第四話 予定

セリが獣人の国に行くのを決意したが、北砦に居た人達はどうするのか気になっていた。


「僕はここで修行ですね。」


「俺はーどっすかね。お守り?」

「オレ、監視が居るってここで様子見されるー。」


「婦人は?」

回復しているため、今後はどうするのかは面会できていないためセリは知らない。


面会を避けられているのか、監視扱いで許可が得られないのかも分かっていないが。元気だとは聞いている。


「ここで学んでから、後で入国って順かなあ。」


2人残って、2人獣人の国へ行く事になりそうだ。しかし、セリと一緒の時期とはいかないのだと言う。


この様子から、セリの入国審査にようなものがとても端折られたと予想できた。権力か、竜人という客人扱いのオマケだろうか。


そう考えるセリだが、セリ自身の功績もある。


魔木への対処、その功労者の一人として十分褒賞を出せる。年齢と所属がない一般人であるため、そして厚遇し過ぎていないというアピールのためだ。


セリの出身である教会を確認できたとはいえ、特別待遇されているという不満は持たれないようにしたいとの思惑も、功績を上回るのだが表明する事はない。


最近に保護した2人の兄妹に続いて、人族への嫌悪が増していきそうなのは、完全にとばっちりなのだが感情面で割り切れる話でもない。


彼らの父親の捜査は、相手に国に気づかれないよう進んでいる。機密だが。

そんな事情も、極北の城内での不満に高まりに注意を払っている状態だ。


「番関係というのは、気を遣う。」


主に、セリへの不満が向けられるとロードが暴発しそうだからだ。アクレイオス自身はエルフなので番への情動というのは体感にないが、過去の事例は記憶している。


対応を間違えば、悲惨。


今のロードの状態であれば協力関係も容易い。セリも良い子だし協力は惜しまないつもりだ。年寄りのお節介のひとつであって、平穏無事に過ごしてくれれば良い。


そう思っているアクレイオスは、お茶の時間もロードの部屋で過ごす機会が多くなった。この時期は少し暇らしい。


「これから交代要員が来て忙しくなる。それが終われば任務が終わりだがな。」


トップというには大変な様子だ。


「今回は危険が見つかったものの、被害らしいものが出なかったからな!」


確かに。魔木が新しくみつかったが早期に対処ができ、封印状態だ。


衛生士など薬師に資格を持つ者に協力して、守護を固められれば良い。

危機は脱したのだろう。


その貢献した者たちに、自覚が薄そうだった。


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