閑話 ジルヴェスター

※R15表現有り 読み飛ばし可





何故か最初の出会いで強く惹かれるものを感じたのはまだ14になったばかりの頃で、二次性徴の真っ只中だったからかもしれない。


前々から『彼女が預言者として見出されなければ婚約者になっていただろう』とは聞いていた。


目の前に現れた少女は清楚で神々しく性的なものを感じさせない筈なのに、何故か強い劣情を感じついそれを恥じてしまった。


肌は白く、薄いグリーンのサラサラした髪は女性にしては短く、もっと伸ばして欲しいと思う...その髪を指で絡ませたい。


ピンクダイヤモンドのような瞳も強く美しい、組み敷いて涙を浮かばせたい。


その薄いピンク色の唇を貪り喰いたい。


今着ている身体の線を隠すような司祭のローブを破きさり丸みを帯びた女性の身体を自分の物にしたいと強く感じてしまったのだ。


彼女を見つめていたら、急に彼女は顔を青ざめ護衛騎士に連れられ貴賓室へ移動していった。


ああ、もっと一緒に居たい、何故彼女は神の花嫁なのか...神をこれ程憎いと感じた事はなかった。


その夜の事...酷くも魅力的な夢を見た。


自分がおぞましい悪魔になって彼女に似た大人の女性を組み敷き辞めてと言われても血と白濁した液体塗れで繋がったまま体位を変えながら延々と彼女を貫き貪りつづける夢だ。


残虐で卑猥で淫靡なのにとても魅力的に思った。


『神の花嫁を穢すその願いを叶えるがいい』


頭の中で何かが囁く。


『本来ならば我が花嫁となる女...』


そうだ、本当なら彼女は私のモノだった。


『それを横取りしたのは彼の神に他ならない...ああなんて忌々しいことか!』


そうだ、私のモノを奪うとは忌々しい!


『元々お前の物なのだ!』


『お前の父がお前の母にしたように無理矢理にでも囲い込むがいい...』


一度母が父によって犯されている姿を見た時は腸が煮え繰り返る気持ちだったが、今は寧ろ羨ましいくらいだ。


『先程見た夢のようにすれば良い』


そうだ、そうしよう。


『さぁ行動を起こせ、我が花嫁との蜜月のために』


自分の願いなのかそれとも何か良くない者の意識なのか様々な誘惑の声...そしてその誘惑に従う自分がいた...


ああ...そうだ...彼女は自分の物だ...ああエルマ...我が花嫁...


自分の意識と呼びかける意識が混じり合う。


目を覚ますとベッドは自分の体液で酷く汚れ、これは湯あみをしなくてはと起き上がり寝巻きを脱ぐと臍の周りに見たこともない赤い文様が浮かび上がっているのが分かる。


「なんだこれは?」


そう思った瞬間その文様は消えてしまったが、ドクンと心臓が高鳴る。


鏡に映る自らの姿...母に似た美しい顔立ちと王家の色でもある紺碧の瞳...しかしいつもよりもその目は深い沼のような色をしているようだ...


まさかその臍周りに浮かんだ文様が禁呪の証...悪魔の受肉の印である事はその時は全く気がつかなかった。


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