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「美咲……。」
「いや、あの、そ、そろそろいいかなって、思って。っていっても、圭佑さんがいいなら、だけど。」
自分でもありえないほどモジモジしてしまって、余計に恥ずかしさが込み上げる。
だってこれってプロポーズしているようなものだし、まさかすずからそんなことバラされるとは思ってもみなかったし。
「待って、美咲。」
「へっ?」
「ちょっと待ってて。」
そう言うと、圭佑さんはネクタイをきゅっと締め直しカバンを拾った。
「すぐ帰るから。」
そう言って慌てて出ていってしまった。
「パパどこいくの?コンビニ?すずもいきたい、すずもいきたい!」
ギャアギャア騒ぐすずを尻目に、私はバタンと閉められたリビングのドアの前で呆然と立ち尽くした。
あれれ?
これは振られたのだろうか?
まさか、圭佑さんに逃げられた?!
あー、早まったかなぁ?!
頭を抱えてうずくまる私の上にはすずがお構いなしに乗りかかり、コンビニコンビニとうるさかった。
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