才能
「どうするつもりだい。」
「僕には勉強、運動共に才能がないんです。だから努力できない。」
「私は君のために言ってるんだ。」
「自分のためでしょう、僕らなんか本当はどうでもいい。」
「はぁ・・・。しかし、自分の無能さを人のせいにするのは如何なものかな。」
「才能ある人間を妬むのは、そいつが才能あるヤツだからです。それほどの才能を持つヤツが悪い。」
「ふむ。きっと君にだってあるさ、努力すれば磨かれるものが。」
「努力も才能の一つです。押し付けないでください。」
「・・・では君が持っている才能とは何か、答えられるかい。小さなことでも。」
「答えられません。」
「それは何故?」
「僕が悪いヤツになってしまうから、そして、貴方が僕を妬むことになるからです。」
「はは、私は君のような感性は持ち合わせていないよ。教えてごらん。」
「モテる才能です。」
「あはは。すまない、随分と真面目な顔で言うものだから。それで、僕が妬むと?」
「はい。」
「昔なら嫉妬したかもしれないな。しかし僕は既婚者だ。妻がいればそれでいいさ。」
「だからこそ妬むことになるんです。」
「ううむ、よく分からないな。」
「知らなくていいと思います。・・・あぁ、面談時間終りですね。失礼します。」
「あっ、おい・・・。」
終
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます