第3話

帰宅した私は一息付く間もなく洗面所へと向かった。返り桜を流し落とすためだ。今回はいつもより大幅に飛び散ったので自身にも沢山桜が付いてしまった。


「今日の桜も綺麗だったなぁ…ふふっ」


ピロンッ


携帯が鳴った。時刻は12時ちょうど。こんな時間に私に連絡してくる人と言えば……桜ぐらいだ。まだ明日の桜は見つかっていない。ちょうどいいだろうと思い私は携帯画面を覗いた。そこに表示されていたのはやはり私の桜探しに利用している『boigaru』というマッチング系アプリからの通知だった。一体どんな人からの連絡だろうかとワクワクしながら届いたメッセージの文を見た。……そこに書かれていたのは

「大切な現場撮影をさせてくれてありがとう。」

という一言だった。

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