たのしい科学

東雲

第1話 運動量と運動エネルギーの違い(仮)

 俺と幼馴染は只今、下校の真っ最中。

 るんるんるん。今日もいいお天気だな。


 隣の幼馴染こと和香 爛 わ か らんは、そういえばと言いなが質問をしてきた。

「ねぇ、運動量と運動エネルギーって何が違うの?全くわからん、和香 爛だけに」

「あっ、またか」

 その一言で僕たちは瞬きの間に、例のあの場所。

 俗にいう、質問に答えられないと出れない部屋に飛ばされる。


 最近、よく来るからもう慣れてしまった。

「ほんと、机と椅子と黒板以外何もないな。せめて、飲み物くらい用意しとけよ」

 ここは質問者のための空間なのか、勉強するのにもってこいの環境だ。驚く事なかれ、冷暖房完備である。おあつらえ向きに教師役の俺は、いつの間にか白衣を着ている。教師関係ないけど、かっこいい。


「先生早く〜」

 学校の椅子にセットされた爛はいつでも大丈夫そうだ。ここに来たら絶対にこの和香 爛にわからなせないと出られない。今日もたっぷりわからせるとしよう。教師が生徒に負けるわけないだろ!


「さぁ、楽しいわからせ大作戦の始まりだ!」

「これは出れる気がしない(笑)」

「して!!!」


 てことで、最初は確認からだな。

「じゃあ、運動量と運動エネルギーについてどのくらいわかってるのか教えておくれ」

「おっけー、でもほとんどわからないよ。運動量はmv、運動エネルギーは1/2×mv^2って事くらいかな」

 なるほど、公式は覚えているけどってところだな。


「まず、公式がいってることを確認してみようか、まずmが質量で、」

 天を貫くかのような真っ直ぐと伸びた手。

「はいはい!質問!質量ってなんですか??」

「・・・知るか!」

 すぐさまスマホを取り出し、goggle先生にたずねることにした。

 ふむふむ、ウェイペディアによるとこういうことらしい。

「物の動かしにくさを表した量だって」

「動かしにくさ?」

「うーんと、想像して欲しいんだけど。例えば、物を押して動かしたいとする。同じ力で押すなら、質量が大きい方が動かしづらいって事だね」

「ふーん、えっちじゃん」

 同意はするけど、顔を赤らめて恥じらう程か?

 まぁ、いいや。


「それで、vは速度で、」

 瞬足を履かせたかのように手が挙がる。

「はいはい、質量!速度ってなんですか??よく、速さと速度は違うって言いますよね??」

「爛さん、質問と質量をかけたってことでしょうが、本当にかけるべきは質量と速度です」

「なるほど、わからん。和香 爛だけに」


 とりあえず、速さと速度を説明したいけどどうやって説明しよう。

「うーん。速さっていうのは、ある時間でどのくらいの距離を移動するか表してるんだけど」

「?」

「例えば、車の速度計(スピードメーター)で表示されてるのも速さで、そのまま走ると1時間で何km進むかを教えてくてるんだよね」

「とりあえず、わからないからgoggle先生にあとで聞くね」

 泣


「それで速度は、決められた向きの速さってことかな」

「ふーん?えっちじゃん?」

「例えば、車に付いてる速度計(スピードメーター)とかは、前向きの速さを表してるんだよね。」

「それは当たり前じゃない?」

「確かに、当たり前じゃんって思うかもしれないけど、もし真横に横に進んでたら、車が進んでるのに速度計は0になるのは想像できる?」

「うーん、まぁ」

「ということは、本来ならバックをしてると速度計はマイナスになるんだよね」

「あー、ね」

「要するに、速度はある向きに対しての速さってことだね」

「なるほどね、すこしわかったよ」


 これでようやく運動量と運動エネルギーの公式に戻ってこれた!

 もう疲れたから手短に話しちゃうわ。

「運動量も運動エネルギーも、どちらも質量と速度を掛け算してるよね。だから、質量が増えると、速度が大きくなると、どちらも大きくなるってことだね」

「物が動いていると運動量と運動エネルギーがあるってことか」

「それと、質量が0で何もないか、速度が0で止まっている場合は、運動量と運動エネルギーも0になるよ」


「いやー、勉強になりました。本当にお疲れ様です」

 とてもやり切った感を出している爛。

「まだ、肝心な部分が説明できてないけど?」

「と言いますと」

「運動量と運動エネルギーの違いがまだ分かってないでしょ」

「あー・・・」


 そう。ここからがこの話の本題なんだよ。


「あ!ちょうちょさんだー!」

「・・・」

 うち、めげへん!


 俺の戦いはまだまだ続く

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たのしい科学 東雲 @miruweru

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