第三十六話 まったり

風呂で温まってから、昼寝をさせようと思う。


お土産は、“凍った魚”。


「焼くか煮るには問題ないわね。」


氷の部分が大きかったので削るか、火の魔石で溶かすかして

保存しておこう決めた。


「調理は、明日にしまショ」


今日はもうセリに、働かせたくない。

森の採取に、釣りにと楽しんでいたようだけど


外に行ってきて疲れただろう。

そうは見せないが、眠りが深かったりと疲れが見えると思うから


(隠すのがうまいから、早めに休ませないと。)


どうも動き過ぎる。

ペース配分が下手なのは、子供だからか?

環境がそうさせたとも思えるし。


本を用意し、部屋で過ごせるようにした。

寝てしまえれば良いけど。


(興奮で寝れないカシラ?)


それよりロードのが、高揚している。

カナンから聞いた話に呆れたケド

まあ、セリからの言葉がそんなに嬉しかったのカシラ?


なんて言ったか後で聞けば良いワ。

護衛対象を追いかけてへバッた、狼に目をやった。


門を潜って来た時、

到着するや、止めにかかったものねぇ。


(連れ去られているみたいだったわ。)


部屋に帰っても落ち着かない男を

今度は護衛が抑えているのが現在。


護衛ってロードからなの?という視線に

「セリ、近くの男が危険なこともあるワ」と諭す。

抑えている間に、風呂に入って出てきた


「ちゃんとあったまったカシラ?」

確認しようとすると、


そいつは目の前で

ホカホカしているセリの頬にキスして、自身も風呂に向かった。


(手の早い)

頬が真っ赤なセリに、冷たい飲み物を渡すシュルト。

冷やしているので、落ち着くだろう。


軽く食べられる物を用意して、先に出す事にしたのだった。



ロードが出てきて、カナンが浴室へ向かった。

セリがお腹も満たされ、ウトウトしだしたのに


ドンドンッ

来客だ。


シュルトが出ると、

騎士と商人


断っても、騎士の勢いを止められなかった。

「採取した物を売ってくれないか?」


今回は魔獣を仕留めてもいない。

そもそも、なぜ商談できると思ったのか?

未成年に持ちかけている。


ロードがいるから、安全だろうケド

服装も整えていないのに!


騎士がついていても、追い返そうと決める。



カナンが浴室から出てきた。


急いで出てきて、ラフな格好だが

「帰れ」睨みは効くらしい。


追い出すかたちに、文句を言う声。


どうでも良いとセリに声をかける

「セリ寝ていいぞ」


そう言われたがセリの目は、冴えてしまった。

どうしようかなと考えていると


「ちょっと用事ができたワ」

シュルトが部屋を出て行く。


その後

シュルトが伴って、キースが訪れたのだった。

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