第三十三話 川釣り

ひと通り、採取の終わったセリに


休むか聞いたが

川まで行っての休憩を決めた。


雪の下から掘り起こして、きのこを見つけ

木の皮を剥いだのは染料に使えるためだ。



そんな風に川に戻って来た。


持たされた、温かいお茶

温かいままのスープと肉を挟んだパンが昼食だ。


「うまい。」

少々、強い川風にもめげないカナン。


ロードがセリを抱きこんでの食事風景。

独り身が沁みる。


普段より洒落た食事に集中し、早々に食い終わった。

なんか、気配が近づいている。


対応に立ったカナンは、その方向を警戒した。



セリはその少し後に食べおわり、デザートの前に

気になっていた仕掛けを上げている。


蟹か?

魚も入っていることから成果ゼロには、ならないらしい。


そして川で釣りをする。

ロードは、セリに餌付けをしている。


デザートは小粒のフルーツ

楽しそうにセリの口に入れている。


セリは釣りに集中している。

カナンが警戒をしたまましばらく、この場にとどまるようだ。



セリを抱えて楽しいが、動けない状況にロードは考えた。

雷の魔石を投げ込んで、川をバリバリっとやろうか?


浮かんでくる魚がいるだろう。


セリは釣りをしたいらしいから、釣果がなければ後でやるかもしれない。



ガサっと木を分け入った音

そちらから殺気はなく、

カナンの警戒体制に気づくもロードはのんびり構えた。


“脅威ではない”

“敵でもない”


知り合いといえば知り合い。出てこないなら、別にいい。

セリの竿に反応があった。


「んっ!」


上げたが、速すぎたらしい。餌をつけなおし、再び釣りを再開した。


その後方で

ガサっ音を立てて降り立った影があった。


カナンが剣を構えるが、

ロードはちらっと見て、気にせずセリの椅子をしている。



セリは気づいていないようだ。

殺気もない上、カナンがいるので安心している。

ロードと接点があると警戒が緩んでいるのは、無自覚だった。


カナンに刃を向けられているのものの

ゆるりと川に向かう。


“何やってんの?”と通り過ぎて、川面を見た。


「また会ったね」


雪豹は以前あった若い個体のようだった。

見分けはつかない。


とりあえず、セリは水魔法で水球を出す。

それをパクっと飲み込んだ様子は、前と同じだった。






→氷魔法で、滑らせた

派手に転んで周りも巻き込んだ姿が

バッチリ住民の目にも映った事だろう。


ずっこけ男

セリの調合


料理の手伝い


簡単な解体


シュルトとの料理


手つきはそれほど、辿々しさはない。


それでもロードには、危っかしくうつるようで


慌てている。


竜人をこれほど慌てさせられるセリちゃんは

大物だ。


と疲れもちょっと軽くなる気分だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る