第7話 運動会の時期です!
やってきました運動会。結構春に行う学校も増えていますが、まだ秋にやるところもあります。(先生方には、学校の方針で春やるのも仕方がないけれど、春だと、まだ、特に小学校では仲間意識が薄くて、団結力が乏しいので、春やるのはイマイチ、と心配なさる人もいます。)日本の児童生徒にとっては一大イベントで、九月は学業そっちのけで、その練習に明け暮れます。日本の子供たちは保育園幼稚園から、この行事をこなすので、運動会=参加しないといけないもの、という認識ができています。が、これが超個人主義のラテン系には理解に苦しむようで。週末に学校に行くのも、お弁当作ってこないといけない、学校によっては朝から場所取りの説明等、学校のお便りで内容が上げられて、尚且つ運動会のプログラムも配布されます。それをこの時期持ってくるお母さん達がいるので、事前説明と自分の子供の出番をプログラムでチェックして、きちんと指定された時間に来て、自分の子供の出番が終わっても、ちゃんと整理体操して、校長先生の講評を聞いてから帰るように伝えます。というのも、以前やっぱり困った父兄がいて、なんと当日子供共々大名出勤!で、クラスメート達はちゃんと自分で椅子を教室から運んできて、そこに座ってるのに、大名出勤してきた子は、母親に自分の椅子が待機場所にないと言って、その場で母親がブチ切れたそうです。(教頭先生談)その上、自分の子供の出番が終了すると、担任と教頭先生がいくら止めても「もう子供がする事はないんだ!」と言って、帰ろうとするし、他の父兄の手前もあり、本当に困ったと愚痴られました。ちなみにこの小学校は他にも外国人父兄がいるのですが、皆さんそこらへんは分かっていて、そのようなわがままを言う父兄は、他におりません。挙句の果てにこの困った父兄は、後で市役所に来て、「担任を替えろ!」と教育委員会に怒鳴りこみました。が、当然教育委員会も、又学校側も担任に非はないと突っぱねました。(この話、他の通訳に聞いて、ああ、良かったと胸を撫でおろしました。自分の思い通りにならないから、担任替えろというなんて!これがまかり通るようになったら、怖いです。あ、でも今そういうモンスターペアレンツいるんですよね。)
中学校に至っては、運動会はマジでスポ根、体力勝負なので、更に大変です。外国人の生徒達は、中学生ともなると、勉強嫌いでもこういうイベントは好きな子が多いので、出席率についてはあまり心配もないのですが、中学校から編入してきた外国人生徒たちは、たまげます。9月にいきなり編入してきた1年生の女子。日本語ほとんど分からないのに、いきなり運動会の練習で、学年競技が、なんと30人31脚(計算合ってるでしょうか?)。。。。。彼女は、運動会なんか母国でやったことないし、全員強制参加(当然です!)なので、自分だけ、日本語が分からないという月並みな手を使って逃げることもできず、自分が転ぶと、周りのクラスメートが自分の上に倒れ込んできて来て、下敷きになる、という事態に相当辛い思いをしたようです。他に愚痴が言える相手がおらず、私が学校訪問した際に、「なんで日本の中学校はこんなことしないといけないの?」と嘆いていました。
知り合いの息子さんは、「クラス全員、ムカデ競争」で、その息子さんは当然日本人なのですが、運悪く?!先頭になってしまい、お父さん曰く、練習の時から傷だらけだったそうです。他の小学校でも、お決まりの組体操やってて、上から落っこちたっていう出来事もありました。今の御時世では、ケガした=危ない=競技中止、というケースも出ているようですが、私が見る限り、運動会の練習中の児童生徒達は概ね楽しそうで、「皆で頑張って一つの事をやる!」と言う事に集中しています。とくにムカデ競争、30人31脚、組体操などは、運動会の花形で、当然やってる本人達、チョー必死です。ですが、やり終えた後にギャラリーから頂く拍手は、彼らの達成感を十分に満足させるものです。ですから、過保護な見方で、危ないから禁止!とか、親御さんの子供の安全を考えるお気持ちも分からないではないですが、やはり子供の楽しみを奪わないで欲しいと思います。
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