私は恋するラヴドール
誰だろ
羅ヴdoル……ラヴドール……rabudo-ru
ノンフィクション
卒アルは捨てた 制服のスカートは八つ裂きりに
スクランブル交差点で耳を塞ぐ
心臓は踏切に
「うげっあそこにあるのラブドールじゃん笑」
赤い口紅を塗った汚い女が昼間からゲラゲラ笑って言った
「ラブドールって何?笑」
スマホばかり見ている特に興味もなさそうに黒髪の女が聞く
「あぁー彼女できない男が性処理に使う人形だよきっしょ笑」
学校をサボってイヤホン外した私の耳に最初に入ってきた言葉がラブドールだった
アダルトショップのショーウィンドウのラブドールはどこか私に似ていた
ラブドールに手を振って飴玉1つ舐めたら
さくら大好きだよ 今度のデートホテルでいい?
そんなLINEに目を向ける
いいよ!私も拓也のこと大好きだよ 早く会いたいな
1ミリも思ってない文をスラスラと書いていく
17歳の冬は少し寒い。寒い日は決まって14歳の夏を思い出す
ミンミンと鳴くセミ、私の喘ぎ声はあまり相性は良くない
クラスメートに無理やりされた性行為
お腹に出された精子と枯れた涙の後が頬に1つ
「さくら〜フェラして」
真っ白な頭に聞こえた最初の言葉
そんなことを思い出して歩いていたら自販機におしるこ。おしるこなんて甘ったるくて嫌いだし割高だし普段は絶対に買わないけど今の私には必要だった。
下校時間になり市ヶ谷駅の改札を通ろうとするとSuicaにお金が入っていないことに気づく。通学定期代はもちろんちょろまかして全部遊び金に変えていたためSuicaに入金して学校に通っていた。入金できるお金がなかった残金400円おしるこさえなければ帰れたのにとおしるこを恨んでいたら同じクラスの麻衣ちゃんがいた。
「麻衣ちゃんお金貸して」
咄嗟にその言葉が出ていた。家に早く帰りたいという一心で出た言葉
「さくらちゃんどうしているの?学校サボってたのに!! で、何円貸せばいいの?」
呆れた顔で言われた
「ありがとう、100円貸してもらえると助かる」
麻衣ちゃんはカバンから可愛い財布だし
「さくらちゃんって千葉方面だよね?貸す代わりに一緒に帰ろ」と言って100円を差し出した。
貰った100円で500円入金し同じホームに立つ
「なんでサボったの?」
ストレートすぎる質問に困っていたら麻衣ちゃんの手首に目がいった リストカットした跡だらけの腕を見たそれに気づいた麻衣ちゃんはスっとセーターで隠した。
「理由はなくてめんどくさいからサボったよ。麻衣ちゃんもリスカするんだね。私もするよ」
麻衣ちゃんは少し驚いて
「LINE交換しよう」と提案してきた
「いいよ QRコードね」
「ありがとうね さくら って呼び捨てしていい?」
「別にいいよ じゃあ私は麻衣って呼ぶね」
「さくら手繋いでいい?」
女子校じゃよくあることなので自然と
「いいよ」と返していた
「さくらの手小さいね 可愛い リスカの跡見せてもいい」
「別にどっちでもいいけど」そういうと麻衣はセーターをめくりリスカの跡を見せてきた。ハート型のリスカの跡は少し不気味で可愛かった
「ハート型にリスカしたの 可愛いでしょ
さくらも一緒にハート型にしようよ」
「可愛いね 私もハート型にしたい」
「それじゃぁ決まり!小岩駅だ!一緒に降りよ!」
と言って無理やり降ろされた。
小岩駅のトイレに2人で入りハート型にリスカしてキスをして麻衣は大量の風邪薬を飲んだ
「ラブドールって知ってる?」
「知ってるよ どうして?」
「何となく聞いただけ」知らないと言って欲しかったなぁなんて思ってた。
「ラブドールってね空気いれて使うらしいよ」
そういうと麻衣はまた私に情熱的なキスをした
「はい!これで空気入れ完了」と麻衣はふざけて言ったが私自身をラブドールと言われたみたいで腹が立ったのでトイレを出ていこうとしたら麻衣はこう切り出した
「わたしは恋するラヴドール さくらの空気がもっと欲しい 」
私たちの関係が始まった
私は恋するラヴドール 誰だろ @neci
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