第5話 勇者襲来



「ルドラさん、間もなく勇者がやって来ます」


監視していたアレンがルドラたちに報告する。


「ようやくか」


玉座に腰掛けたままルドラがこたえる。


「ほんとにルドラが相手をするの?」


アリアはいまだに心配そうな表情をしている。


「そんなに心配なら見ててもいいぞ、ただし、手出しはするなよ?」

「! いいの!?」

「特にやってほしいこともないからいいぞ。それに心配してくれてるのは嬉しいからな。お前らはどうする?」


アリアは残るだろうが、他の面々はどうかと確認したが、聞くまでもなかったようだ。


「残ります」

「マリナも残るね!」

「もちろん残るわ」


クレア、マリナ、エルシアもこの場に残る選択をした。


「ありがとな、みんな‥‥一応、エルシアの力で認識阻害しといてくれ」

「わかってるわ」


エルシアもルドラの考えを汲んで認識阻害の結界の準備を始めていた。

その後、しばらく会話を続けていると、勇者の監視をしていたブランとアレンが勇者の接近を知らせる。


「ルドラさん、来ます!」

「エルシア頼む」

「もうやってあるわ」


ブランとアレンから伝えられると同時にエルシアは結界を張っていた。

そして数秒後、バタンと大きな音とともに扉が勢いよく開かれ、勇者が入ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る