殆んど一緒じゃん!」


「1センチ勝っている。」

とロマンとリリのにらみ合い。


「じゃあな。出るぞリリ。」


「分かったわ。」

店を出た。

自宅に戻る途中、阿修羅リリをなだめていたのだった。


夕食後、

「明日は早いから寝るぞ。」


「じゃあ全員で寝ましょう。」

と全員同じベットで眠りについた。

もちろん。子供らは寝ると中々起きない事を良いことに夫婦いつもの夜の営みをするにだった。

本当にこのバカ夫婦は毎日飽きないものだ。










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